小保方氏がホームページで伝えたかったこととは?
突如公表、すぐさまダウン
小保方晴子氏がホームページを突然公表した。その名も「STAP HOPE PAGE」。
全文英語のそのページの公表に、世間は騒然となった。いったい本物なのか。何の意図があるのか。
アクセスが殺到したためか、一時的に閲覧ができなくなったが、4月2日朝の時点では閲覧可能だ。
大学研究室のページのよう
ホームページの作りは、大学の研究室のホームページのようだ。トップページには挨拶が書かれている。まずは謝罪からだ。
研究不正と言わず、不注意であると言っているところは、著書「あの日」と同じだ。その点は納得いかない。
ホームページ公表の目的は…
このページは科学コミュニティに向けたものであることを明言している。小保方氏自ら、このページは「あの日」を読んで「小保方さん信じます」という人たち向けではないことを言っていることになる。
ホームページには、研究のバックグラウンド、STAP細胞作製のプロトコル、再現実験の結果などが掲載されている。今後徐々にページを充実化していくという。
プロトコルでSTAP細胞が作れるか?
公表されたプロトコルでSTAP細胞は作製できるのだろうか。
ページをみると、使った試薬のメーカー名も含めて手順が書かれている。これはよく見る生命科学実験のプロトコルの形式を踏襲している。この通りにやってみることはできるだろう。とはいえ、書かれた通りやってできるかは、やってみないと分からない。これに限らず、プロトコルというものはたいていおおざっぱなので、細部が重要な場合がある。そういう場合は、著者に問い合わせたりするが、連絡先が書かれていないので、どうしたものか…トラックバックも送れないようだ。問い合わせ先を掲載したら、いやがらせが殺到する可能性があるので、仕方ないとはいえるが…
「この量ではATPは溶けない」といった指摘がなされたりしているが、オープンに議論するのはよいことだ。
ともあれ、あれだけ追試実験が行われて、誰も成功していないので、やってみようという研究者は簡単には現れないだろう。研究には時間とお金と人手が必要だからだ。そもそも論文でもないホームページに従って研究をやるというのは、かなりリスキーなことなのだ。失った信用は簡単には取り戻せない。
もう放っておこう
著書「あの日」で、小保方さん信じます、という人が多数出ている。表現の自由だから、本の出版やこうした感想を持つことをとやかくいうつもりはない。ただ、STAP細胞ありなしは、信仰では解決しない。
科学コミュニティで研究成果を認められるということは、簡単なことではない。信じる、信じない、墓場まで持っていくなどは意味がない。根拠を持って証明するしかない。そして今のところ、それはできていない。
小保方さん自身それを分かっているから、こうしたページを公表したわけだ。
だから、もう科学コミュニティ以外の人は、あれこれ言わず放っておくほうがよいのではないか。もちろん研究不正に関する部分には厳しく対処する必要があるが、研究の知識がたいしてないのに、陰謀論を唱えたり、どこぞの研究者がSTAP細胞を証明したとかなんとかいうのは、まったく意味がないし、小保方さんを応援することにすらならない。
本当に小保方さんを支持しているのなら、一般向けの記事であれこれ言ったりするのではなく、クラウドファンディングでもなんでもいいから、お金を集めて、このホームページに従って研究をやってくれる研究者を探したらどうだろうか。