【富田林市】かつて南北朝時代に戦いが行われゴルフ場に囲まれた美原との境目。平尾峠の今を見てきました
現在はPL教団の経営するふたつのゴルフ場(聖丘、光丘)の敷地に挟まれていますが、その間の道は富田林街道という名前がついていて、寺内町から堺・美原方面につづいています。その途中の市境に当たるところに平尾峠という場所があります。
平尾峠を意識したのは以前、河内松原駅から富田林駅に向かう早朝のバスに乗った時に平尾峠を越えていった時のことでした。
昨年行われた下水分にわか連喜楽座公演「楠木正儀の戦い」の中に、「南朝帰参血戦平尾峠の戦いの巻」という演目がありました。これは1382年に南朝に帰参した楠木氏三代・正儀(楠木正成三男)と、北朝の山名氏清との戦いです。
平尾の戦いですが、上記の正儀の戦いのほかにもうひとつ平尾合戦という戦いの記録が残っていました。1388年足利義満奇襲を狙った南朝の楠木氏四代・正勝(正儀嫡男)と、北朝の山名氏清との戦いです。
平尾峠ではなく平野部の平尾という記録などもあるようなので、実際の戦場は平尾峠の先にある平尾かもしれません。
記録では、いずれも北朝側の山名氏清が楠木勢と戦い勝利したと言います。ここからはあくまで想像の話になりますが、戦いの前に楠木勢の南朝側が峠を越え、戦いののち勝者である北朝の山名側が峠を越えて進撃したと考えられます。
余談ですが、氏清はこれらの戦いを通じて力を持ちすぎたために足利義満の策略により失脚(明徳の乱による戦死)したとのこと。氏清直系の子孫ではありませんが、山名家は後に応仁の乱を起こした山名宗全(やまなそうぜん)が有名ですね。
さて、ゴルフ場に挟まれた中、緩やかな坂を平尾峠に向かって歩いていくと、途中でゴルフ場が一望できるところもあります。
さらに上がっていくとバス停が見えます。平尾峠バス停です。
平尾峠バス停に到着しました。そして左側を見ると市境を表す堺市の文字があります。
富田林行きの近鉄バスの時刻表です。河内松原駅からのバスはごくわずかしかありませんが、南海北野田駅からのバスは1時間に1・2本程度あります。
市の境のようですが、まだ緩やかに登りが続いているので、峠はもう少し先のようです。
富田林から堺市美原区に入ると歩道が消えています。
富田林側を振り返ると、ちょうど水越峠が正面に見えました。
交差点にきましたが、もう少しだけ登りがあるようです。羽曳野丘陵を越えていく平尾峠は緩やかな峠だったようですね。
ちょうどピーク付近には竹林があります。
ここがピーク地点(平尾峠)のようです。この先は明らかに車が下っているのが見えます。
先を見るために反対方向に渡ります。ソーラーの姿が見えます。
反対側に渡ったところです。美原区方面に向かう道は緩やかな下り坂です。あの先のどこかで2回にわたって南朝の楠木親子(正儀・正勝)と山名氏清の軍勢が戦いを繰り広げたのでしょう。今となってはまったく痕跡はありませんが
竹林の前です。元々の平尾峠付近はこのように竹で覆われた丘だったのかなと想像できます。
ということで富田林側に戻りましょう。
戻る途中で、大和葛城山、水越峠、金剛山、そしてPLの塔が見えます。PLの塔や手前の防音柵や電柱は後からできたものですが、山と谷になっている峠は700年ほど前と大きくは変わっていないと考えられます。
北朝の山名氏清が楠木軍との戦いで勝利して、さらに進撃する際に同じような風景を見たのかなと思いながら想像するとなかなか楽しいですね。
堺市側の住所は美原区木材通三丁目です。
富田林との市境まで戻ってきました。堺市側には標識がありますが、富田林側には見当たりません。
堺市の標識をアップしました。富田林街道は現在の名前は大阪府道35号線、堺・富田林線という名前です。
平尾峠のバス停です。今回はバスに乗らずに歩いて降りていきました。
トーマスの幼稚園バスが目の前を通過していきました。
降りる途中にラクダのこぶのような二上山が見えました。
下まで降りて、改めて平尾峠側を見てみました。緩やかな登りでしたが、下から見るとそこそこの高さがありました。
一部を除いて歩道がありバス停もあるので、興味がある方は歴史のある平尾峠を見に行ってはいかがでしょう。
平尾峠
住所:大阪府富田林市新堂
アクセス:近鉄富田林駅からバス平尾峠バス停下車徒歩1分
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