NY原油9日:原油在庫減少で一時反発も、戻り売りで続落
NYMEX原油1月限 前日比0.35ドル安
始値 37.51ドル
高値 38.99ドル
安値 36.87ドル
終値 37.16ドル
引き続き需給緩和に対する警戒感が強く、続落した。
アジア・欧州タイムは38ドル水準で揉み合う展開になったが、ニューヨークタイム入り後は38.99ドルまで急伸した。米エネルギー情報局(EIA)発表の原油在庫(12月4日時点)が前週比-350万バレルの4億8,590万バレルと減少したことを受けて、買い戻しが膨らんだ模様。ただ、こうした上昇圧力は一時的なものに留まり、その後は再びマイナス圏に沈んでいる。
米原油在庫の市場予測は前週比+130万バレルとなっていたため、今回の減少発表にはやや意外感を抱いた向きが多かった模様。製油所向け原油需要が着実に増加する中、季節要因から在庫の取り崩しが促されている。もっとも、暖冬の影響でヒーティングオイル需要の伸び悩みが予測されること、原油在庫そのものも前年同期を1億バレル以上も上回った過剰状態にある中、今回の在庫取り崩しのみで買い上がることは躊躇している向きが多い。
石油輸出国機構(OPEC)総会前後の急落を受けて自立反発的な動きが警戒されるが、10日のOPEC月報、そして11日の国際エネルギー機関(IEA)月報では改めて需給緩和リスクが警告される可能性が高く、原油相場の戻り余地は限定されている。
原油安に政策的な対応を望めない以上、更に原油安を進めて協調減産を促すか、高コストのタイトオイルに減産を迫ることが要求される。国際原油需給の緩和見通しを修正するのが困難な状況が続く中、原油相場はなお下値不安の大きい相場展開が続き易い。目先は、季節要因から在庫積み増し傾向にブレーキが掛かった際に、どの程度の反発力が見られるのかが注目される程度である。