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【神戸市兵庫区】兵庫津歴史散歩のススメ。7/3(水)読売TVかんさい情報ネットten.で紹介

斎信夫(いつき)WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

兵庫県の始まりの地である兵庫津(ひょうごのつ)。港町神戸の原点となった大輪田の泊があったところでもありますが、イオンモール神戸南にもほど近いところには、「清盛塚石造十三重塔」があります。2024年7月3日の読売テレビ「かんさい情報ネットten. 」の若一調査隊で紹介される兵庫津には歴史遺産が点在。兵庫の歴史を辿り、この街をぶらぶら歩いてみませんか?

まず兵庫の歴史を知るなら「兵庫県立兵庫津ミュージアム」がおすすめ。

イオンモール神戸南がある神戸市営地下鉄海岸線 中央市場前駅から徒歩約5分。

「初代県庁館」は以前こちらの記事でもご紹介しましたが、2022年11月にオープンした「ひょうごはじまり館」には、兵庫の歴史・自然・文化を展示している常設展示コーナーや大画面シアターなどがあります。

プロジェクションマッピングと地形模型で兵庫津の発展に寄与した地形を解説するコーナーや平清盛が古代の兵庫津で描いた夢を映像で語る展示は、見応えたっぷり。兵庫の歴史を楽しみながら詳しく知ることができます。

横幅13メートルの大スクリーンがあるひょうごダイナミックシアターは、兵庫県成立時の激動のドラマを大胆にアレンジ。ラップ音楽なども取り入れ、若い人でも楽しめるストーリーで思わず見入ってしまいます。

「兵庫津ミュージアム」で兵庫の歴史を頭に入れたら、兵庫歴史散歩に出かけてみましょう。

「初代県庁館」の前を西方向に少し歩き、大輪田橋を渡った先にあるのが「清盛塚石造十三重塔」。県指定重要有形文化財に指定されています。

北条貞時の建立とも伝えられ、かつては現在の位置より西南11mのところに位置していましたが、大正12年に市電敷設の為、現在の地に移転されました。

相輪を除く高さが8.5m、一番下は145cm四方、最上層は88cm四方で、弘安9(1286)年造立と確認されていますが、現在の碑は明治35年に建てられたもの。移転時の調査によると、塚からは清盛の遺骨などは見つかっておらず、墳墓でなく供養塔であるとされています。

隣には神戸出身の彫刻家柳原義達作の平清盛像と琵琶塚の碑があります。琵琶塚は元々清盛塚に向かい合ったところにあり、琵琶の形をしていた前方後円墳があったことから琵琶塚と呼ばれています。

「清盛塚石造十三重塔」から北方向には「新川運河キャナルプロムナード」が、イオンモール神戸南沿いに続いています。

新川運河は、明治8年に神田兵右衛門(こうだひょうえもん)により開削された運河で、運河沿いの入江橋~大輪田橋間、全長350m区間に遊歩道が整備されています。

近くには「兵庫城跡」の碑もあります。新幕府が1868年(慶応四年)にこの城跡の一部に兵庫鎮台を設け、幕末に機能した兵庫津奉行所が勤番所となり明治になるまで続きました。そして勤番所は兵庫県庁へ。つまり、最初の兵庫県庁の地となったのがここ。

「兵庫津ミュージアム」には兵庫城全景の図も展示されています。

元町駅西方にあった花隈城址は電車の窓からも見えますし、駐車場にもなっていますので、ご存知の方も多いかと思うのですが、兵庫城があったこの場所を訪ねたことのある方は少ないのではないでしょうか。

神田兵右衛門(こうだひょうえもん)さんは、明親館など神戸市内十数か所の学校を建設。新川運河、兵庫運河の築造、水道の敷設などの功績もあり初代神戸市会議長をはじめ多くの公職にも就いていた方。神戸発展の父とも称されています。

「新川運河キャナルプロムナード」については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、ご参考に。他に、「古代大輪田の泊の石椋(いわくら)」などの遺構も残されています。

「清盛塚石造十三重塔」から南の方向に約10分ほど歩いたところには、こんな立派な赤い鳥居がある「和田神社」があります。

「和田神社」は、平清盛が勧請した兵庫津七弁天のひとつで、主祭神は 天御中主大神(あめのみなかぬしおおかみ)、市杵嶋姫大神(いちきしまひめのおおかみ)、蛭子大神(ひるこおおかみ)。

京都の伏見稲荷大社を思わせるたくさんの鳥居も。こちらは、伏見稲荷大社から勧請された高倉稲荷神社。商売される方から厚く信仰を集めています。

こちらが「市杵嶋姫大神(いちきしまひめのおおかみ)」。1173(承安3)年に、平清盛が兵庫津(大輪田泊)の築港に着手した際に工事がことのほか難渋し、この事業の無事完成と将来の繁栄を祈願して、安芸の宮島(厳島神社)より観請されました。

ものすごい数の白蛇に圧倒される「和田神社」についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

「かんさい情報ネットten. 」若一調査隊では、神戸事件についても触れられていますが、神戸事件が発生した大丸神戸店近くの三宮神社には、事件の概要を記した案内板と碑があります。

明治新政府が最初に直面した重大な外交事件が、今は多くの人が行き交う神戸の中心にある繁華街で起きたとは驚きですね。神戸事件についての詳細は、こちらの神戸市HP「神戸の近現代史」をお読みください。

平清盛の時代には「大輪田泊」と称され日宋貿易の拠点となり、近世には交通の要衝として栄えた「兵庫津(ひょうごのつ)」。この地には、神戸事件で切腹させられた藩士の慰霊碑や兵庫大仏がある「能福寺」、平清盛が後白河法皇を幽閉した建物があったとされる「萱の御所蹟碑」の石碑が建つ「薬仙寺」など、他にも様々な歴史遺産があります。

神戸市営地下鉄海岸線中央市場前駅からも近く、イオンモール神戸南でのお買い物ついでに散策することもできます。

「かんさい情報ネットten. 」の若一調査隊を見て興味を持たれた方は、ぜひ一度周辺を歴史散策してみてはいかがでしょう。今まで知らなかった奥深い兵庫の歴史に触れることができます。

基本情報
施設名:兵庫県立兵庫津ミュージアム
住所:兵庫県神戸市兵庫区中之島2丁目1-17
アクセス:神戸市営地下鉄海岸線 中央市場前駅下車、徒歩約5分、JR神戸線 兵庫駅下車、徒歩20分

スポット名:新川運河キャナルプロムナード
住所:神戸市兵庫区切戸町
アクセス:地下鉄海岸線中央市場前駅から徒歩約6分

兵庫県立兵庫津ミュージアム 公式サイト

※内容は取材・撮影時のものです。※営業時間・定休日は変更になる場合があります。※この記事に間違いがありましたら、X(旧Twitter)、InstagramのDMでお知らせください。(プロフにリンクがあります。)

WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

兵庫県西宮市生まれの神戸育ち。テクニカルライターを経て、1998年より会社を設立しWEBクリエイター、フリーライターとして活動。数々の旅行関連サイトを企画・運営。LINEトラベルjp元編集者兼ライター。沖縄と北海道が大好きで6年半沖縄市に在住。海外は特に台湾が好きで渡航回数10回以上。「週刊日本の島(デアゴスティーニ)」専属ライター&フォトグラファーとして沖縄、兵庫、瀬戸内等の33の島の記事を執筆。こちらでは地元神戸市の魅力を、時には動画を交えてお伝えしていきます。X(旧Twitter)、Instagramでも、神戸の最新情報や記事でのこぼれ話、その他の旅行ネタなども発信。

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