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スマホかパソコンか…男女で大きく異なるソーシャルメディア利用時の端末種類

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ ソーシャルメディアとスマートフォンは相互に発展してきたものだが…

スマホとパソコン、男性は50代~60代が境目

今や多くの人にとって欠かせない存在となりつつあるソーシャルメディア。そこへアクセスする端末はパソコンやスマートフォン、従来型携帯電話と多種多様。それではどの端末が一番よく使われているのだろうか。総務省が2015年7月に発表した「通信利用動向調査」の結果から確認していく。

今件で対象となる「ソーシャルメディア」だが、今調査では明確な定義づけはなされておらず、質問票も未公開。しかし他項目で別途選択肢として存在することから、広義では含まれる掲示板や動画投稿サイト、ブログは該当しないと判断する。一方、「LINE」などのようなチャット系コミュニケーションサービスは世間一般的にはソーシャルメディアに含められており、回答者も事前説明が無ければソーシャルメディアとして判断することは容易に想像できるため、該当するものと見なす。

次に示すのは、男女別に、主要端末での利用性向を見た結果。要はソーシャルメディア利用者が利用時にその端末を利用しているか否かを示したもの。例えば男性の全体ではスマートフォンが82.4%とあるので、男性でソーシャルメディアを利用している人のうち82.4%はスマートフォンで使っていることになる(スマートフォン「のみ」では無い)。

↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(2014年末)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定)(男性)
↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(2014年末)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定)(男性)
↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(2014年末)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定)(女性)
↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(2014年末)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定)(女性)

男性だが、スマートフォン優勢・パソコン劣勢の状況は50代まで続き、60代以降はパソコンが優勢になる。そして60代以降は大よそ7割が、パソコン経由でソーシャルメディアを利用し、スマートフォンは3割から4割に留まる。パソコンの利用率が60代に入るとグンと伸びるのも特徴の一つ。

一方女性は男性よりもスマートフォンの値が高く、パソコンの値は伸び悩んでいる。会社業務で使う機会が男性と比べて少ないのも一因。そして60代を過ぎてもパソコンの値の伸び方は穏やかで、スマートフォンとパソコンのポジションの入れ替えは60代後半に入ってからとなる。さらに従来型携帯電話やタブレット型端末による、高齢層での利用性向が男性よりも高めに出ているのもポイント。男性はパソコンにべったり、女性は多様な端末を分け隔てなく活用し、ソーシャルメディアを使いこなしている様子が想像できる。

「一番よく使う端末」でも男女の差がくっきりと

今件につき、複数回答では無く択一で、ソーシャルメディアを使う際にもっともよく利用している端末を答えてもらったのが次のグラフ。

↑ ソーシャルメディア利用時に最もよく使う端末(2014年末)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定)(男性)
↑ ソーシャルメディア利用時に最もよく使う端末(2014年末)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定)(男性)
↑ ソーシャルメディア利用時に最もよく使う端末(2014年末)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定)(女性)
↑ ソーシャルメディア利用時に最もよく使う端末(2014年末)(世代別)(ソーシャルメディア利用者限定)(女性)

女性は幅広い世代でスマートフォンを用い、歳を経ての代替機種にはパソコンと同列で従来型携帯電話が並ぶ。そしてタブレット型端末の利用性向も高め。

一方男性はパソコンの利用率が高く、特に定年退職を迎えるであろう60代以降で著しい。従来型携帯電話の値も相応なものだが、パソコンの利用率は女性をはるかに上回る。複数回答形式でも見られた傾向だが、男性は歳を経るに連れてパソコンとスマホからパソコンメインとなるのに対し、女性はスマホからパソコン・スマホ・従来型携帯と多様なスタイルにシフトしていく。

また6~12歳、実質的には小学生に該当する年齢層で、男性はタブレット型端末よりもゲーム機の方が利用性向が高く1/3超でスマートフォンすら超えている一方、女性はスマートフォンが1/3を超え、タブレット型端末も2割を超えるなど、保護者の教育姿勢の違いが垣間見られ、興味深い。

元々ソーシャルメディアは女性の方が好む傾向が強いが、その中でも利用端末が男女で大きな違いを見せているのは注目に値する。普段からのパソコンとの距離も一因だが、ここまで大きな違いが出ている以上、関係する場面では考慮の余地があるに違いない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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