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Juice=Juiceが新体制に。中心メンバー2人が抜けた中で「後輩が成長して団結力も強まりました」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(左から)植村あかり、稲場愛香、金澤朋子(撮影/河野英喜)

ハロー!プロジェクトの実力派グループ・Juice=Juiceが1年ぶりのシングル『DOWN TOWN/がんばれないよ』をリリース。2013年の結成以来、パフォーマンスの中心だった宮本佳林と高木紗友希が抜けた新体制のスタートともなった。メンバーから年長組の金澤朋子、植村あかり、稲場愛香の3人に現状と展望をじっくり聞いた。

みんなで話す時間が増えました

――新体制になってから、グループの雰囲気は変わりましたか?

稲場愛香 井上玲音ちゃんがシングルには初参加で、特技のボイスパーカッションで今までにない味を出してくれていますけど、楽屋ではあんなかわいい顔で、おちゃらけキャラなんですよ(笑)。ヘン顔とか面白いことが好きで。もともと仲良しなグループでしたが、パフォーマンスとは関係ないこともみんなで話す時間が増えました。

――ガールズトーク的なことですか?

金澤朋子 あまりガーリーではないかも(笑)。

稲場 意味のわからない妄想とか(笑)。

植村あかり お菓子パーティーもします。楽屋で場所を作って、机を持ってきて、ディスタンスを保ちながら、みんなで輪になりました。

金澤 持ち寄ったお菓子が結構カブっていて、同じものがいっぱいありましたけど(笑)。

――よりまとまりが出たんですね。

植村 出ましたね。ステージでもそうかもしれない。

金澤 今はなかなか全員で集まる仕事がなくて、その分、集まったときの結束力は強まったと思います。

――1年前に元こぶしファクトリーの井上さんが加入したときも、すぐ馴染んだんですか?

植村 そうですね。玲音ちゃんの人柄もあって、すぐJuice=Juiceに馴染んでくれて、「まだ1年しかいないんだっけ?」という感覚です。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

すごく誉めてくれるので気分が良いです(笑)

――3年前に、稲場さんがカントリー・ガールズ卒業から2年を経て加入したときはビックリでしたが、当時もすぐ溶け込みました?

植村 時間はかからなかったよね?

稲場 気さくに話し掛けてくれる先輩ばかりで、堅苦しい上下関係がないグループなんです。

金澤 愛香は上手いんですよ(笑)。コミュニケーション能力が高いというか、話していて気分が良くなります。すごく誉めてくれるので(笑)。

稲場 誉めるところしかありませんので(笑)。

――どんなことを誉めるんですか?

金澤 この前も取材で「新曲のMVは表情のアップが多いんです」と話したら、「そのどアップに耐えられるのが金澤さんのお美しさ」みたいなことを言ってくれたり。

稲場 本当にそうなので、皆さんMVでチェックしてください(笑)。

植村 私も日常茶飯事で誉めてもらいますけど、その誉め言葉がきれいすぎて、いつも「そんなことない」と否定しちゃうので、覚えていません(笑)。

――稲場さんは言葉を選んで誉めているんですか?

稲場 選ぶ意識はなくて、Juice=Juiceは本当にみんなかわいくて美しくて、最強だと思っているんです。

植村 愛香もね(笑)。

稲場 普段からみんなの良いところに目が行って、いつも思っていることを、話題になったときに爆発させているだけなんです。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

真っ先に辞めそうだった2人が残りました

――ここ数年、グループで加入や卒業があって、オリジナルメンバーは金澤さんと植村さんだけになりました。

植村 意外な2人が残りました(笑)。

金澤 私たちが真っ先にいなくなりそうだったので、ビックリです(笑)。

――やっぱり初期と比べると、だいぶ違うグループになった感じですか?

金澤 180度変わった感じです。

植村 Juice=Juiceは歌を頑張っていて、ダンスに関してはよくダメ出しをされていたのが、最近はなくなりました。愛香や(段原)瑠々が入ってくれたことで、気づかないうちにレベルアップしたんだと思います。ダンスに取り組む姿勢も変わりました。前はライブの構成で「ダンスはちょっと少なめにしようか」みたいなことがあったのが、今回の曲でもダンスパートがあったり。

