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NY金26日:イエメン情勢緊迫化で大幅続伸、2日以来の高値更新

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

COMEX金4月限 前日比7.80ドル高

始値 1,195.40ドル

高値 1,219.50ドル

安値 1,193.80ドル

終値 1,204.80ドル

イエメン情勢の緊迫化、原油相場の急伸を受けて、大幅続伸となった。3月2日以来の高値を更新している。

イエメンでイスラム系シーア派武装勢力が暫定大統領の拠点を襲撃したことを受けて、サウジアラビアなどが軍事介入に踏み切っている。

暫定政権を支持するスンニ派系の中東諸国が一斉に介入に踏み切った形になり、米軍も後方支援を表明している。しかし、シーア派のイランはこうした状況に強く反発しており、今後の展開次第では中東地区全体が大きな混乱状況に陥る可能性がある。特に原油相場が急伸したインパクトは大きく、金相場はややパニック的な買い圧力に見舞われている。欧州タイム序盤に付けた高値は前日比+22.50ドルの1,219.50ドルに達している。

もっとも、その後は為替市場でドル高圧力が強くなったことを受けて、金相場は上げ幅を削る展開になっている。米新規失業保険申請件数の低下傾向を受けて、改めてドルの底固さが認識されていることが嫌気された。前日比では大幅なプラス状態を維持しているが、高値からは15ドル程度の急反落で引けるなど、荒れた展開になっている。

イエメン情勢の進展状況に注意が必要だが、ここにイランやロシアなどが本格的に介入するような事態にならなければ、地政学的リスクで金相場が急伸するリスクは限定されよう。イスラム国の勢力拡大の影響もあって、「アラブの春」後の政情不安が続いていることが再確認できるが、原油相場の急伸が続くような事態にならなければ、ここから更に大きくリスクプレミアムを織り込む必要性は乏しい。

四半期末を控えて金融市場全体が不安定化し易いが、為替市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)後のドル反落傾向にブレーキが掛かり始めるなど、金相場を取り巻く環境は徐々に悪化している。イエメン情勢の消化が進めば、改めて売られ易い環境とみている。原油相場急伸で金相場の反落時期が先送りされた格好だが、今後は原油相場の沈静化と連動して、FOMC後の戻り圧力を消化し終わる流れとなろう。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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