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NHKが紹介したTemuやSHEINが満たしていない「安全基準」の正体とは? #専門家のまとめ

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
(写真:當舎慎悟/アフロ)

 NHKが8月26日放送の『おはよう日本』にて、中国発の越境EC『Temu(テム)』と『SHEIN(シーイン)』が人気だと放送したことがSNSを中心に大きく話題となりました。

 「番組やホームページで特定の商品を宣伝することはありません」と主張するNHKが取り上げたこと、そして番組の最後で「安全基準や品質に問題がある」と紹介しつつも、全体的に好意的だと言える内容だったことが注目されている理由のようです。

 この記事では、NHKが「安全基準を満たしていない」としか国民に伝えなかった「安全基準」の正体についてまとめています。

ココがポイント

▼4月26日。Temu、AliExpressの子ども用サンダルや靴用アクセサリーから基準値の最大348倍超の有害・発がん性物質が検出。

中国AliExpress・ Temuで販売中のキッズ用品から「基準値348倍超」の発がん性物質を検出 ソウル市調査(Chosun online 朝鮮日報)

▼5月17日。基準値の8000倍を越えるカドミウムの検出などを受け、認証マークがない商品の中国ECからの個人輸入を韓国が禁止

靴から基準値8000倍の発がん性物質…中国個人輸入の取り締まり強化に動いた韓国政府(中央日報)

▼8月14日。Temu、SHEIN、AliExpressで販売されている女性用靴から最大で数百倍上回る有害物質や発がん性物質が検出

中国のSHEINやTemuの製品から基準値超える有害物質 韓国ソウル市 写真2枚 国際ニュース(AFPBB News)

▼8月28日。TemuとAliExpressで販売されている子供用自転車16点のうち、8点から発がんリスクのある有害物質が検出

子供用自転車から“発がんリスクの有害物質”中国系サイト販売 韓国当局発表(日テレNEWS NNN)

エキスパートの補足・見解

 TemuやSHEIN、AliExpressを紹介してはいけないというわけではありません。筆者もAliExpressでスマートフォンやガジェットをよく購入しています。

 しかし、放送前も放送後も有害物質の問題が報じられているわけですから、そのことは絶対に伝えるべきです。

 とくにNHKの主な視聴者層は60代以上の高齢者なのですから、ITリテラシーが高いとは決して言えません。「安全基準や品質に問題がある」などと軽く紹介するのではなく、「発がん性物質や有害物質が検出されている」ときちんと伝えなければその危険性は分かって貰えません。

 少なくともいまの状況では子供が使うもの、身につけるものの購入は信頼できるメーカー以外からは購入しない方が良いと言えます。「安かろう悪かろう」はよく言われる言葉ですが、あまりにも安すぎる商品には警戒が必要です。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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