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NY原油23日:ドル安継続で、原油相場の反発も継続

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油4月限 前日比0.88ドル高

始値 46.41ドル

高値 47.61ドル

安値 45.33ドル

終値 47.45ドル

ドル安が継続する中、原油市場でもショートカバー(買い戻し)を進める動きが強く、続伸した。

需給面に特段の新規材料が見当たらない中、為替相場の動向が注目を集めている。ドル相場が反落局面を迎える中、他商品市場同様に原油市場でも売りポジションの解消を進める動きが強く、期近ベースでは3月12日以来の高値を更新している。米国内の過剰在庫に対する懸念は根強いが、月初からの急激な原油安の反動もあり、やや安値是正の動きが優勢になっている。

サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、同国の産油量が日量1,000万バレル近くに達していることを明らかにした。サウジの石油輸出国機構(OPEC)に対する報告では2月時点で日量968万バレルと報告されていたこともあり、原油市場ではネガティブ評価が優勢に。もっとも、単純に約1,000万バレルという意味の可能性もあり、この発言を手掛かりに改めて売り込むような動きまでは見られなかった。同時に、どのような需要に対応できるとの見通しも示されたが、余り材料視されていない。

ドル安を手掛かりに安値是正の動きが続いているが、目先は在庫積み増し圧力が原油相場の上値を圧迫するフローが維持される見通し。いずれかの時点で年後半の需給均衡見通しを織り込む必要性が高まるが、少なくとも在庫増加トレンドが維持されている間は、買い急ぐ必要性は乏しいだろう。なお、40ドル割れのリスクも想定しておくべきと考えている。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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