「感動した」「本当に美しい」 復旧進む熊本城で初日の出
2020年元旦。熊本地震からの復旧が進んでいる熊本城の二の丸広場には、初日の出を拝もうと朝早くから多くの人でにぎわった。
午前7時ごろ。空が明るくなるにつれて二の丸広場には人垣ができてきた。気象庁のホームページによると、この日の午前7時の気温はマイナス1.7度。「寒い」と言い足踏みをしながら待つ人の姿も見られた。
初めは白かった大天守の窓は、同30分ごろを境に少しずつオレンジに色づいていった。同40分すぎ、熊本城の隣から太陽が顔を出すと、周囲から歓声が。訪れた人たちは、手を合わせたり記念写真を撮ったりしていた。
大阪市から熊本に遊びに来ていた会社員女性(32)は、この日が人生初の初日の出。スマートフォンで何度もシャッターを切った上で「立派なお城と初日の出を一緒に拝むことができ感動しました」と興奮気味に語った。
熊本地震の前まで熊本城は、大天守の中から初日の出を拝むことができた。毎年通っていたという熊本市の自営業男性(50)は、「近所に住んでいるが二の丸から拝むのは初めて。本当に美しいですね」と笑顔を見せた。
熊本城では昨年10月から、天守閣の大天守外観復旧を記念した特別公開が始まっている(原則日曜・祝日限定、ただし2019年12月29日~2020年1月5日までは無休)。昨年11月には小天守にしゃちほこを設置。大天守の工事用足場もすでに撤去されており、熊本城は熊本地震前の姿に着実に近づいている。2021年春には大小天守が完全復旧する見通しで、外観公開と天守閣内部の展示公開が予定されている。