【広島県竹原市】戦争なき平和を ー大久野島毒ガス資料館ー
「うさぎの島」として一大観光地になっている大久野島は、「毒ガス工場があり、昭和時代初期に地図から消された島」としての側面も持っています。
農耕が営まれる平穏な有人島だったこの島。しかし昭和2(1927)年から毒ガス工場の建設が始まり、2年後に開設します。それまで住んでいた住民は強制退去となりました。
工員は昼夜2交代の13時間労働で従事し、勤務前後は船で本土と往復したそうです。このような完全防護の服を着ていましたが、
多くの工員が健康を損ねました。亡くなる人もいました。
第二次世界大戦が終わると工場は廃止されましたが、その後も元工員の人々は呼吸困難や気管支炎に苦しみました。結核のような症状で亡くなる人も増えていきました。慢性気管支炎で苦しんでいる人の様子を写した写真が展示されていました。本当に苦しそうです。
被害に遭った人への救済は現在も続けられているそうです。
広島市の平和記念公園の資料館は原子爆弾の恐ろしさを伝えていますが、こちらの資料館は毒ガス被害の生々しい惨状を伝えています。様々な面で、戦争は悲劇を生み、後遺症で苦しませ続けます。このようなことは二度と起こしてはならないという思いにさせられます。
資料館はキャンプ場や海水浴場の近くにあります。海水浴を終えた人も見学していました。島内のレジャーを楽しむ途中に寄ってみて、平和について考えてみてはいかがでしょうか。
(館内は写真撮影禁止です。この記事の執筆者は竹原市役所からの許可を得て撮影しました。)
大久野島毒ガス資料館
所在地:広島県竹原市忠海町5491
開館時間:9:00~
休館日:年末年始(12月29日~1月3日)
入館料:19歳以上150円(20名以上の団体の場合は1人120円)。18歳以下の人および、身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳の所持者とその付添者1名は無料。