稲場 植村さんはライブ中に私がソロで踊ると、「うわーっ!」と言ってくれます(笑)。

金澤 言ってる、言ってる。

植村 愛香のダンスを近くで見られるのは、本当に幸せ。

稲場 ステージで自分もカッコつけてないといけないのに、拍手するくらいの勢いで見てくれて、お客さんにお尻を向けちゃってました(笑)。

植村 その節は申し訳ありませんでした(笑)。でも、見入ってしまうんです。

稲場 そういうふうに植村さんこそ私を誉めてくださるので、「もっと頑張らなきゃ」と思います。

金澤朋子(かなざわ・ともこ) 1995年7月2日生まれ、埼玉県出身 (アップフロントプロモーション提供)
金澤朋子(かなざわ・ともこ) 1995年7月2日生まれ、埼玉県出身 (アップフロントプロモーション提供)

これからが楽しみな気持ちのほうが強いです

――それにしても、今回は結成以来グループの要だった宮本佳林さんと高木紗友希さんが抜けて、危機感はありませんでした?

金澤 本当にあの2人にすごく支えられていて、パフォーマンスの軸でしたから、ファンの皆さんも不安があったと思います。ただ、それによって後輩たちがどんどん育っている感じがします。たとえば松永里愛ちゃんは、歌割りでフォローに回ることが多かったんですけど、ライブを作り上げていく中で「もっと私が」という想いが生まれてきたのかなと、近くにいてすごく感じるんです。私自身、ネガティブな気持ちになりそうだったのが、「自分も頑張らなきゃ」と思いました。

稲場 今も不安はありますけど、お2人がもういないのはどうしようもないことなので、今のメンバーで「このJuice=Juiceもいいね」と言ってもらえるように、頑張り続けないといけない想いは強くなりました。

植村 昔からツアーで体調不良で欠席したメンバーが出たとき、これ以上ないほどの団結感が生まれたんです。そういう団結力が今のJuice=Juiceにはあると感じるので、これからが楽しみな気持ちのほうが大きいです。

シティポップのアレンジで原曲と違う雰囲気に

――ニューシングルは両A面の『DOWN TOWN/がんばれないよ』。『DOWN TOWN』は山下達郎さんが率いていたシュガーベイブの名曲ですが、普通に聴いたことはありました?

植村 ありました。他のアーティストさんのカバーでも馴染みがあるので、そんな有名な曲をJuice=Juiceで歌えるのは、すごくうれしいです。

金澤 うちの父が山下達郎さんの大ファンで、幼稚園の頃から家でCDを流していたのを聴いて育ちました。この曲をカバーすることになって、私以上に父が大喜びしています。「音楽の神様に愛された人だから、失礼のないように」と熱く語られました(笑)。

稲場 今回はアレンジで原曲とは全然違う雰囲気になっています。

金澤 シティポップの軽やかさや華やかさがありつつ、春らしいオシャレな感じになりました。

稲場 振付も元気な感じでたくさん踊るのかと思いきや、サビはウォーキングとポーズだけでシンプルで、自分たちの想像とも違いました。

――土曜日の夜のワクワク感はありつつ?

稲場 そうですね。<Down townへくりだそう>というサビで、キャッキャしてくりだすのでなく、ちょっとカッコつけて大人な感じで歩くのを意識しました。

――MVでは植村さんがだいぶ楽しそうですね。

植村 わかりました? 私、今までのMVではあまり笑わなかったんです。それが今回は、監督に何度も「笑いすぎ」とダメ出しされました(笑)。そんなこと、今までなかったんですけど、だいぶウキウキしちゃいました。

植村あかり(うえむら・あかり) 1998年12月30日生まれ、大阪府出身 (アップフロントプロモーション提供)
植村あかり(うえむら・あかり) 1998年12月30日生まれ、大阪府出身 (アップフロントプロモーション提供)

意識しなくても色気が出てるのを感じました(笑)

――金澤さんが稲場さんのネクタイを上から引っ張るシーンもありました。

金澤 監督さんが勢いで思い付いたことを、そのまま指示される方だったんです。私のソロのシーンでも「サスペンダーをバチーンと」と言われて、ペアで撮るときも普通はカッコよくキメることが多いんですけど、「ネクタイを引っ張ってみようか」と(笑)。

稲場 「グイーッと」っていう(笑)。

金澤 そんなノリで撮って、私たちが「これでいいの?」と戸惑っているのが、表情にちょっと出ちゃってますけど、それが良かったかもしれません。そこだけちょっと浮いているのが面白いので。

――引っ張られるほうの稲場さんはどんな心持ちでした?

