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NY原油17日:新規手掛かり難も、需給緩和評価で小幅安

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油10月限 前日比0.25ドル安

始値 47.13ドル

高値 47.71ドル

安値 46.33ドル

終値 46.90ドル

需給緩和状態の再評価が優勢になる中、小幅下落した。

需給面に特段の新規材料は見当たらないが、マクロな過剰供給体制は維持されるとの見方から、戻り売り優勢の展開に。前日は米原油在庫の減少を手掛かりに買いが膨らんだが、いずれにしても過去最高水準の在庫環境に変化はないとの悲観的な評価が優勢になる中、本日は調整売りが先行した。もっとも、特に需給見通しが大きな修正を迫られるようなイベントが発生している訳ではなく、大きな値崩れは回避されている。全体としては、ポジション調整に終始している印象が強い。

ゴールドマン・サックス・グループが、改めて15年中の原油相場は低迷するとの見通しを示したこともネガティブ。20ドルまで下落する可能性は50%未満とするも、なお在庫が貯蔵能力限界を試す中、原油価格は生産会社が減産対応を余儀なくされる水準まで下落する可能性があるとしている。

シェールオイルの生産環境悪化が確認されていることはポジティブだが、なお国際需給バランスの供給過剰状態を解消するハードルが高いことを考慮すると、戻り売り基調そのものがピークアウトしたのかは慎重な判断が求められよう。イランの市場復帰を前提にしなくても、なお世界のいずれかの産油国が大規模な減産対応を求められる状況に変化はなく、少なくとも原油価格の大きな上昇は支持できない。最近は株価連動の地合が続いているが、FOMC消化で改めて需給に対する関心を高めていくことができるかに注目したい。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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