NY金4日:新規失業保険申請件数を受けて、続落
COMEX金6月限 前日比比9.70ドル安
始値 1,185.80ドル
高値 1,186.60ドル
安値 1,172.40ドル
終値 1,175.20ドル
米新規失業保険申請件数を受けて利上げに対する警戒感が強まる中、続落した。
ギリシャ債務問題について具体的な進展は見られないが、国際通貨基金(IMF)向けの融資返済期限が迫る中、当局者の協議が活発化していることが、ユーロリスクの後退につながっている。ギリシャ財務省は債権者側が示した救済案を拒否する意向を示す一方、6月中に4回あるIMF向けの支払いについて月末の一括実施を求めた模様。ただ、4日夜にギリシャ首相とメルケル独首相、オランド仏大統領の電話協議が実施されるなど、ギリシャリスクがこれ以上拡散することは阻止する力が働いている。まだ先行き不透明感は根強いが、ギリシャ発で安全資産に対する投資需要が急増するシナリオが後退していることが、金相場の上値を圧迫している。為替はドル安方向に振れる場面も見られたが、これはユーロ買い戻しの結果と冷静に受け止めた向きが多かった。
一方、米新規失業保険申請件数は前週比-8,000件の27万8,000件となった。市場予測28万2,000件を若干下回ったに過ぎないが、これで13週連続で30万件の大台を割り込んでいることが、雇用環境に対する信頼感を高めている。少なくとも失業者数は抑制された状態が続いており、5日の米雇用統計でも大きな悪化はないとの見方が、売り安心感に直結している。
なお、5月雇用統計では、非農業部門就業者数の事前予測は前月比+22.5万人となっており、前月の+22.3万人とほぼ同レベルの数値が予想されている。ポジティブ・サプライズとなるような良好な数値までは想定されていないが、安定して20万人超の雇用を創出できる能力を示すことができれば、金相場の戻り売り基調が再確認されよう。1,175~1,225ドルのコアレンジ下限を試す展開になっており、雇用統計でのリバウンドを回避できれば、短期間で1,150ドル割れを試す可能性も十分にある。同水準を下抜けば、年初来安値1,141.60ドルが次のターゲットに。