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NY原油10日:IEAは弱気見通しも、中国株高が下値サポート

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油8月限 前日比0.04ドル安

始値 52.48ドル

高値 53.89ドル

安値 51.96ドル

終値 52.74ドル

国際エネルギー機関(IEA)が弱気の原油価格見通しを示したことが上値を圧迫するも、欧米や中国株高が下値を支え、明確な方向性を打ち出せていない。期近安・期先高と限月間でまちまちに。

IEAは7月月報において、原油価格のボトム確認はまだ先になるとの見通しを示した。従来は2015年後半にもリバランスが終了するとの見通しだったが、石油輸出国機構(OPEC)が急ピッチで増産を進める一方、OPEC非加盟国の生産水準も高止まりする中、なお需給バランスの修正には時間が必要との見方に傾いている。最短でも原油高を容認できる需給環境は16年以降になる見通しであり、需給要因から原油相場を買い進むのは難しいとの見方が支持されている。

本日は中国株の切り返しが原油相場をサポートしたが、ここから本格的に上昇することが難しい状況に変化はない。イラン核協議が最終合意に至るのかはなお不透明感が強いものの、原油相場を押し上げるには断続的なドル安が必要不可欠である。ギリシャ支援で最終合意に至ればユーロ反発(ドル反落)が一時的に原油相場を支援する見通しだが、戻り売り基調には変化がないだろう。なお、原油高を容認できる相場艦況にはなく、逆に原油安で改めてタイトオイルに生産調整を促す必要性の高い相場環境が維持されている。引き続き、改めて50ドル割れを打診する展開を想定している。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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