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この球団の「2024年問題」は深刻なのか。マイコラスら先発投手4人が今秋にFA

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイルズ・マイコラス(セントルイス・カーディナルス)Jul 16, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 セントルイス・カーディナルスのローテーションは、ほぼ確定している。開幕までに故障者が出なければ、順序はさておき、アダム・ウェインライトマイルズ・マイコラスジョーダン・モンゴメリージャック・フラハティスティーブン・マッツの5人が並ぶだろう。彼らに次ぐ候補には、ダコタ・ハドソンがいる。

 ただ、来年のローテーションは見通せない。昨年10月に1年1750万ドルの延長契約を交わしたウェインライトは、今年限りで引退しそうな気配だ。この夏、ウェインライトは42歳の誕生日を迎える。マイコラスは、今年が4年6800万ドルの契約最終年だ。この契約にオプション・イヤーはついていない。彼らに加え、モンゴメリーとフラハティも、2023年のシーズン終了後にFAとなる。どちらも、現時点のサービス・タイムは5年を超えている。FAまで1年未満だ。

 セントルイス・ポスト-ディスパッチのデリック・グールドによると、今春、カーディナルスは、少なくとも2人の先発投手と長期契約について話し合うつもりでいるという。

 例えば、マイコラス、モンゴメリー、フラハティの3人中2人を引き留めることができた場合、マッツとハドソンとともにローテーションの4枠は埋まり、残る1枠は若手、例えば、マシュー・リベラトーリという青写真を描くことができる。リベラトーリは、2018年のドラフト全体16位だ。3年前のトレードでタンパベイ・レイズからカーディナルスへ移り、昨年、メジャーデビューした。

 もし、誰の延長契約も成立しなくても、そう懸念することはないのかもしれない。今秋にFAとなるカーディナルスの野手は、ほぼ皆無だ。ポール・デヨングは6年2600万ドルの契約が満了するが、この契約には2年分の球団オプションがついている。カーディナルスがオプションを行使すれば、カーディナルスからFA市場に出る野手は、基本的にいなくなる。しかも、デヨングは不可欠な選手ではなくなりつつある。二塁と遊撃には、ブレンダン・ドノバントミー・エドマンがいる。

 予算と若手の人材を、投手の補強に費やせるということだ。

 この観点からすると、今オフの動きが効いてくる。カーディナルスは、引退したヤディアー・モリーナの後任として、シカゴ・カブスからFAになったウィルソン・コントレラスを5年8750万ドルで迎え入れた。

 なお、捕手がモリーナからコントレラスに代わっても、マイナスになるとは限らず、プラスにもなり得る。デフェンスディフェンスはモリーナが上でも、オフェンスはコントレラスが勝る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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