【横須賀市】久里浜☆古布が生まれ変わる!美しい裂織の世界に感激☆アイデアとワクワクがいっぱい手芸教室
空間クリエイター兼ライターの海となりです。祖母からもらった着物や浴衣がありましたが、ほとんど着る機会がなく、数年前に断捨離をしました。とても素敵な柄で気に入っていたので、もっと早くにこのお教室のことを知っていたら、再利用して身につけることができたと思います。
本日は、皆さんの自宅に眠っている着物や古布がある方や織物、手芸が好きな方におすすめの教室をご紹介します。
京急久里浜駅から徒歩5、6分のところにZONO工房があります。手芸家・裂き織り作家 秋園圭一さんが創作活動を行いながら、多くの生徒さんに裂き織りや手工芸を教えています。
アパートの一室がアトリエ兼教室になっています。大きな織り機が置いてあり、綺麗な色の糸がかけられています。初めて織り機を見ることができて感激です。
裂き織りの様子
裂き織り(さきおり)とは
布を紐状に裂いたものをよこ糸として織り込んだ織物のことです。
裂き織りに使われる布は主に、使い古した着物や浴衣など不要となった布です。
江戸時代ごろからある、東北地方などで盛んだった伝統的なリサイクルの方法です。
生徒さんの制作の様子を見学させて頂きました。
作業台の上の織り機では紺やクリーム色、藍色の糸などで織り進められています。
横糸には裂いた布を巻き付けて縦糸との間に通しています。横糸には数種類の糸を使っているそうで、美しい層が出来上がっていきます。
こちらの糸は生徒さん自身が栽培した綿花を紡いで糸にしたそうです。柔らかい自然なクリーム色が綺麗です。作品もこのクリーム色が良いアクセントになって、優しい雰囲気を作り出しています。
布を斜めに切ったテープを使った裂織
裂き織りに使う布は通常は手で裂いたり、ハサミで切って作るそうですが、ZONO工房ではロータリーカッターで布を少し斜めの角度で切って裂織しています。こうすることでカットした時の糸くずが出にくく、しなやかな織地になるそうです。
こうやって織っていきます
一般的な市販の手織り機です。糸が既にセットされています。
ソウコウと呼ばれる道具を傾けると上と下の糸の間に隙間ができます。
その間に横糸を通します。
ソウコウを体の方に引き寄せると、横糸が織られて一段できます。
この作業を繰り返していきます。
先生の手捌きがスイスイと軽やかです。さすがです。
ファッショナブルな生徒さんたちの作品
生徒さんが着物をリメイクしてパンツとロングジャケットのツーピースを作られたそうです。素材が軽やかで、着心地が良さそうです。パンツは裾がフレアになっており、歩きやすく涼しそうです。ジャケットの裏地の一部にはオレンジ色の着物の地が使われており、チラッと見えてお洒落ですね。
前見頃と後身後の間は和紐が使われています。
レースのベストに内側には水色とオレンジの和の布を縫い合わせています。シックな黒に和布の美しい色が透けて見えており、素敵ですね。
こちらの方は羽織をフレアパンツにリメイクしたそうです。刺繍を膝の辺りとバックに配置したそうです。綺麗な刺繍がワンポイントになって素敵ですね。ご自身のサイズに合わせているので丈もぴったりです。リメイクすることで着物の魅力がさらに引き出されていますね。
手芸家・裂き織り作家 秋園圭一さん
約7年くらい前から久里浜で織物・手工芸の教室を始められたとのこと。秋園さんは多数の物作りの知識と経験が豊富で国内外で活躍するアーティストです。全国の公募展で多数受賞され、雑誌・書籍などにも掲載されています。
アート&クラフト2021展で優秀賞を受賞した「陰翳礼讃」ジャケットです。手織りで模様を織り出しています。模様の緻密さや繊細さと大胆さ、全体の美しさに感激しました。
横糸に使う生地の色味によって、遠くから見ると玉虫色のような美しさです。
背面は格子柄や三角、ダイヤ模様などが織り込まれており、遊び心いっぱいで楽しく個性的ですね。グラデーションのカラーと織の美しさに見惚れます。裏地には横浜スカーフを使用しているそうです。
