Yahoo!ニュース

低気圧が急発達へ、今季初の冬を思わせる大荒れに警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
風と雨の予想(ウェザーマップ)

低気圧が急発達し、寒気が南下へ

予想天気図(ウェザーマップ)
予想天気図(ウェザーマップ)

記録的に暑かった夏に加え、9月も顕著な高温傾向が続きました。ところが季節は確実に進んでいて、10月に入るとともに太平洋高気圧は南に退き、北からは寒気が南下しようとしています。

上図はあす5日(木)午後9時の予想天気図で、北日本方面を低気圧が急速に発達しながら通過し、その後面から平年より5度前後低い寒気が列島に南下してくる予想です。低気圧はタイトル画像にあるように、あさって6日(金)にかけて北海道の東でさらに発達するため、北日本は暴風の吹き荒れる所が多くなり、まさに今季初の冬を思わせる大荒れの天気となりそうです。

暴風警報級のおそれ

暴風警報級の可能性(ウェザーマップ)
暴風警報級の可能性(ウェザーマップ)

上図は気象庁から発表されている暴風警報級の可能性です。秋田県や北海道の渡島半島を中心に、北日本の広範囲(新潟県も)で、暴風警報が発表されるおそれがあります。

あす5日(木)からあさって6日(金)にかけて予想される最大瞬間風速は30メートルから35メートルとなっていて、特に北海道は6日(金)に40メートルに達する所もある予想です。暴風や高波に伴う災害に警戒が必要です。(北海道の気象情報東北の気象情報

大雨警報級のおそれ

大雨警報級の可能性(ウェザーマップ)
大雨警報級の可能性(ウェザーマップ)

低気圧が発達しながら通過し、その後は西高東低の冬型に伴う雨が降り続くため、青森県から山形県にかけて、大雨警報が発表されるおそれが高くなっています。

150ミリ以上の大雨も

48時間の予想降水量(ウェザーマップ)
48時間の予想降水量(ウェザーマップ)

コンピュータの計算では、新潟県から東北にかけての日本海側と北海道で広く50ミリから100ミリ程度の降水量が予想され、局地的には紫色の150ミリ以上の大雨も予想されています。大気の状態も不安定で、発雷確率もかなり高くなっていますので、土砂災害などに警戒するとともに、落雷や突風などにも十分な注意が必要です。

高い山は吹雪のおそれも

酸ヶ湯の予報(ウェザーマップ)
酸ヶ湯の予報(ウェザーマップ)

上図は青森県酸ヶ湯の時系列予報です。あす5日(木)からあさって6日(金)にかけて雨が降り続き、西寄りの風も強まるでしょう。そして寒気の入る時間帯には、気温が5度近くまで下がる予想です。

酸ヶ湯の標高は約900メートルで気温が5度くらいまで下がりますので、標高1500メートル付近では3度以下で雪が交じり、標高2000メートル付近では氷点下で、積もる雪となるでしょう。北日本の高い山では、吹雪となるような所もありそうですから、急速にやってくる冬の荒天に十分な注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事