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サラリーマンなどのランチタイム事情をさぐる(2020年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ ランチタイムは食事をする時間ではあるが、それだけではなく。(写真:アフロ)

男女間では女性の方が長い昼食時間

朝から夕方までの就業時間中、唯一まとまった長さの休みが取れるのが、昼食を食べる時間も含めたランチタイム。その名の通り昼食を食べるのはもちろんだが、ちょっとした休息を楽しむ、気分転換を図るなど、午前中の働きの疲れをいやし、午後からの就業に備えて英気を養う時間でもある。そのランチタイムに、会社員はどのぐらいの時間を費やして食事をしているのだろうか。サラリーマンのこづかい事情を中心に活動様式を探る、新生銀行の定点観測的調査報告書「サラリーマンのお小遣い調査」(※)の最新版から、その実情を確認する。

まずは昼食にかける平均時間。これは純粋に食事をする時間であり、昼食用として企業から用意されている、勤務日のお昼休憩の時間(ランチタイム、お昼休み)を意味しない。

↑ 昼食にかける平均時間(勤務日、分、男女別・年齢階層別)(2020年)
↑ 昼食にかける平均時間(勤務日、分、男女別・年齢階層別)(2020年)

男性は大体20分強。意外なことに年齢による差異がほとんど出ていない。健康療法的意味合いから、年上ほどゆっくりと時間をかけて昼食を取るイメージはあるが、実態としてはそうでもない。

一方女性は男性と比べて7分ほど長く30分近く。これは後述するように、女性が多分に昼食を単なる食物の摂取に留まらず、コミュニケーションの機会としての認識があり、その分長い時間が必要なのだと考えられる。また、食事そのものを味わいたいとの、グルメ志向も強いのだろう。実際、ランチタイムの時間区分のうち、50分超の回答を抽出すると、男性よりも女性の方が多く、全体では3割強を示している。

↑ ランチタイムにかける平均時間(勤務日、50分超の人、男女別・年齢階層別)(2020年)
↑ ランチタイムにかける平均時間(勤務日、50分超の人、男女別・年齢階層別)(2020年)

他方、男性は50分を超えた時間をかけている人は2割足らずで、50代に限っても2割強に留まっている。

ランチタイムの食事以外の過ごし方は

ランチタイムの過ごし方について、食事(を兼ねたコミュニケーションも含む)そのもの以外の行動を、複数回答で尋ねたのが次のグラフ。

↑ ランチタイムの過ごし方(勤務日、ランチタイムを取る人、複数回答、一部、男女別・年齢階層別)(2020年)
↑ ランチタイムの過ごし方(勤務日、ランチタイムを取る人、複数回答、一部、男女別・年齢階層別)(2020年)

男女ともにもっとも多くの人が行っているのは「インターネットの閲覧」。男性は48.9%、女性は55.4%。使用機種は限定していないので、パソコン以外に携帯電話(スマートフォン含む)も含まれるのだろう。お昼休みはスマートフォンでインターネットにアクセスというスタイルは、男女とも共通の過ごし方だと思われる。

変動があるのは第2位以降。まず男性に限ると「仕事の続き・しながら」「昼寝や休息」の順で続いている。他方女性は「インターネットの閲覧」に続き、全体だけでなくすべての年齢階層で「LINEやメール」「同僚とのお喋り」が上位に付く。男性もこれらの行為に時間を割いてはいるが、優先順位は低い。女性はランチタイムを休み時間と割り切り、コミュニケーションに没頭しているのが分かる。

食事そのものですら多分に同僚などと対話を楽しみ、それゆえに男性よりも長い時間となる。食事以外の時間もランチタイムの間はコミュニケーションに没頭する。女性社員はある意味、世渡り上手で時間の切り盛り・割り切りに長けているとも表現できよう。

■関連記事:

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男性一人で女性は同僚と…職場の昼食事情

※サラリーマンのお小遣い調査

直近年分となる2020年分は2020年4月10日から14日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2717人。男女会社員(正社員・契約社員・派遣社員)に加え、男女パート・アルバイト就業者も含む。公開資料では多くを占める会社員は男性1252人・女性841人。年齢階層別構成比は20代から50代まで10歳区切りでほぼ均等割り当て(実社員数をもとにしたウェイトバックはかけられていないので、全体値では社会の実情と比べて偏りを示している場合がある)。未婚・既婚比は男性が40.7対59.3、女性は54.3対45.7。今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではないことに注意。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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