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こどもがわかる「こども基本法(きほんほう)」、どんなほうりつ?、どんなけんりがあるの?

末冨芳日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員
こども基本法きょう4がつ1にちにスタート(しゃしんはわたしがさつえいしました)

※小学校高学年以上や大人向けの記事は、こちらです。

きょう、れいわ5ねん4がつ1にちはこどものけんりのほうりつである、こども基本法(きほんほう)がスタートする日(ひ)です。

わたしは、こども基本法(きほんほう)をつくるために、なかまや、こどもをたいせつにする国会議員(こっかいぎいん)と、がんばってきました。

くまもと市の1000にんもの小学生(しょうがくせい)、中学生(ちゅうがくせい)に、こども基本法(きほんほう)をおしえたこともあります。

ふだんは日本大学(にほんだいがく)というがっこうで、せんせいをしています。

きょうは、こども基本法(きほんほう)のスタートを、おいわいするために、みなさんにこども基本法(きほんほう)がどんなほうりつか、どんなこどものけんりがみとめられているのか、せつめいをします。

1.こども基本法はぜんぶで、20このルールがあるほうりつ

こどもにとって、とくにたいせつなのは、5このルール

こども基本法には、まず20この条文(じょうぶん)があります。

条文(じょうぶん)、というのは、ルールのことです。

ここでは、条文(じょうぶん)のことをルール、とかきます。

こどもにとって、とくにたいせつなのは、5このルールです。

1じょう、2じょう、3じょう、11じょう、15じょう、です。

1じょう(1条)

こども基本法(きほんほう)は、にほんの憲法(けんぽう)と、

こどものけんりじょうやく)にもとづいて、

すべてのこどもが、自立(じりつ)したひととして、せいちょうできるよう、こどものけんりをまもるほうりつだよ。

※こどものけんりじょうやく、というのは、せかいじゅうの国(くに)で、こどものけんりをたいせつにするための、せかいのルールだよ。

日本(にほん)のこども基本法(きほんほう)も、このせかいのルールにもとづいてつくられたんだよ。

2じょう(条)

「こども」とは、こころと、からだがおおきくなるのとちゅうのひと、

あかちゃん、ほいくえんやようちえんのこども、

小学生(しょうがくせい)、中学生(ちゅうがくせい)、高校生(こうこうせい)やわかもの、のことだよ。

3じょうは、とくにだいじなので、さらに6つのくわしいルールで、こどものけんりのことを、きめているよ。

3じょう-1(3条1項)

すべてのこどもが、ひとりのひととしてけんりをたいせつにされるよ

こどもは、さべつされないよ。

3じょう-2(3条2項)

すべてのこどもに、あんしんして、かぞくとくらせること

愛(あい)されること、まもられること

けんこうにそだち、おとなにむけて自立(じりつ)していくこと

にんげんらしく生いきるために、にほんの国にまもってもらうけんり、

がっこうにいったりまなぶ、教育(きょういく)をうけるけんりがこどもにはあるよ。

3じょう-3(3条3項)

こどもは、じぶんにかんけいするすべてのことについて

じぶんのかんがえや意見(いけん)をいったり、

おとなたちにつたえられるけんり、があるよ。

ちいさなこどもでも、ねんれいやどれくらいものごとをわかっているかによって、おとなもたすけたりしながら、

じぶんの意見(いけん)をつたえることができるけんりがあるよ。

そしてこどもは、こどもにかんけいするいろいろなことに「参画(さんかく)」するけんりがあるよ。

参画(さんかく)、というのは、こどもどうしや、こどもとおとながなかまになって、いろいろなことをいっしょにかんがえて、つくりあげることだよ。

3じょう-4(3条4項)

すべてのこどもは、ねんれいやどれくらいものごとをわかっているかによって、意見(いけん)がたいせつにされるよ。

こどもの「いちばんいいしあわせ」を、国(くに)やおとなが、いちばんだいじにするよ。

(おとなのわがままやしあわせじゃなく、こどもの「いちばんいいしあわせ」が、いちばんだいじだよ。)

3じょう-5(3条5項)

こどもは、かぞく、とくに、おとうさんおかあさんに、そだててもらうけんりがあるよ。

だから、国は、こどもも、かぞくも、おうえんするよ

でももし、かぞくが、こどもをそだてられないときには、

こどもがこころもからだも、げんきにそだつように、

かぞくにかわって、そだててくれるひとたちと、

あんしんしてこどもがくらせるようにするんだよ。

3じょう-6(3条6項)

国(くに)は、おかあさん、おとうさんや、かぞくだけでなく、

日本(にほん)のひとたちも、

こどもをそだてることが、たのしいうれしいと、

よろこびをかんじられる国(くに)にするよ

11じょう(11条)

国(くに)や、こどもがすんでいるまちの、おとなたちは、

こどもにかんけいする政策(せいさく)をつくったり、

いましている政策(せいさく)がよいかどうか、せいせきをつけるときには

こどもの意見(いけん)もとりいれなくてはならないんだよ。

15じょう(15条)

国(くに)は、こども基本法(きほんほう)、こどものけんりじょうやくについて、

学校(がっこう)や、しんぶん、インターネットなどで、

こどもにもおとなにも、しらせていくよ。

2.こども基本法で、こどものけんりはいくつある?たぶん16こ

こども基本法(きほんほう)の、とくにだいじな5つのルールをみてきましたね。

さて、このなかに、こどものけんりはいくつあるのでしょうか?

