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「米国で見る日本の勝利に感無量」NYで侍ジャパンを応援 WBC決勝戦に200人

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
(c) Kasumi Abe

3大会ぶりの優勝を目指したWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の決勝日。相手はスター選手揃いの強豪、アメリカだ。

マイアミから遠く離れたニューヨークでも侍ジャパンを応援しようと、観戦イベント「NYにいる皆で侍ジャパンを応援しよう!」が日系イベント会社により企画された。ミッドタウンのアイリッシュパブには決勝戦の夜、在米日本人を中心に約200人が駆けつけた。

日の丸を掲げた大谷翔平選手を先頭に侍ジャパンが入場する光景がスクリーンに映し出されると、会場の熱気は一気に高まった。異国の地で見る日の丸は格別だ。今居住するここアメリカの国歌『星条旗』、続いて日本の『君が代』を静かに聞く。

前回のWBCの決勝戦をロサンゼルスで観戦したと言う在米15年の男性は、「もともと渡米した理由は野球観戦留学です」と戯ける野球ファンだ。「大谷選手は僕にとってマイケル・ジョーダンのような存在です。なんとか勝ち抜いてほしい」と期待を寄せる。

金融系企業の駐在員で3ヵ月前に当地に赴任したばかりの男性は、同僚と観戦に訪れた。地元は横浜だが福岡ソフトバンクのファンで、移籍した近藤健介選手の活躍に注目していると言う。元高校球児で野球に詳しく、にわかファンという同僚に時折解説しながら試合を見守る。

NYの日系企業O planningが主催し、The Playwright Irish Pubに野球ファンが集まった。(c) Kasumi Abe
NYの日系企業O planningが主催し、The Playwright Irish Pubに野球ファンが集まった。(c) Kasumi Abe

留学中の女性は、母親が今大会の東京ドームで大ファンの大谷選手のホームランボールをゲットしたと写真を見せてくれた。(c) Kasumi Abe
留学中の女性は、母親が今大会の東京ドームで大ファンの大谷選手のホームランボールをゲットしたと写真を見せてくれた。(c) Kasumi Abe

村上宗隆選手が2回に同点ソロホームランを放つと、会場はひときわ大きな歓声に包まれた。

その後勝ち越し、「日本は守備陣の守りも堅くいい調子」と来場者は安堵し、固唾を呑む。アメリカも粘り強く追いかけてくる。会場にどよめきが起きる。

9回、ロサンゼルス・エンゼルスの盟友、大谷選手とマイク・トラウト選手の対決で、「Let’s go Ohtani」コールが湧き起こり、空振り三振で日本の優勝が決まった瞬間、会場のボルテージは最高潮に達した。

(c) Kasumi Abe
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試合後、会場に集まった人々からは「村神様のホームランがチームを活気づけた」「すごかった。最後の最後でチームメイト同士の戦いという、とてもいい物語になるなんて!」「アメリカでこんなスポーツ史に残るような名勝負を観られて感無量」「日本人で良かった!」という声が聞こえてきた。

「手に汗を握る良い試合だった」「トラウトはこの記憶を忘れられないだろう」と、会場にいた少数のアメリカ人も侍ジャパンの勝利には感服のようだ。「まるで映画の終わりのようだ」「両チームともよくやった」「シーズン開幕が楽しみだ」と両チームの選手への労いと温かい声援が寄せられた。

(c) Kasumi Abe
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(Text and photos by Kasumi Abe)無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、著名ミュージシャンのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をニューヨークに移す。出版社のシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材し、日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。

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