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ガンバ大阪が柏レイソルに3−1で勝利! 試合後のG大阪監督、選手コメント。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

J1リーグ2ndステージ第12節の『ガンバ大阪VS柏レイソル』戦。『長谷川ガンバ』としては一度も勝ったことのない柏をホーム・万博記念競技場に迎えての一戦は、阿部の2ゴールが飛び出す中で、前半を2−0で折り返すと、後半はPKから1失点を許したものの、宇佐美貴史が追加点を奪い、3−1で勝利。中3日で迎えるACL準決勝第1戦へ弾みをつけた。試合後のG大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

今日は選手が本当に最後まで集中して戦ってくれたと思っています。多くの子どもたちがスタンドで応援してくれた前で、最近にはない安定した戦いをしてくれたんじゃないかと思います。久しぶりにリーグ戦で3点獲れて、本当に今日は言うことのない勝利だった。立ち上がりはあまり、夕方のゲームだったからか、入りはよくないなと思ってみていました。ただそういう中で、あまり縦パスが入らない状況でしたが、難しい時間帯を巧く切り抜けたのがよかったと思っています。カウンターから阿部のすばらしいゴールがきまって、そのあと追加点も獲ってくれて、そのあと1点はとられましたが、3点目をしっかりとれた。今日はあまり僕の仕事がなかったというか(笑)、落ち着いてみていられました。疲れた選手を交代するという作業でだけでした。最後、岩下のケガがちょっと心配ですが、しっかり選手が戦って、久しぶりに柏に勝てたので、選手もそういう強い気持ちをもってのぞんでくれて、素晴らしい結果を得る事ができたと思っています。

ー岩下選手の状況について。

打撲の程度がちょっと分からないですが、痛み次第かと思います。

ー阿部選手がようやくらしいゴールを決めました。阿部選手を含めて2列目の選手の出来についての評価は?

待った甲斐がありました。使い続けていたんですが、復調の兆しはだいぶ出て来て、もう少しかと思っていましたが,今日結果を出してくれたので、ここからまた乗って、活躍してくれると思っています。

ー次、ACLに向けて意気込みをきかせてください。

広州恒大、素晴らしいチームですが持っている力を全て出して、まずは初戦を戦っていきたいと思っています。

ー広州との試合を控えながらメンバー交代はなかなか動きませんでした。意図は?

広州まで中3日あるので、1週間あいた状況での5連戦の初戦ですが、中3日あるというところと、7月に連戦中でしたけど、中2日というタイミングで少し早めに動いて痛い目にあったので、今日は柏との試合に勝つことだけに集中して、疲れた選手を変えるということを考えていました。あまり広州広大にむけて策を練る、ということはせずにこの試合に勝利するために、ということで最後まで戦いました。

●FW宇佐美貴史

(ゴールシーンについて)ヨネくんの突破からの流れも良かったですし、パトの落としもすごく優しいボールを落としてくれたので、コースを見極めて転がせば入ると思った。チーム全体のつくりというか、あの場所にいれたのがすごくよかったし、決め切れたのは良かった。チームとしての作りがすごくいい中でのゴールでした。(人が密集していましたが)コースがみえたので、そのコースを突いただけです。(DFもいて、味方もいて、GKは真ん中にいて、右も左もスペースがあった)そうですね。だから、人で見るというより、隙間でみるという感じで…スペースとゴールが重なるタイミングを狙ったというか…人が近くによってくるほど、隙間が開いて行くので、その開いていった時にゴールと重なるタイミングや場所を瞬間的に見るという感じであのスペースを突きました。少しだけ巻いて打ちました。(クロスなどはありましたが、なかなかいい位置でシュートまでもっていけていなかった中でどういう風にあのシーンを振り返りますか?)前半は特に相手が主導権を握ってやっていたし、後半も点数はいい感じで入っていますが、そんなに1試合を通していい流れでできた感じはあまりないのですが、ただそういう中でも阿部ちゃんの素晴らしいゴールだったり、自分が得点を決められたので。そのへんはチームとしての力だとは思いますが、もう少し改善していくところも見えたのは確かだったと思います。(2点差に追い上げられた中で突き放すゴールを決められたのは、チームとしても意味のあるゴールだったと思います)そうですね。あそこで、追いつかれたり勝ち点をこぼしていた時は守りに入っていくような、そういう意思統一があるわけじゃないんですが、なんとなく雰囲気が後ろ向きになるような状況でしたけど、今日はもう1点とりにいくというか…1点を取られても、取られなくても、3点目がすごく大事だというのはハーフタイムにも話していたし、そういうチーム全体の意識が3点目を生んだんだと思います。(カウンター気味のシーンでシュートを打てるポイントに入って行くのは意識していました?)ああいうシーンだけじゃなくて、前半からボールをとって、逆サイド、右サイドで作って左にどうくるか、というのはうまくできていましたけど、なかなかそのままうまくボールが流れてこないという状況が続いていたので。ゴール前にポジションをとるというのは、ボールこそきてなかったけど出来ていたので、その甲斐あっていいところにボールがきたんだと思います。

