iPhone15Proだけで撮影された映画 手塚治虫×三池崇史『#ミッドナイト』の波及効果は?
KNNポール神田です。
Appleのサイトで現在、公開されている短編映画『ミッドナイト』。
原作は手塚治虫。そして、監督は、三池崇史。主演、賀来賢人。
そして、本当の主役は、『プロの現場でも活躍する撮影機能を持った究極のiPhone』と謳われる『iPhone15Pro』である。
■『iPhone15Pro』だけで撮影された短編映画
まずは、純粋に作品をご堪能あれ!
https://www.apple.com/jp/iphone/shot-on/
そして、次に『メイキング』を見る。三池崇史監督のコメントでカメラ機材としての『iPhone』が語られる。
漫画と同じカット割りで実写化された映像が展開される。
■iPhoneで撮影する映画テクニックの教科書に!
iPhone15Proの機能をフルに活かした、映画テクニックのショーケースとしても十分に活かされる。手塚治虫原作のiPhone15Proのコマーシャルとしても秀逸な作品だと思う。あくまでも映画でも作品でもなくコマーシャルとして見るべきだ。
しかし、映画の専用機材でつかわれてきた演出テクニックが、iPhone15Proで再現できるので、単に機能や仕様のスペックで語られる以上に、撮ってみたくなる本能を刺激される。
『最新のiPhoneであなたも映画レベルの撮影を。』でウェブの特設サイトは締められるのではなく、Appleの関連サービスへ紹介される。
https://www.apple.com/jp/iphone/shot-on/
■テクノロジーの民主化で変わりつつある『映画』の歴史
映画の歴史はテクノロジーとの両輪で変化してきた。
当初は、演劇舞台のままでの録画に始まり、ポーズすることで、時間を飛ばすことであるところで人が消えるという『演出』が取り入れられ、その発展系として、『モンタージュ理論』が誕生する。
高価な35mmフィルムから、16mmフィルムカメラの登場は、一気に映像を民主化させ、フランスの『ヌーベルヴァーグ』は手持ちカメラのブレが、生々しい映像表現として普及していく。
時を経て、ソニーのデジタルビデオ『VX1000』で撮影されたビヨーク主演の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は『ジャンプカット』という新たな映像表現を広めた。
今回の『iPhone15Pro』は今までの映画で求められるスペックをスマートフォンに織り込むことによって、『映画も撮影できる』を実証したこととなった。
次のフェイズは、おそらく、『こんな映画も撮影できる』という今までの映画ではできなかったiPhoneならではの映像作品に期待したい。
■『Apple映画祭』開催への期待
そのためには、Appleは、フィルムメーカー向けにいろんなコンテストでこのような新たな映像表現を評価する、Apple映画祭を開催してほしいものだ。
すると、毎年、どんな作品が受賞するのかと期待も集まるはずだ。
さらに、映像表現を真似した部門などがあれば、iPhoneユーザー同士の映画コミュニティも強くなるはずだ。
iPhoneなどのスマートフォンの普及により、写真や映像に触れる機会は、指数関数的に増えた。毎日、写真を撮影し、『X.com』や『Facebook』にポストし、毎日動画を『TikTok』へアップするなどが日常化している。
これを世界で数十億人がおこなっているのだから、もはや商業映画やテレビだけではなく、日常のコミュニケーションも変わり、さらにAIなどが加わり、信じられないほど大きく変革していくことだろう。しかし、まだ、次世代の映像表現は誕生していない。
まだ、iPhoneは、映画をダウンサイジングしただけにすぎない。次の映像表現へと紡ぐ社会貢献が必要だ。