マイカーは30歳、マイホームは36歳、リタイアは61歳で…新社会人の描く将来設計の中身
人生にはさまざま節目があるが、その一つが成人した上での就業。一生の多くを仕事をこなすことで過ごし、生活の糧(かて)を得るのだから、節目になるのは当然。他にも一生においては住宅の購入や結婚、さらにはリタイア(生活)なども大きな節目となる。それでは就業を果たしたばかりの新社会人たちは、これらの節目について、何歳ぐらいで果たしたいと考えているのだろうか。ソニー生命保険が2017年5月に発表した、新社会人に対して行った意識調査「社会人1年目と2年目の意識調査2017」(※)から、マイカー、マイホーム、リタイア生活の3つに絞り、確認する。
人生の大きな節目となる数々のイベントのうち、今回はその一つである就業を果たしたばかりの新社会人に対し、別のビックイベントとなりうる「マイカー購入」「マイホーム購入」「リアイア生活の実施」の3項目について、何歳ぐらいまでに果たしたいかを尋ねた結果を確認する。無論必要が無い、するつもりがないとの人も居るので、その旨の選択肢も用意されている。
まずはマイカー。「若者の自動車離れ」なる言葉が語られる昨今、どれほどの人たちが自動車購入を望んでいるのか。
具体的な年齢計画をしていない人まで含め、自動車購入を考えている人・すでに持っている人は男性8割近く、女性3/4強。居住地域や生活環境などの区分はしていないので、あくまでも全体としての値となるが、必要性を考慮すれば大体この程度だろうか。
すでに購入している人は女性の方が多いが、非購入者で購入希望者は全部を合わせると男性の方が多い。特に25歳から29歳までの間に欲しいと考えている人は、男女間で5.2%ポイントもの差を示している。20代のうちに購入したい人は男性で3割近く、女性で2割。一方で「何歳までに購入」との具体的指針を持たないものの、自動車は欲しいと考えている人は男女ともに2割を超えている。女性の方が希望するが計画はまだ無いとの選択肢の値が高いのは、結婚した場合の必要性を考えてのことだろうか。
次いでマイホーム。
自動車とは額面のケタが違う買い物であることから、購入派もボリュームゾーンの世代はずれこんで30代となっている。全般的な動きとしては、女性は若いうちに、男性はある程度歳を取ってから住宅を購入したいと考えるようだ。また具体的な時期を定めずに「マイホームが欲しいな」と思う割合は女性の方が多い。
最後にリタイア計画。これは単純な定年退職後の「第二の人生」の他、早期退職による若年寄的なライフスタイルへのシフトをも指している。
現在就業中の新社会人を対象とした調査であることから、論理的に「既にしている」の回答はありえず、当然ゼロ。しかしその一方で、20代のうちにリタイア生活に入りたい、そのための計画を立てている人が男性で1.8%、女性は1.2%もいるのには驚く。ただし大勢としてはやはり定年退職を迎える時期、60代に入ってからで、回答率はグンと伸びる。またリタイアはしたいがいつかは分からず計画を立てているわけでは無いとする、憧れ的なリタイヤ生活希望者は男性で3割強、女性にいたっては4割を超えている。
他方、リタイア生活はしたくない、一生職に就きたいとする人も男女とも2割近く。生活の上で働き続ける必要があると考えているのか、生甲斐・やりがいのある仕事なので一生働き続けたいと思っているのか、今件の回答からのみでは判断できないものの、男女とも一定数「生涯現役」を望む人がいることは間違いない。
ちなみに今件3項目について、具体的に計画を立てている人に絞り、その平均年齢を算出したのが次のグラフ。
不思議と男女差はほとんど無く、マイカーは30歳位、マイホームは35-37歳位、そしてリタイア生活は60歳位となっている。今件はあくまでも新社会人によるプランの平均値だが、一つの参考値として覚えておいて損はあるまい。
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※社会人1年目と2年目の意識調査2017
2017年3月27日から4月5日にかけて、「今春就職した社会人1年生」「就職してから1年経過した社会人2年生」(いずれも20代)に対して携帯電話経由のインターネット調査形式で行われたもので、有効回答数はそれぞれ500人。男女比はそれぞれ1対1。調査協力会社はネットエイジア。