稲場 光栄でしたね(笑)。金澤さんのおきれいなお顔と距離がすごく近づいて、ドギマギしました。

金澤 私は1回、笑いが止まらなくなっちゃって、やり直しました(笑)。

――金澤さんのソロのシーンでは、お姉さんな色気に磨きがかかってました。

稲場 すごくセクシーです。

金澤 そんなことないです。全然です。

稲場 意識しなくても出る色気をすごく感じます。スタイルが良くて、今回はピタッとしたパンツを穿いてらっしゃるので、ちょっと触りたくなっちゃったりもしながら(笑)、体のラインの見せ方が上手だなと思いました。

金澤 こういうことを言われると、一番恥ずかしいですね(笑)。

植村 私は朋子の色気にずっと悩殺されてきて(笑)。

金澤 何を言ってるんだよ(笑)!

植村 そこは昔から変わらず素敵だなと、このMVを通じて改めて感じました。

自分と重なって歌っていて涙が出ました

――『がんばれないよ』のほうは山崎あおいさん作詞、KOUGAさん作曲のバラードで、描かれている心情には覚えがある感じですか?

金澤 ちょっと前の自分のようです。がんばっても報われなくて「がんばれないよ」となったことは、人生で何度もありました。それを乗り越えたときの感情と、この曲のストーリーがすごくマッチして、気持ちが乗りやすい曲です。

植村 <最寄りのコンビニ寄って いつものアイス買って>は私もやってます。最近、板チョコアイスにハマっていて。『名探偵コナン』とコラボしているので、コナンくんと灰原哀ちゃん(のパッケージ)を一生懸命買ってます。軽い話になってしまって、すいません(笑)。

――稲場さんは<かっこつけ うちを出た私>という2番が、北海道から上京した頃の自分と重なりませんでした?

稲場 重なりまくりでした。もともとバラードが好きなこともあって、曲の世界にスーッと入っていけて、レコーディングでも涙が出たくらい響く曲でした。

――<寂しくて電話をした>もありましたか?

稲場 はい。私は今でもほぼ毎日、お母さんとテレビ電話をしています。心配をかけたくないから、本当は話したいことを言えないときもあるので、「わかるな」と思いながら歌っています。

――<徹夜してもがいたけど>も?

金澤 ありました。私は最初ダンスが全然できなくて、夜中に泣きながら練習していて。インディーズ1作目の『私が言う前に抱きしめなきゃね』のときは、振付の映像が送られてきて、自分で覚える形だったんです。先生にマンツーマンで教えてほしい気持ちがありつつ、深夜まで練習してレッスンに行ったら、振付が変わったり……。何度も泣きたくなりました。

植村 私もダンスでそういうことはあったと思います。でも、辛い記憶は消してしまうので(笑)。当時は私が一番怒られていたと思います。その分、今、振り起こしをするとき、「こんなことを言われた」と覚えているのが役立っています。

稲場 私も「がんばれないよ」と思ったことは何度もありました。でも、振り返ると「そんなこともあったな」という思い出になっているのが、成長した証かなと。本当にこの曲の流れ通りです。

金澤 自分が「がんばれないよ」と思っていたときにこの曲があったら、もっと早く前向きになれていたかもしれません。だから、今聴いてもらえる皆さんの心に、少しでも届けばいいなと思っています。

稲場愛香(いなば・まなか) 1997年12月27日生まれ、北海道出身 (アップフロントプロモーション提供)
稲場愛香(いなば・まなか) 1997年12月27日生まれ、北海道出身 (アップフロントプロモーション提供)

歌いこまずにしゃべるような感じで

――「がんばれないよ」では植村さんが歌い出しを担当しています。

植村 スタッフさんに「すごいね」と言われましたけど、私はそんなに重要な部分だと感じたことがなかったんです。音楽知識が足りなかったのか、大事なパートというと、オチサビや最後の1行かなと思っていて。でも、譜久村(聖)さんとお話したとき、モーニング娘。さんの歌い出しは、楽曲の雰囲気に合ったメンバーが任されることが多いと聞きました。「そういうふうに捉えることもできるんだ」とうれしくなって、頑張りたいと思いました。

――ラストの<誤魔化せない ほんとの自信だって欲しい>は金澤さんが担当。

金澤 この曲は歌いこまないというか、しゃべる感じで歌うように言われて、それが私は苦手なんです。「歌うぞ」とスイッチが入ると、ノドの使い方が変わってしまうので。だから、あかりの“歌わない歌い方”みたいなのはすごく上手だなと、いつも思っていました。

植村 ホントに?

