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「トップリード」、コントだけじゃない!役者×芸人コラボ舞台でも才能発揮!!

中西正男芸能記者
向かって右からボケ担当の「トップリード」新妻悠太とツッコミ担当の和賀勇介

コント日本一決定戦「キングオブコント」で2年連続決勝進出を果たすなど、実力派として知られるお笑いコンビ「トップリード」新妻悠太(にいづま・ゆうた、33)と和賀勇介(わが・ゆうすけ、33)が繰り広げるコントが最大の武器となりますが、昨年は漫才にも挑み「THE MANZAI」では認定漫才師にも選ばれました。さらに、今年は所属する太田プロダクションの芸人と俳優陣がコラボした公演「カケル」もプロデュース。さまざまな“養分”を吸収し、今まさに大きな花が開こうとしています。

新妻「正直な話、同じ事務所とはいえ、芸人と役者さんって、本当に接点がないんですよね。会社が一緒ですから、マネージャーさんも共通していたり、給料日も同じなんですけど(笑)、普段話すこともないので会っても軽くあいさつをするくらい。ただ、うちのマネージャーには『芸人と役者がともに立てるようなステージを作れないものか』という思いがずっとあったそうで、そこでこっちに話がまわってきたんです」

絶対に失敗できない

和賀「読売テレビ『秘密のケンミンSHOW』の中のドラマで東京一郎役をしている水沢駿さんとか、“オチョトレーニング”でダイエットトレーナーとしても活動する進藤学さんとか、全部で9人のメンバーだったんですけど、最初は水沢さんが東京一郎だということも知らなくて…(笑)。そんな風だったんですけど、台本を書く相方は相当プレッシャーを感じてましたよね」

新妻「もともと、お芝居チックなことをやりたいなとは思ってたんです。そんなことをマネージャーにも言ったりしてたので、こっちに話を持ってきてくれたんですけど、プレッシャーは大きかったですね。せっかく事務所を挙げて『架け橋を築こう!!』となった公演で橋が落ちちゃったら完全に逆効果ですからね(笑)。まだ、全然知らない他の事務所の役者さんと一緒にやる方が割り切れるというかスパッと別物としてとらえられたんですけど、あまり知らないけど同じ事務所という微妙な距離感、そして、絶対に失敗するわけにはいかないという重圧。なんとも、大変な役目ではありました…」

和賀「ただ、いったん始まると、やっぱり同じ事務所ですよね。団結するのは早かったです。うまく言うのが難しいんですけど、やりたくないと思っている人が誰もいなかったというか。9人が全員「よし、やってやろう!!」という思いにすぐになってましたね。だからこそ、稽古、本番と力いっぱいやり続けて、公演が終わった後の虚無感、脱力感みたいなものはすごかったですよ。『あ、もう、終わっちゃったんだ…』という」

役者と芸人の違い

新妻「やってみて分かったのは、役者さんは『台本を忠実に再現する』。芸人は『いかに台本を崩すか』。考えてることがまるで違うんです。あと、役者さんは家で台本を覚えてくる。芸人は現場で覚える(笑)。これでもかと違いが浮き彫りになったのがおもしろかったですね」

和賀「少し入り組んだ話になりますけど、役者さんにとって、僕がツッコんで笑いが起こるというのがすごく異質だったようなんです。役者さんは、その舞台、その物語の中にいる人物にいかになりきるかがポイント。だから、そこの“外の世界”を考えないというか、何かトラブルが起こったりした時に、客観的に僕が『あれ、今の、おかしかったんじゃない?』と外からツッコんで起こる笑いというシステムがアタマにないんですよね」

新妻「あくまでも、その世界に生きている登場人物同士のやりとりを演じるのが役者さんですもんね。そこを俯瞰(ふかん)から見ているというのはないんだなと」

和賀「公演の稽古は去年からやってましたし、その前には『THE MANZAI』にも出場して認定漫才師にも選ばれた。すごくボーッとした表現になりますけど、20歳くらいから今まで考えてみて、去年が一番長く感じたんです。ということは、今までで一番充実していたのかなと。今年の年末になった時点で『今年はもっと長かったな』と思えているようにしたいですね」

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相方がハマりすぎて…

新妻「今回の公演、またやりたいと思ってるんですけど、同じことをやってもダメですもんね。次はダンスも取り入れて、ミュージカル的なことをやりたいなとも思っています」

和賀「ま、やるのはいいんだけど、すっかり手ごたえを感じたのか、最近、相方がそっちにハマりすぎちゃって…。せっかく俺たちがやるんだから、中身がお笑いではあってくれよな(笑)」

新妻「いや、ま、そりゃ、当然そうなんですけどね(笑)。あと、今回やったことで、いかに役者さんに華があるのかも思い知りました。今回の公演のテーマは『欠ける』ということだったんですけど“何かが欠けているからこそ、補おうとして生まれるものがある”という部分が肝でもあったんです。だから、逆に、我々に本当に華がないのも、それはそれで意味があるんじゃないかと前向きにとらえております」

和賀「収穫あった、のか…?(笑)」

■トップリード

1982年2月5日生まれの新妻悠太(ボケ担当)と81年6月16日生まれの和賀勇介(ツッコミ担当)のコンビ。太田プロダクション所属。いずれも北海道室蘭市出身で小学校からの幼なじみだった2人がコンビを結成し、2001年にデビュー。「キングオブコント」では2011年、2012年と連続で決勝に進出。「THE MANZAI 2014」では認定漫才師50組に選出される。メ~テレ「めチャぶり!」などに出演中。読売テレビ「秘密のケンミンSHOW」内の「連続転勤ドラマ 辞令は突然に…」で東京一郎役としてお馴染の水沢駿、“オチョトレーニング”で知られダイエットトレーナーとしても活動する進藤学ら、太田プロ所属の俳優陣とコラボした公演「カケル」を1月に東京・笹塚ファクトリーで上演し、高評価を得る。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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