「思い出すと地獄」北朝鮮 ”中学生処刑” の残酷場面
韓国の全国紙・朝鮮日報系のTV朝鮮は7月11日、韓流ドラマなどを見た北朝鮮の中学生30余人が公開処刑されたと報じて韓国社会などに衝撃を与えた。ただ、この報道は具体性が乏しく、続報も出ていないため、真偽のほどは見極めが難しい。
一方、北朝鮮で実際に中学生が処刑されるのを見たとする証言が、最近脱北した男性から出ている。
証言したのは、昨年5月に木造船に乗って脱北したキム・イルヒョクさんだ。彼が北朝鮮で目的した公開処刑は少なくとも10回以上に及ぶ。キムさんは、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に応じ、その時の体験を語っている。
北朝鮮では17歳から成人扱いとなるが、キムさんはそれより若い中学生が、韓流動画の流通に加担した容疑で公開処刑されたのを目撃したという。
(参考記事:北朝鮮の15歳少女「見せしめ強制体験」の生々しい場面)
キムさん:(死刑囚の中には)若者もいます。17歳から大人なので、それ以上の人が多いですが、まれに中学生を処刑することもあります。一度見たことがありますが、トラウマになっていると言っても過言ではありません。死刑執行場所を通りかかるたびに、そのことが思い出されました。(死刑囚は口を猿ぐつわで)塞がれていたので、何も言えずに死んでいきました。それを思い出すと地獄のようです。とても胸が痛みました。
果たして、「流通に加担した」とはどういうことだろうか。
北朝鮮では、韓流ドラマなどを単純に見ただけでは、ここまで厳しい罰は受けない。その一方、コンテンツの記録されたファイルなどを密売する行為ははるかに重大な罪と見なされる。それでも、そうした商売を行う人が絶えないのは、それだけ儲かるからだ。違法薬物の密売と似たようなものである。
しかし通常、それは大人たちがやることだ。おカネをもらって動画ファイルを共有するぐらいのことは中学生にもできるだろうが、数十人や数百人の不特定多数に売っていたとは思えない。
(参考記事:「見てはいけない」ボロボロにされた女子大生に北朝鮮国民も衝撃)
また、このケースでは「流通に加担した」となっているから、補助的な役割に過ぎなかった可能性がある。
たったそれだけのことで極刑を下されるとは、これまで数多くの例を聞いてきた身としても、きわめて衝撃的だ。