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ヤンキースのエルズベリーが打撃妨害でMLB新記録を樹立

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
打撃妨害獲得数でMLB新記録を樹立したジャコビー・エルズベリー選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 11日のレイズ対ヤンキース戦で、何とも珍しいMLB新記録が生まれた。

 MLB公式サイトでも詳細を報じているが、ヤンキースのジャコビー・エルズベリー選手が4回にスイングしたバットに捕手のミットが接触したため打撃妨害で進塁に成功した。この結果打撃妨害獲得数が通算30に達し、MLB新記録を樹立することになった。

 これまでの記録保持者は、4256安打を放ちMLB通算安打記録を保持するピート・ローズ氏の29だった。ローズ氏の通算打席数は1万5890に対し、エルズベリー選手は今日の試合前までで5306。ローズ氏の約1/3の打席数で記録を更新してしまったのだから、そのハイペースは一目瞭然だろう。

 MLB公式サイトの動画を観てもわかる通り、エルズベリー選手はギリギリまでボールを見極めてスイングしているからこそ、捕手は惑わされて捕球のためミットを出してしまうようだ。2015年7月29日のレンジャーズ戦では2人の捕手から別々に妨害を受けるという珍記録も成し遂げているほどだ。MLBでも史上6人目の出来事だということだ。さらに今回の通算獲得数のみならず、2016年に記録したシーズン打撃妨害獲得数12もMLBトップだ。

 まさにエルズベリー選手は現在のMLBで最も“捕手泣かせ”の打者といえるかもしれない。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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