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大掃除で発見!モバイルバッテリーや古い家電の正しい捨て方

TOUYA化学系研究者

 年末の大掃除で、不要になったモバイルバッテリーやデジタルカメラ、ゲーム機などが見つかることはありませんか?これらの多くには、小型充電式電池(リチウムイオン電池、ニカド電池、ニッケル水素電池)が使用されています。この電池は、便利な一方で、取り扱いを誤ると発熱や発火する危険性があります。特に、適切に処分されず一般ごみに混入した場合、ゴミ収集車や廃棄物処理施設で火災が発生する事例が全国で報告されています。今回は、小型充電式電池や小型家電の安全で適切な処分方法について詳しく解説します。

小型充電式電池の正しい処分方法

 小型充電式電池(モバイルバッテリー含む)は、ニッケル(Ni)、カドミウム(Cd)、コバルト(Co)など希少な資源が使われていることから、メーカーや輸入販売事業者が自主的に回収・リサイクルを行うことが義務づけられており、通常の集積場所に出すことはできません。

一般社団法人JBRCが主体となり、家電量販店、自転車販売店、ホームセンターなどに設置された黄色い回収缶(小型充電式電池リサイクルボックス)を通じて回収活動を実施しています。黄色い回収缶は、各区の総合庁舎や収集事務所、一部の区民利用施設、市庁舎などにも設置されています。

産廃排出協力店検索

 JBRCには約350の電池メーカー、機器メーカー、輸入事業者が会員として参加しており、その回収および再資源化にかかる費用は、会員企業が負担しています。そのため、JBRC会員以外の小型充電式電池は回収対象外です。

適切に回収してもらうためにも、電化製品は信頼できる企業の製品を選ぶことが大切です。電池の端子部が露出していると、接触による発火の危険があります。ボックスに入れる前に必ずビニールテープで覆いましょう!

小型家電はリサイクルへ!

 携帯電話やスマートフォン、ゲーム機、電卓など、小型家電に分類される電子機器には、金、銀、銅、レアメタルなどの貴重な金属が含まれているため、「小型家電リサイクル法」に基づき、リサイクルが推奨されています。

自治体や家電量販店、商業施設などが設置する専用の回収ボックスを通じて、小型家電を収集しています。自治体によっては、バッテリーが取り外せない小型家電も回収できる場合があるので、各自治体のWebページで確認してください。

対象の小型家電

 小型家電リサイクル法で対象となる製品は、家電リサイクル法の対象品目「エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機」以外のほとんどの小型家電が対象です。家電リサイクル法では、消費者が使用済み製品を小売店に引き渡し、リサイクル料金を支払う義務がありますが、小型家電リサイクル法では、自治体や認定事業者が自主的に回収を行う仕組みとなっており、消費者が費用を負担する必要はありません。しかし、小型家電リサイクル法や回収ボックスの存在を知らないなどの理由で、ほとんどが廃棄物として処理されているのが現状です。

消費者の協力が鍵

 使わなくなった小型家電は、自治体の回収ボックスに出すことで資源の有効利用に貢献できます。ボックスの設置場所はスーパーや公共施設が代表的ですが、自治体によって異なるためWebページで確認し、回収率向上に協力しましょう!宅配回収を利用する場合は、無許可の業者は利用せず、自治体と連携している回収業者を選びましょう。

リサイクル以外の処分方法

 「自治体がリサイクルを実施していない」「回収ボックスが近くにない」など、リサイクルに出せない場合は、自治体によって処分方法が異なりますので、Webページで確認ください。(パソコンは資源有効利用促進法により、メーカーによる回収とリサイクルが義務付けられているため、集積場所に出すことはできません。)

まとめ:年末の大掃除で見つかる不要な家電やモバイルバッテリー、正しく処分していますか?

 リチウム電池や小型家電は、正しく処分することで安全性を確保し、貴重な資源を再利用できます。今年の年末は、ただの大掃除ではなく、環境保全や資源活用を意識したサステナブルな取り組みを始めてみませんか?正しい処分方法を実践することで、気持ちの良い新年を迎えましょう!


化学系研究者

東京工業大学大学院の修士課程を卒業後、化学メーカーの医学系研究者として従事。研究成果がメディアに取り上げられた経験有り。科学やAIを活用したお役立ち情報を書いていきます!

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