金澤 耳にスッと入ってきて、変に演じてない感じでナチュラルに歌っているので、本当にこの曲に合っていると思います。私は苦戦しましたけど、大事なラストのパートをいただけたのはうれしくて、あかりみたいに歌えるようにしたいです。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

感情をぶつけて自由に踊りました

――7人のソロバージョンがDVDに収録された限定盤もあります。

稲場 私は感情を入れすぎて泣いてしまったのが、唯一の苦戦ポイントでした。こういう曲だからこそ、演じるように歌いたかったので、辛いときに無理しているような部分はいつもと声の色が違ったり、息継ぎのタイミングがちょっと早くなったり。いつの間にか入り込みすぎて「もう歌えません」となってしまったくらいでした。でも、演技は好きなので、そういう意味では楽しく歌えました。

――歌詞の決まったところで、毎回泣けてきた感じですか?

稲場 1曲の中でどんどん気持ちが盛り上がっていきました。詞では1番が「がんばれないよ」って挫折している状態で、そこから「でも、がんばりたいの」って出てくると、自分の中のギアがグッとひとつ上がって、オチサビで涙がポロリ、みたいな。今でも段原瑠々ちゃんのオチサビを聴くと、いつも泣きそうになります。

――MVでは冒頭からの稲場さんのダンスも見どころになっています。

稲場 まさかの展開でした。最初は井上玲音ちゃんのリップシーンの後ろでフリーダンスをするように、軽い感じで言われたんですけど、意外としっかり何度も撮りました。振りは決まってなくて、コンテンポラリー系で踊ることだけ言われていたので、クルクル舞ってみたりしました。

――コンテンポラリーダンスは経験あったんですか?

稲場 見たことしかありません。だから何が正解かわかりませんけど、ダンスは考えすぎてやるものではないと思うので。同じ振りにはならないようにして、好きに踊りました。曲や音の雰囲気に合わせて、感情をぶつけた感じです。

金澤 感動しました。

稲場 衣装のフワッ、ヒラッみたいなのも相まって、いい感じで曲に馴染めたかなとは思います。

レコーディング前は他の方の曲を聴きます

――シングルリリースは1年ぶりですが、レコーディング前にルーティン的にやることはありますか?

稲場 曲を聴きこんで練習しながら、「こういう注意をされるだろうな」みたいなことを事前に想像します。『DOWN TOWN』なら「リズム感を出して」とか「跳ねて歌って」とか言われると思って、そこを意識して練習しました。

植村 私は曲を覚えたうえで、他の方の楽曲を聴きます。

金澤 えっ、何で?

植村 普段は普通に聴いていた楽曲でも、レコーディング前は息継ぎのポイントとかをちょっと盗むのと、スタジオで自分の前に録っているメンバーの歌が聞こえると、マネしちゃうんですよ。だからギリギリまで他の方の楽曲を聴いて、テンション感を合わせています。

――録る曲と似たテイストの曲を聴くということですか?

植村 以前はランダムに聴いてましたけど、私のプレイリストには洋楽が多くて、気持ちが盛り上がりすぎて合わなくなっちゃうこともあるので。『がんばれないよ』は邦楽の落ち着いて歌う方の曲をたくさん聴きながら、「こういう声の出し方がきれいに聞こえる」とか「ここからちょっとビブラートにしてみよう」とか、歌詞カードに書き込みました。

金澤 私はレコーディングが大の苦手で、曲をもらってから、ずーっと緊張しています。

――安定した歌唱力に定評のある金澤さんが?

金澤 たとえば1週間前に曲が来たら、1週間ずっと、その曲しか聴けなくなるタイプです。「こんな感じで歌って」みたいにふんわりしたオーダーをされるのが、すごく苦手。頭が堅くて「目の前に人がいるつもりで」とか、そういうのがスッと入ってこなくて。だから、愛香も言ったように指示されそうなことを予測して、パターンを2~3コ作りこんで持って行きます。

――性格が出ますね。

金澤 不器用だから、それしかできなくて。歌詞カードにひたすら書きこみをします。ここは何拍伸ばすとか、何拍めからビブラートで何拍めからストレートとか、ブレスの位置とか。そういうことが情報として目に入ってこないと、何もできなくなってしまうので。自分で湧いたイメージや「こんな感じで歌ったほうがいい」というのも書き出すので、歌詞カードが真っ黒になります(笑)。

ガツガツした新メンバーが入ってもいいかも

――今、つばきファクトリーと合同の新メンバーオーディションを実施中で、たぶん今回がこの7人では最初で最後のシングルになりそうですね。

金澤 そうですね。次は新しいメンバーが入っているのか……。

植村 楽しみ~!