シンプルな色使いながらも織模様が美しいです。織り込んだ布の端はそのまま残されており、フリンジのようですね。裂き織りの独特な風合いを感じられる作品です。
手織りでこんな複雑な模様が作れるのですね。離れたり、角度を変えて見ると織の凹凸や全体の模様が違う表情になり、さらに素敵です。
全てに古い着物が使われており、高度な裂き織りの技法を用いて細部までこだわって作られています。
左のライダースジャッケットは黒系の糸に赤い糸がアクセントになっており、シャープな印象でカッコ良いですね。
中央の上着は落ち着いたエンジ色で着物のようなデザイン、流れるような斜めのラインが印象的で、暖かい雰囲気です。
右は配色や幾何学柄がモダンなスタンドカラーのシャツです。裂き織りに使用された着物の美しい色と質感を感じられる奥行きのある織物に仕上がっています。
本日、着用されていたパンツは裂き織りの織物と浴衣の布などを縫い合わせて作ったそうです。個性的な柄の組み合わせのセンスが素敵です。裂き織りの魅力がいっぱい詰まったパンツですね。
作品集もあります
これまでの作品や作り方などを細かく解説した作品集を出版しています
こちらは海外の出展時に作った作品集だそうです。日本語の他に英語とフランス語で詳細に説明が書かれています。
作品集には裂き織りや手工芸の基本的な制作方法から高度なテクニック、手がけた手工芸が盛りだくさん掲載されています。ZONO工房さんの裂き織りの世界を堪能できる貴重な作品集です。ご希望の方はこちらをご覧ください。
入賞おめでとうございます
第55回 記念「鎌倉美術展」鎌倉美術展で、 秋園圭一さんの作品が「奨励賞」と「アートフレーム賞」を受賞されたそうです。おめでとうございます。6月2日まで開催中の鎌倉美術展で作品が展示されています。皆さま、ぜひ足をお運びくださいね。
アイデアが溢れる、創る楽しさ
何でもやってみよう!
今回、初めて裂き織りを見学しました。同じデザインでも横糸の色や素材、布を変えることで織物の表情が全く変わり、個性豊かで奥深いです。先生は「何でもやってみよう!」と生徒さんたちと和気藹々と楽しくレッスンをされているのが印象的でした。素晴らしい感性とアイデアが様々な個性あふれる作品を生み出しています。
今年2月には小学生向けの指編み体験教室を開催するなど、手芸の楽しさが子供から大人まで広がっています。裂き織りをやってみたい!手芸が好き!という方はぜひ見学してみて下さいね。
ZONO工房・手芸教室
オリジナルの手芸作品を作って、物づくりの楽しさを感じてみませんか?
内容:糸織り、裂き織り、糸紡ぎ、簡単な仕立てなど
日時:水曜日・木曜日(月一回からOK)
(午前の部)10:00〜12:30
(午後の部)13:30〜16:00
料金
入会金 : 2000円
授業料1コマ(2時間半):3000円
機のレンタル料:3000円/月(持ち込み可)
※材料費別(材料の持ち込み歓迎)
ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
まずは一度、工房を見学されることをお勧め致します。
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とある男の手芸生活(公式ブロク)
藍と綿の栽培中
ベランダには藍と綿を栽培しているそうです。鮮やかな緑色の葉が大きく育っていますね。もう少し大きくなってから、収穫して生葉染めをするそうです。
赤い印が付いている葉が綿の葉だそうです。藍の葉とは違い、丸っこい形をしています。今後の成長が楽しみです。
おまけ
デザイン画でコーディーネートしてみました。裂き織りのベストやトップスの色や模様がシンプルなボトムスに映えてかっこいいですね。
ZONO工房・手芸教室
とある男の手芸生活(公式ブロク)
問い合わせ先:メールフォーム(外部リンク)
住所:横須賀市久里浜
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