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全英オープン特別招待を懇願したゴルフ界のレジェンド、G・ノーマンのリクエストは、あっさり「却下!」

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:Action Images/アフロ)

 新ツアー創設に向けてアクティブな動きを見せ、ゴルフ界を大いに騒がせ続けているゴルフ界のレジェンド、グレッグ・ノーマンは、今年7月に「ゴルフの聖地」セント・アンドリュースで開催される全英オープンに出場する意思を示し、大会を主催するR&Aに特別招待を求める手紙を送っていた。

 しかし、5月4日にノーマンと直接会話したオーストラリアのゴルフダイジェスト誌によれば、ノーマンはR&Aからリクエストをあっさり却下され、「とても残念だ」と語ったという。

 ノーマンは1986年と1993年の全英オープンを制した「過去の優勝者」だ。過去の優勝者には全英オープンへの出場資格が付与されるが、そこには年齢制限があり、かつては「65歳まで」とされていた制限は、2007年には「60歳まで」に引き下げられた。

 ノーマンは現在67歳ゆえ、いずれにしても年齢制限にひっかかり、過去の優勝者として今年の全英オープンに出場することは叶わない。

 出場するためにノーマンに残された道の1つは、地区予選からトライして自力で出場権をつかみ取ること。

 そして、もう1つは、R&Aから特別招待をもらうという道である。

「今年の全英オープンは150周年記念大会だから、私はとても出たいと思っているし、きっと出られる気がしている。私はセント・アンドリュースが大好きなんだ。プレーヤーとして最後にもう1度だけ私が試合の場に戻るとしたら、それは今年の全英オープンであるべきだと思う」

 ノーマンは、そう言いながら自らエントリーフォームに必要事項を記入し、R&Aに対して「私を特別招待してください」と願い出るリクエスト・レターを4月に送っていた。

 だが、R&Aから得られた返答は「我々の姿勢は変わらない」、つまり「例外は認めない」という内容だった。

 リクエスト・レターを送る以前にノーマンが「きっと出られる気がしている」と語ったのは、全英オープンの過去の優勝者に対して、R&Aが特別招待を授けた前例がいくつかあることを知っていたからに他ならない。

 2015年には、全英オープン5勝のトム・ワトソンがセント・アンドリュースでの全英オープンに「お別れを告げることができるように」という計らいで、R&Aはワトソンを特別招待した。

 1989年大会覇者のマーク・カルカベキアは、本来なら自身にとって最後の全英オープンを2020年に迎えるはずだったのだが、コロナ禍で大会が中止されてしまったため、R&Aはカルカベキアを今年の大会に特別招待している。

 そんなふうにR&Aは、いくつかの特例を認めているため、ノーマンは自分も特例扱いで特別招待をもらえるだろうと考え、リクエスト・レターを送ったのだが、結果は、あっさり却下されてしまった。

 なぜ、ノーマンは特別招待をもらえなかったのか。

 その理由は、ノーマン自身にも、きっと心当たりがあるのではないだろうか。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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