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ヤンキースがこのまま最下位を脱出できなければ、3地区制では初。他に最下位が一度もないのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジとジャンカルロ・スタントン Jul 16, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ボストン・レッドソックスとニューヨーク・ヤンキースは、ア・リーグ東地区の最下位に並んでいる。

 両チームの勝率.532(50勝44敗)は、ア・リーグ中地区の首位にいるミネソタ・ツインズを上回る。ツインズの勝率は.511(48勝46敗)だ。けれども、ア・リーグ東地区では、3チームが勝率.560以上を記録している。

 レッドソックスは、過去11シーズン(2012~22年)のほぼ半数が最下位。2012年と2014~15年、2020年と昨シーズンの5度だ。ただ、このスパンのポストシーズン進出も、同じく5度を数える。2013年と2018年は、ワールドシリーズを制した。

 一方、ヤンキースの最下位は、1990年が最後。現在のエース、ゲリット・コールが生まれた年だ。1リーグ2地区から3地区に増えた1994年以降は、地区4位ですら、2016年の1度しかない。

 3地区制の最下位が皆無は、ヤンキースの他に2チーム。セントルイス・カーディナルスとロサンゼルス・ドジャースがそうだ。

 クリーブランド・ガーディアンズは、インディアンズ時代の2009年の勝率.401(65勝97敗)が、カンザスシティ・ロイヤルズと並び、ア・リーグ中地区で最も低かった。

 今シーズン、ドジャースはナ・リーグ西地区のトップに立っているが、カーディナルスはナ・リーグ中地区の最下位に位置する。カーディナルスの最下位も、ヤンキースと同じく、1990年が最後だ。この年、カーディナルスはナ・リーグ東地区の6位、ヤンキースはア・リーグ東地区の7位に沈んだ。

 もっとも、今シーズンのカーディナルスも、最下位脱出の可能性はある。すぐ上に位置するピッツバーグ・パイレーツとの差は、1ゲームに過ぎない。直近の10試合は、カーディナルスが5勝5敗、パイレーツは2勝8敗だ。

 同じように、ア・リーグ東地区の最下位に並ぶ2チームの直近10試合を比べると、レッドソックスが8勝2敗、ヤンキースは4勝6敗。6月以降、ヤンキースは3連勝あるいはそれより長い連勝が一度もない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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