北朝鮮の女子大生が泣き叫ぶ「見せしめの刑」の加重処罰
韓流との終わりなき闘いに挑んでいる北朝鮮は最近、重罰化で恐怖心を煽る形で、北朝鮮に流入し続ける韓流を根絶しようと試みている。
教師を養成する清津(チョンジン)教員大学の学生6人に対して、非常に厳しい判決が下されたと、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
学生6人は今年3月、韓国映画を見ていた最中に、同級生の密告を受けた清津市安全部(警察署)により現行犯逮捕された。家族がコネやワイロを使って罪をもみ消したり、減刑を図ったりする暇もなく、彼らは咸鏡北道の反社会主義・非社会主義連合指揮部に身柄を引き渡された。
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連合指揮部は今回の事件を重く見て、道内の若者や学生に警鐘を鳴らす、つまり「見せしめ」にするため、逮捕した学生らの身柄を道安全局(県警本部に相当)に移送して直接取り調べを行った。
取り調べの報告を受けた中央の反社会主義・非社会主義連合指揮部は、「絶え間ない警告と取り締まりにもかかわらず、彼らが堂々と南朝鮮(韓国)の不純録画物を視聴したのは、道内の若者の精神状態を反映したものだ」として、当局が懸念していた以上に思想の腐敗が進んでいると指摘。
さらに、地元の有力者がワイロを受け取って減刑に動く余地を封じ込めたうえで、同安全部に対して厳罰に処すよう命じた。
安全部などが家宅捜索に入ったところ、6人全員の家から、韓国映画やドラマ、音楽などが入った大量のUSBが発見された。そして今月中旬、道法院(地方裁判所)において、家族や指導教授らが傍聴する中で裁判が行われ、2人には無期労働教化刑(無期懲役刑)が、残りの4人には10~15年の労働教化刑(懲役刑)が言い渡された。
北朝鮮の法では本来、韓国映画などの単純所持や視聴は有期刑であり、広範囲に流通させた場合などにのみ無期刑が課される。今回の件は流通の事実が指摘されておらず、最近になって見られる「加重処罰」である可能性がある。
北朝鮮の教化所(刑務所)に10年以上も入れられたら、生きて出られればマシな方で、五体満足で帰ってこられる見込みはまずない。
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判決を聞いた同じ大学の女子学生たちは、「彼らと二度と同じ道を進めなくなった」泣き叫んで悲しんだという。
また、市民の間からも「道内の学生で南朝鮮の映画、ドラマを見たり、歌を聞いたりしない者はほとんどいないはずなのに、本当に運が悪かった」と同情した。事件の噂は道内に広がり、学生たちは恐怖に震えているという。