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福岡の繁華街中洲川端の地で元祖の面影を想起させるクラシックな長浜ラーメン〈週末は24時間営業を継続〉

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

本場「長浜ラーメン」の元祖の味といえば、1952年(昭和27年)創業で72年の歴史を誇る老舗にして替玉発祥のお店としても知られる、福岡県福岡市中央区長浜の本家本元「元祖長浜屋」。

創業72年の老舗、元祖長浜屋の外観
創業72年の老舗、元祖長浜屋の外観

その「元祖長浜屋」から、さほど遠くない場所(福岡市中央区大手門)にあるのが「元祖ラーメン長浜家」。2009年に開業し、今年15周年を迎える行列の絶えないお店で、地元では元祖長浜屋と人気を二分するほどの有名店である。

元祖ラーメン長浜家(通称:家①)の外観
元祖ラーメン長浜家(通称:家①)の外観

さらに「元祖ラーメン長浜家」とまったく同名のお店が2010年にすぐそば(福岡市中央区港)に開業した。ややこしい話だけど店名は同じだが経営母体は異なるため支店でない。そのため大手門のお店を「通称:家①」、後からできたお店を〈元祖ラーメン長浜家〉「通称:家②」として地元の人々は区別している。その後の2016年に家②は長浜地区から離れ、福岡市博多区の中洲川端地区へと移転。現在の場所で営業を続けている開業14年目のお店だ。

元祖ラーメン長浜家(通称:家②)の外観
元祖ラーメン長浜家(通称:家②)の外観

久しぶりに訪れたのは週末の早朝6時台

週末の土日に限って24時間営業(※正確には金曜の8時00分〜日曜の0時30分までの通し営業)をしている〈元祖ラーメン長浜家:家②〉に久しぶりに訪問してみた。130年以上の歴史ある「川端通商店街」。400mほどの長さがあり老舗店から新店までが融合する通りで、生活用品・衣料・飲食・お土産品物など、約130軒のさまざまな専門店が軒を連ねている商店街だ。

この日は、日曜日の早朝6時台。商店街近くのパーキングに車を停め、その通りのちょうど中間地点あたりの一角に〈元祖ラーメン長浜家〉があり、通りを挟んで「博多ラーメンはかたや川端店」と「中洲川端きりん」の有名な2店舗と肩を並べて営業している。

店内にある券売機の表示はいたってシンプルで、ラーメン・替玉・替肉と瓶ビール・酒・焼酎のみ。その中から最上段の「ラーメン」を発券。現在はラーメン一杯が700円と「屋」や「家①」と比較する高めの値段設定になっている。

発券後、スタッフさんに食券を渡しながら「ベタカタ」をコール。長いカウンター席の中間あたりに着席。繁華街「中洲」が近いということもあり、一番奥の席には深夜や朝のお仕事明けの方々なのか幾人かで陣取って、替肉やラーメンをおつまみに思い思いのスタイルで楽しそうにお酒を傾けていた。

待つことほんの少々。元祖らしくあっという間に配膳された一杯は、ベタ感はあるもののスープはややあっさりとした朝の最適解のようなラーメン。

それでも肉(チャーシュー)は、かなりしょっぱめな仕上がりなので、スープに混ぜ込みながら中細ストレート麺と一緒にいただくとちょうど良い塩梅になる。それでもスープが薄く感じられた時は小さな薬缶に入ったラータレを少し注いであげるだけで自分好みの一杯に仕上がる。

あくまでも個人的な感想ではあるものの、家②といえばやや透明感はあるものの元祖「屋」や「家①」に比べると少し白濁としたスープの印象があり格別に美味しい記憶があった。もちろんその日その日のコンディションもあるかと思うけど、今回久しぶりに食べた感じからは、特に「屋」に似ているなぁという印象だった。早朝から元気の出る一杯を美味しくいただきました。ごちそうさまでした。

長浜屋と長浜家の家①と家②の違いは?

余談として3つのお店を比較すると、濁りの少ないクリアに近い豚骨スープ、中細ストレート麺、肉とネギだけの具材というラーメンの構成と注文システムはほとんど変わらない。事前精算(券売機)の屋と家②に対し、家①は後払い。ラーメン1杯の金額は、屋:550円、家①:500円、家②:700円とそれぞれ違う。看板・丼碗の意匠はオリジナルの「屋」をベースとしながら、特に家①と家②は(ほぼ)同じ(※但し「長浜家」は家①の登録商標とある)。昔ながらのテーブルに置かれたお茶の入った大きな薬缶があるのは家①と家②だが、本家元祖の「屋」は薬缶が無くなり給水機とともに給茶機が設置された。営業時間は、屋が早朝から深夜までの営業に対し、家①は昔ながらの24時間営業(※清掃時間を除く)、家②は平日が早朝から深夜までで週末は24時間とそれぞれに違いがある。

こうして3つの元祖を比べてみると、昔ながらのスタイルを守り続けているのが「家①」ということになり、総本山の元祖長浜屋に匹敵する人気を集め地元ファンの多くから支持されている理由が分かる。今回訪れた家②は、昔ながらの元祖を踏襲しながらも、中洲川端の地で、ネオクラシックな「元祖スタイル」へと今後変化していくのだろうか。

元祖ラーメン長浜家(家②)

住所  :福岡県福岡市博多区上川端町10-242[地図
営業時間:0時00分〜0時30分・8時00分〜2時30分(月)
    :8時00分〜2時30分(火・水)
    :8時00分〜3時30分(木)
    :8時00分〜0時00分(金)
    :24時間営業(土・日)
定休日 :なし ※要確認
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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