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NY原油14日:シェール減産への警戒感から続伸

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油5月限 前日比1.38ドル高

始値 52.05ドル

高値 53.72ドル

安値 51.83ドル

終値 53.29ドル

米シェールオイルの減産観測が下値を支え、期近主導で続伸した。

明日は米エネルギー情報局(EIA)の週間需給統計が発表されるが、シェールオイルの生産鈍化・減産が示されることが警戒されている。本格的に減産圧力が強まるのは5月入りした後と考えているが、既に米産油量が前週比マイナスとなる兆候が増える中、週間統計発表後の上昇を先取りする動きがみられた。本日は為替相場がドル安方向に振れたこともあり、約1週間ぶりの高値圏まで上昇している。

米石油リグ稼動数の急激な減少傾向が続く中、シェールオイル増産にブレーキが掛かる時期は間違いなく近づいている。EIAの掘削レポートでは5月に僅かながら減産に転じるとの見通しも示されている。ただ問題は、これが過剰供給環境の解消につながるか否かは、議論が分かれていることにある。シェールオイルの増産にブレーキが掛かれば、原油価格に対してポジティブ材料であることは確かであり、ここまでは議論の余地がない。ただ、それだけで供給過剰が解消され、更に過去最大規模の在庫取り崩しが始まるのかは別問題であり、マーケットでは悲観と楽観が交錯する不安定な地合を強いられている。

現在の需給バランスを考慮すると、なお原油価格の反発シナリオには慎重姿勢が求められると考えている。国際原油需給バランスを均衡化させるには、最短でも今秋まで時間が必要とされる可能性が高い。過剰在庫の取り崩しには多くの時間が必要であり、少なくとも反発力は限定されることになるだろう。ただ、米国内のシェールオイル増産傾向が緩んでいることも事実であり、将来的な需給均衡化を先取りする動きが強まるリスクには注意したい。需給面からは依然として安値低迷が必要なステージとみているが、相場が先走りするリスクが浮上している。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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