Yahoo!ニュース

首都圏の「雪害」は雪がやんでから 5日朝は路面凍結に警戒を

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
5日(水)朝6時の気温予測

4日は、関東各地で雪が降り、宇都宮で9センチ、茨城県つくばで7センチ、埼玉県熊谷で3センチなど、積雪を観測。関東南部でも、気象庁のある大手町でうっすら積雪を観測するなど、所々で積もりました。

他人事ではない路面凍結

今回、いやなのが、降り終わりのタイミングです。今夜には晴れてきますので、布団の役割をする雲がなくなるぶん、地表付近の熱が上空へ逃げやすくなります。

ただでさえ、強い寒気が流れ込んできているうえに、いっそうの冷却効果。5日朝の予想最低気温は、東京都心・横浜・千葉-1℃、八王子-7℃、さいたま・水戸・宇都宮・前橋は-6℃の予想です。

当然、雪の積もった所も、積もらなかった所も、明朝に路面が凍結する可能性は高く、夜のうちから凍り始める所も多そうです。

雪がやんでからの「雪害」

一般的に「雪害」というと、豪雪地帯での雪崩や落雪による被害を言います。関東平野では、ほとんど起こりません。

ただ、「雪害」を「降雪による被害」という意味に広げ、路面凍結による被害も含めて考えると、関東平野は雪害の件数が多い地域です。降雪のあとは、必ずと言ってよいほど交通事故が多発し、被害が出ます。

今回と同じく、上空の強い寒気により短時間で雪が降った2012年の1月23日は、翌日にかけて関東各地で2000件以上の交通事故が起こっています。

事故を起こさず、もらわず

5日朝にかけては、車を運転するなら、自分が“雪害”を起こす可能性があるという意識と慎重さが必要になってきます。バイクや自転車も同様です。

また、歩く場合は、もらい事故の恐れが普段より大きくなります。ガードレールのある所をなるべく選んで歩くなど身を守る意識で。登校中の子供が巻き込まれる事故も過去に起こっていますので、お子さんにも伝えておきたいところです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

増田雅昭の最近の記事