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レトロなケーブルが60周年!五剣山の緑に包まれた癒しの霊場・八栗寺へ【高松市】

原田伸一ガーカガワ編集部(高松市)

ラジオ番組のレギュラーや多くのイベントに出演し、ヒットチャート入りも連発する高校生ギタリスト・馬場美夕さん。
今回はお遍路女子になりきって、60周年を迎える八栗ケーブルに乗って四国霊場第八十五番札所・八栗寺さんへ行ってきました。

それではさっそく八栗ケーブルの出発駅「八栗登山口」に向かいましょう。

すぐ隣の鳥居をくぐってそのまま徒歩で登る猛者もいるそうですが、暑い時期でもありますのでここは無理せず八栗ケーブルを利用することにしましょう。

高松市民にとっては、惜しまれながらも2005年に廃止になった屋島ケーブルとともに親しまれてきた八栗ケーブル。今年で60周年を迎えるそうです。

現在の八栗ケーブルが開通したのが昭和39年(1964年)12月。昭和39年といえば東海道新幹線の東京-新大阪間の開通で大いに沸いた年で、この八栗ケーブルの車両もその流れを汲んだ流線型のデザインが特徴。

ちなみに、初代新幹線と同じ日立製作所笠戸工場で製造され、現在ではこの型のケーブルカーが残るのはここだけなんだそうです。

車両の中に残る日立製作所のプレート。

ケーブルカーは、高低差167m、最大勾配約17度もある坂をスルスルと上っていきます。運転速度は時速12kmで約4分の乗車時間です。
扇風機がカラカラ回るレトロな車両は旅情満点! 美しい緑に目をやりながらあっという間に山上駅に到着しました。ちなみに春になるとケーブルから眺める桜がとっても綺麗なんだそうです。

ここから八栗寺まで徒歩で向かう事にしましょう。

いやもう緑が本当に眩しい! ここ連日、撮影してはPCと睨めっこで酷使しまくっていた両目にビタミンが注入されていくよう。森の香りに包まれながら参道を歩くと、体そのものも癒されていくのを感じます。これが森林浴効果なのでしょうか。

さらに森林浴を楽しみながら進むと、やがて朱色の美しい多宝塔が見えてきました。

地元の人々から「八栗さん」と呼ばれ親しまれている四国八十八カ所霊場第八十五番札所・五剣山八栗寺は、天長6年(829年)に弘法大師空海により開創された真言宗大覚寺派の寺院です。

まずは本堂の手前にある鐘楼堂で梵鐘をつきます。ちなみに鐘は参拝する前に仏様に挨拶する意味でつくものなので、参拝後につくと「出鐘」と言って縁起が悪いそうです。

今回、大変ありがたい事にご住職がご対応くださいました。

この日はちょうど境内の菩提樹の花が綺麗に咲いていて、優しくて甘い香りに包まれていました。菩提樹はお釈迦さまがその下で悟りを開いたとされる聖木で、この樹は弘法大師お手植えの菩提樹のひこばえなんだそうです。

それでは順番にお参りしましょうということで、いったん八栗ケーブルのある方角とは逆の山門を出ます。実は八栗ケーブルから進んできた参道は裏参道で、表はこちらなんだそうです。

どちらからでもご利益に変わりはなさそうですが、せっかくなので表参道から参拝しなおしましょう。

徒歩で登ってきた参拝者を迎えるのがこの「お迎え大師」です。

そしてここからの眺めは最高! 晴れた日は金毘羅山や徳島の剣山まで見渡せるそうです。

そしてあらためて境内に入って行きます。
二天門をくぐると正面に独特な形をした五剣山をバックに本堂が見え、美しい景観が広がります。

境内に入ったらまず手水で清め、ろうそくを点し、線香は三本立てて供えます。

そして本堂へ行き、お賽銭を入れて般若心経を唱えます。

お参りが終わって墨書とご朱印をいただきました。

ちょうど8月31日まで第八十四番から第八十八番に当たる屋島寺、八栗寺、志度寺、長尾寺、大窪寺で「あがり五大寺めぐり」が行われていて、それぞれのお寺にあるキャラクターカードを集めるとオリジナル電子御守りがもらえるそうです。

八栗寺は財運向上のきんちゃくん。かわいい(笑)

最後にご住職に案内されたのが天狗伝説が残る中将坊堂への入り口。中将坊さまは讃岐三大天狗の一人で、七福神のひとつである大黒天の生まれ変わりなんだそうです。

「上ってみますか?」と問われるご住職につい「はい」と言ってしまってからちょっと後悔したのですが、そこからはずーっと階段が続きます…

でも、いかにも天狗が出てきそうな魔境感があって、先ほどからの森林浴とはまた違った清々しさを感じる参道でした。

ということで高校生ギタリスト・馬場美夕さんと行く八栗寺はいかがだったでしょうか?

僕自身も経験のないお遍路女子設定だったので、後で撮影画像を見返してみて「あれ? 参拝する時に傘をかぶったままって本当はまずかったんじゃないのか?」なんてチョンボもあったのですが、ご住職や四国ケーブルさんには本当に親切にしていただいて、美夕さんもお遍路女子を楽しんでいるようでした。

美しい緑に囲まれてたっぷり森林浴したうえに財運向上のご利益が期待できるのですからこんなに有難い事はありません。皆さんも60周年を迎えたレトロなケーブルに乗って八栗さんへ参拝してみてはいかがでしょうか?

モデル = 馬場美夕(ばば みゆ)/ Twitter @miyuguitars
衣装提供 = 四国ケーブル株式会社

八栗ケーブル
香川県高松市牟礼町牟礼3378-3
■運行時間
7:30~17:15(毎月1日は5:00~17:15)
・定期15分毎(毎時0・15・30・45分)
・多客時は随時運転

ガーカガワ編集部(高松市)

香川のあれこれweb「ガーカガワ」編集長。カメラ片手に香川県内を飛び回るフォト&ライター。グルメや観光などの定番記事のほか、地元の人やモデルなどを積極的に活用する人肌感のある記事が得意です。明太子は心の友。

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