金澤 オーディションに関しては、私たちも情報はゼロなんです。何人入るのか、何歳の子が来るのか、ドキドキだらけです。

稲場 今はみんな仲良く楽しく頑張れているからこそ、良い子に入ってきてほしいです。でも、グループを客観的に見たら、ちょっとトゲがあるような子もいたほうが、面白くなるのかなと思います。

植村 攻撃的に見えるくらいスパイスがあってもいいですね。今のJuice=Juiceなら丸く収められるので。

金澤 現メンバーは良くも悪くも控えめなんです。差し入れをいただくと、最後に残った1コを誰も取らなかったり。だから、ガツガツした子が入ってくれてもいいのかな。

植村 BEYOOOOONDSなんかを見ていると、すごい特技を持っている子が多くて。Juice=Juiceにも何か特技を持ってきてくれたらうれしいです。吉本(興業)さんを目指していたけど、なぜかハロプロに来ちゃったとか(笑)。

金澤 いたら面白いですね。

植村 私なら採用します(笑)。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

継承も革命も両方大事だと思います

――一方で、Juice=Juiceの初期からの良さを継承したいところもありますか?

金澤 私は最近、歴史的建造物の勉強をちょっとしているんですけど、価値を継承することも大事だし、変化すべきところはしないといけなくて、どちらも併せ持つんですね。それはグループも同じだと思います。Juice=Juiceにとっては初めての新メンバーオーディションで、革命的なことを起こさないといけない。でも、Juice=Juiceは他のグループと比べてライブが多くて、1公演ごとに対する想いも熱いんです。ステージでのパフォーマンスを大切にするのは、当たり前のことではありますけど、絶対に受け継いでほしいです。

――歴史的建造物に関しては、どういう流れで勉強しようと?

金澤 世界遺産がもともと好きで、そういうところから勉強を始めました。国や時代によって色から全然違いますし、日本でいうと銀座の歌舞伎座とか、今もリノベーションをされている建造物もたくさんあるので、学ぶことは多いです。

稲場 私は途中で入りましたけど、Juice=Juiceはすごい人たちがいるグループという印象はずっとありました。オリジナルメンバーが2人になっても、基盤はブレてなくて。単独ライブを220公演するツアーとか、いろいろなことを乗り越えられた方たちから、もっと吸収していかないといけないし、そういう気持ちをメンバーみんなで持ちたいと思ってます。

――植村さんからはどんなことを吸収したいと?

植村 私はもう根が枯れていて(笑)、何も吸収できません。

稲場 植村さんは天才なんですよね。努力してないという意味ではないですけど、もともとのポテンシャルが高すぎて。そこはマネできない部分ではあるんですけど、輝いている姿を見て、「これがステージに立つ人間のオーラなんだ」とか、単純に「美しい」とか思って、私も自分磨きを頑張ろうという気持ちになります。

植村 逆に後輩たちが優秀すぎて、威張ってもいいくらいなのに謙虚に慕ってくれるので、受け継ぐべきものはもう全部受け継いでもらっています。むしろ新しいものが生まれるといいなと思います。

金澤 それは絶対必要だよね。

Juice=Juice(アップフロントプロモーション提供)
Juice=Juice(アップフロントプロモーション提供)

Juice=Juice

2013年2月にハロプロ研修生内の新ユニットとして結成。インディーズシングル3枚のリリースを経て、同年9月にメジャーデビュー。日本レコード大賞の新人賞を受賞。2015年6月より『LIVE MISSION 220』ツアーが始まり、2016年10月にかけて全国225公演を完走。同年11月に初の日本武道館公演を開催。2017年には初のワールドツアーを10ヵ国11ヵ所で開催。現在のメンバーは7人。

『DOWN TOWN/がんばれないよ』

通常盤A
通常盤A

初回生産限定盤A・B(CD+DVD) 1700円+税

初回生産限定盤SP1・SP2(CD+DVD+イベント抽選シリアルナンバーカード) 2500円+税

通常盤A・B(CD) 1000円+税

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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