●GK東口順昭

今日の相手の出方というか、ボールまわしとかは巧かったですけど、フィニッシュのところはそんなに怖さを感じなかったし、なんでこれまで勝っていなかったか分からないくらいの相手だったので。まあ今日の試合は妥当な結果かなと思いますし、確実にACLへの弾みはつくいい勝ち方だったと思います。

ー2−0で迎えた後半、少し早い段階でペースを落としたというか…落ちたというか…でしたが。

落ちた、って感じですね。でもそこで1回、我慢できたらいいし、我慢のしどころというところが、それより後にもってくるか、あの時間帯にもってくるかで、耐えきれる集中力とか時間があったので。PKではとられましたけど特に怖さとかなかったので。まあ引いても大丈夫かなと思って引いていたんですけど。(相手もやり方をかえてきて、工藤選手をボックスの中に近づけてきました。そこへの対応は?)そうですね。まあしっかりチャレンジとカバーはできていたし、掴めていたので特に怖さはなかったですけどね。1失点はしましたけど、貴史が決めてしっかり決めてくれて、しかもいい時間帯にとってくれたので、ゼロで終わりたかったですけど、まあ、いい結果だったと思います。

●阿部浩之

(ゴールは気持ちよかったですか?)もちろん! 久しぶりだったし、ああいう豪快な感じが久しぶりだったので。もともとああいうのは得意だったのでそれがやっと当たって来た。気持ちよかったですね。(最近は攻守に切れが出て来ていましたが)涼しくなってきたし(笑)、やっと動けるコンディションになってきたんかなという感じです。周りとの連携もさらに上がってきましたし。僕がいいところに顔を出そう意識を増やしたり、やっとさんも簡単につけてくれているのもあるし、全体的にいい方にあがってきているのかなとは思います。(ハットトリック?というシーンもありました)ね。貴史からいいボールがきたんで、ちょっとギリギリだったので余裕がなかったです。(ゴール前に顔出すシーンが増えてきたのはチームとして押し込む時間帯が増えて来たからこそだと思いますが)はい、そうですね。ゆっくりする時間帯と一本で狙う時の使い分けがしっかり出来ている分、相手があげようしてきたタイミングで裏をとれたりとか、そういう攻撃ができてきているし、中盤を含めて前の選手も動きのメリハリができてきた分、チームとしていい攻撃ができているんじゃないかと思います。(1点目はダイレクトでいこうと?)はい、止める気はなかったし、めちゃめちゃちょうどだったので思い切って打ってやろうと思って打ちました。(あそこにくるイメージあったの?)いや、「あ、きた!」って感じで、貴史が微妙な位置にいましたけど「OK」と言ったら貴史もよけてくれたので。インパクトに集中して打ちました。良いシュートだったと思います。(1点目とると2点目のシーンでも自分で、って思うものですか?)そうですね。切り返しのミスもあったけど、ちょっと深くなりすぎたんですが、シュートコースがぱっとみえたし、1点目をとって余裕があったのか、あそこでしっかり振り切って決める事ができたので流れとしては良かったのかな、と。チームとしてもあの時間帯で2点目をとれないことが今までいいゲーム運びを出来ていない要因だったと思いますし、前半で2−0にできたのは良かったと思います。(両方とも左足でしたね)もともと右利きですけど左でのゴーも多いですし、どっちにきても考えずに打てるところはいいなと思います。(あとはミドルくらいですか?)そうですね。試合の中でもっとミドルを打てるシーンが増えてきたらいいなとは思います。チームが勝てたのもプラスだし自分が点を獲れたのも更にプラスだと思います。ナビスコで獲れていることもいい流れになったと思うし、あとはJって思っていたので。次はACLかなと思います。(とっていない時期は焦りは?)ありましたけど、焦ってもとれないですし、コンディションがあがってきたら自ずとシュートも入るかなと思っていたので。

●岩下敬輔

(腰は大丈夫ですか?)最後、クリスティアーノに思い切り膝で蹴られました。打撲ですけど大丈夫です。謝りにきてくれたので。(柏戦、ようやく結果が出せました)本当に、僕がガンバにきてから初めて勝ちました。別に苦手意識はなかったんですけどね。1点を返された時は少し嫌な雰囲気になりましたけど、貴史がしっかり3点目を決めてくれてあれで楽になりました。(後半に入って少しペースを落としたという感じがしたのですが?)そんなこともないんですが、ただどこかで2点差があるし、という感じではやっていたところはあったし、ボールを失うケースも多かった。相手を押し込む前に奪われるシーンも多かったので。2次攻撃、3次攻撃というのを食らうのが一番相手のチャンスになりますし…ただそこまで怖さもなかったので落ち着いて対応できたかなとは思います。(柏が形を変えてきて、工藤くんをボックス内にいることが増えた。対応は?)形をかえてきても、選手の特徴は同じだし、そこであまり絡みがよくない分、あまり迫力も感じなかったので、落ち着いて対応できたと思う。PKになったシーンもそんなに危なくはなかったし、まあ修正できる点でもあると思うので。ただそのあと1度、ヒガシが止めたシーンでの裏のケアっていうのはもう少ししっかりしないといけない。どこかで隙を見せるとああいうシーンになるので。次に戦う広州恒大はそういうシーンで確実に決めきれる選手がたくさんいますし、注意したいと思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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