「こども予算倍増」に必要な財源は、こども未来戦略会議でどう決まる
岸田文雄内閣の肝いりの政策である「こども予算」の倍増に向けた議論が、いよいよ本格化する。
岸田首相自らが議長となり、主要大臣と19名の有識者構成員からなるこども未来戦略会議が発足し、4月7日に初会合を開いた。構成員には、大企業が多く加盟する経団連の会長、中小企業が多く加盟する日本商工会議所の会頭、労働組合のナショナルセンターである連合の会長も名を連ねる。
この会議で決まったことは、労使ともに賛同したといっても過言ではない。
こども未来戦略会議が発足する直前、3月31日に、小倉將信こども政策担当大臣が、「こども予算倍増」に向けたたたき台(「こども・子育て政策の強化について(試案)」)を取りまとめた。そして、4月1日に、こども家庭庁が発足した。
そのたたき台には、児童手当、育児休業給付、保育士の配置基準、高等教育の経済負担などに関する新規策が盛り込まれている。これらのうちどれだけ実行に移せるかは、まさに財源がどれだけ確保できるか次第である。
では、こども未来戦略会議で、「こども予算倍増」に必要な財源について、どのように決めるのだろうか。
前評判でいうと、拙稿「少子化対策のたたき台は、本当のところどこが注目点か? 児童手当ばかりが焦点ではない」でも触れたように、消費税の増税でこども予算の財源を賄うのは不人気であるため、いの一番に消費税を財源に使うことはないだろうということだ。
これに対して、税ではなく、社会保険料で賄うという案が注目を集めている。
しかし、前掲の経団連会長も連合会長も、こども予算の増額に必要な財源の多くを社会保険料で賄うことには、異議を唱えている。
では、岸田首相が議長のこども未来戦略会議で、「こども予算倍増」に必要な財源の中身を、どう決められるのだろうか。それは、
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