わたしがかぞえてみたところ、こどもがつかうことのできるけんりは、たぶん16こではないかとおもいます。

たぶん、というのは、ほうりつにくわしいひとたちといっしょにかぞえていないからです。

・こどものけんりじょうやくにあるけんりは12こ

(1)さべつされないけんり

(2)こどもの「いちばんいいしあわせ」がたいせつにされるけんり

(3)いきるけんり、そだつけんり

(4)こどもが意見(いけん)をいうけんり

(5)こどもがかんがえたことやおもったことを、ことばやいろいろな方法(ほうほう)で、あらわすことのできるけんり

(6)こどもが、じぶんのかんがえをもったり、神(かみ)さまや仏(ほとけ)さまなどの、しゅうきょうをしんじたり、しんじなくてよいけんり

(7)おとうさん、おかあさんにそだててもらうけんり

(8)かぞくと、くらせないこどもが、まもられるけんり

(9)かぞくがいないとき、かわりのかぞくと、あんしんにそだつけんり

(10)くらしにこまったとき、国(くに)にまもってもらえるけんり

(11)にんげんらしく、いきるけんり

(12)まなんだり教育(きょういく)をうけるけんり(権利)

このうち(1)~(4)は、こどものけんりじょうやくで、いちばんたいせつとされているこどものけんりです。

・こども基本法(きほんほう)で、日本(にほん)のこどもたちのためにつくられたけんりは4こ

(1)愛(あい)されるけんり

(2)参画(さんかく)するけんり

(3)意見(いけん)がたいせつにされるけんり

(4)こどものけんりを、しるけんり

12こと4こをたすと、16こになります。

いつか、ほうりつにくわしい、大学(だいがく)のせんせいや、こどものけんりをまもってくれるべんごしさんたちと、いっしょにかんがえてみたいですね。

3.こども基本法、こどもはなにができるようになる?

-こどもが、どんどん意見(いけん)がいえる、きいてもらえる、意見(いけん)を、おとながたいせつにしてくれる

-こどものあそぶ公園(こうえん)や、ほいくえん、学校(がっこう)などが、こどもにとって、もっとたのしい、しあわせな、いばしょになる

こども基本法(きほんほう)ができて、こどもはなにができるようになるのでしょうか。

こども基本法(きほんほう)や、こどものけんりをだいじにして、こどもたちのためにかつやくしている、こども家庭庁(こどもかていちょう)という、国(くに)のそしきがあります。

こども家庭庁(こどもかていちょう)も、きょう、4がつ1にちにスタートします。

こども家庭庁(こどもかていちょう)が、がんばっているのは、こんなことです

・こどもが、どんどん意見(いけん)がいえる、きいてもらえる、意見(いけん)をおとながたいせつにしてくれるしくみをつくっている

・こどものあそぶ公園(こうえん)や、ほいくえん、学校(がっこう)などが、こどもにとって、もっとたのしい、しあわせな、いばしょにするためのしくみやルールをつくっている

こどもが、たのしい、しあわせな日本(にほん)にするために、意見(いけん)をつたえたいとおもったきみは、こども家庭庁(かていちょう)からもうしこんでみてください。

おかあさんやおとうさんと、いっしょにもうしこむのがおすすめです。

※こども家庭庁(かていちょう)「こどもわかもの★いけんぷらす

そして、こども家庭庁(かていちょう)も、こども基本法(きほん)について、せつめいをしています。

私のせつめいよりも、おにいさんおねえさんむけです。

もっとしりたいときは、こども家庭庁(こどもかていちょう)のせつめいをよんでみてくださいね。

※こども家庭庁(かていちょう)「こども基本法(きほんほう)

おわりに

こども基本法(きほんほう)は、すべてこどもたちが、じぶんらしく、じぶんをたいせつにして、のびのびいきてくためのほうりつです。

こどもとおとなが、なかまになって、意見(いけん)をつたえあったりはなしあったりしながら、こどもがしあわせでたのしい国(くに)にするためのほうりつです。

この国(くに)のしゅやくは、こどもたちです。

こども基本法(きほんほう)、さあきょうからスタートです。

日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。

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