2024年問題と段ボールの関係性:物流改善をすべき実態に迫る
こんにちは!木矢部通です。
今回は、2024年問題と段ボールの関係性について解説します。
2024年問題とは自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることによって発生する問題のことを意味します。
この制限が果たして段ボール業界にどのような影響があるのか見ていきましょう。
2024年問題と段ボール:問題の本質と影響
2024年問題は、時間の制限によって、物流業界に大きな影響を及ぼすことが予想されます。特に、労働力不足は、物流業界全体の運送コストを増加させ、サービスの品質を低下させる恐れが高まります。
物流業界の課題と段ボールの効率化
段ボールの納品時に問題として、トラック運転手の高齢化、手卸しによる重労働、かんばん方式が一例として挙げられます。それぞれ見ていきましょう。
トラック運転手の高齢化
段ボール業界に限ってではありませんが、トラック運転手の高齢化が進んでいます。段ボール業界の物流は、1日1回の納品で済むことは少なく、午前中の配送で数件回り、工場に戻って段ボールを積み込み、昼から再び数件回るという繰り返しになります。
つまり、高齢者にとっては過酷な労働環境になりがちです。過酷な労働環境ゆえに若い世代が定着しない傾向が見られ、悪循環が発生しています。
手卸しによる重労働
すべての納品先ではありませんが、一部、段ボールの束を手卸しで納品しなければならない得意先は存在します。その意図は、パレットに載せると積載効率が下がる、客先にフォークリフトがないなどが挙げられます。
例えば、夏場に数千枚の段ボールを手卸しで納品する環境は、過酷だとイメージできますよね。実際、未だにそういう実態があります。
かんばん方式の問題
かんばん方式と言われ、一時期採用される会社が増えました。このかんばん方式は生産効率を向上させる一方で、物流業界においては一部の課題を引き起こします。
簡単に言うと、欲しい時に欲しいだけ発注できるシステムは極端な話、明日に1枚だけ納品してという条件がまかり通る環境です。厳しい環境では、1日に3回に分けて少量を納品するという条件も存在します。
2024年問題を抱える段ボール業界においては、この方式をまずは改善すべきだと問題定義します。
段ボール業界の動き(大手)
2024年3月あたりから段ボール業界の大手企業は価格改定を発表しました。その要因として2024年問題、物流改善を挙げていました。
段ボールは物流において必要不可欠な存在です。そのため、段ボール業界自体が物流改善に取り組まなければ、日本全体の物流問題は解決しないでしょう。
もちろん段ボール業界だけが物流改善に動くのではなく、関係する各社の協力も必要だと言えます。特にかんばん方式と言ったような形態は物流改善の対象になるでしょう。
段ボール業界の動き(中小)
段ボール業界の中小企業においても基本的には人材不足の問題を抱えている企業が多いです。また同時に仕事量が足りていない先も多く、新規活動が活発になっている傾向が見られます。
中小企業は、大手企業と違い、小ロット多品種、短納期など小回りを強みにしている企業が多く、先ほど問題に挙げた「かんばん方式」を対応する企業が多いのも事実です。小回りが利くことで仕事を取ってきた中小企業が、対応できないとなると仕事確保が難しくなる可能性があります。
そうなると、止むを得ず厳しい条件に対応し続けることになり、結果的に業界全体の物流改善が進まないという悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。そういった意味合いでも段ボール業界全体として、物流改善が成功するかどうかは中小企業の対応もキーポイントになるのではないかと思われます。
まとめ
2024年問題は、物流業界全体、特に段ボール業界に大きな影響を及ぼす可能性があります。労働時間の制限、トラック運転手の高齢化、手卸しによる重労働、そしてかんばん方式といった課題が、業界全体の運送コストを増加させ、サービスの品質を低下させる恐れがあります。
しかし、これらの課題を克服し、物流改善を図ることで、段ボール業界は2024年問題を乗り越え、より効率的で持続可能な未来を築くことができるでしょう。この改革は、段ボール業界だけでなく、関係する各社の協力によって実現されるべきです。
物流改善は、日本全体の問題を解決するための重要なステップであり、その中心に位置するのが段ボール業界です。この記事を通じて、読者が2024年問題と段ボールの関係性を理解し、物流業界が直面する課題の解決に向けた一歩を踏み出すことを願っています。