うるま市女性暴行殺害―「日米地位協定こそ犯罪の温床」見直さない安倍政権にも批判
沖縄県うるま市の20歳の女性会社員が、嘉手納基地で働く米軍属で、元海兵隊員であるシンザト・ケネフ・フランクリン容疑者に、暴行・殺害されたとみられる事件で、25日、首相官邸前では、約400人の人々が集まり抗議を行った。市民団体「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」の呼びかけによるもので、発言者からは、在日米軍のみならず、日米地位協定の見直さないなど、米軍基地問題への安倍政権への対応にも、厳しい意見が相次いだ。
抗議集会では、米軍の新基地が建設中の沖縄県・辺野古から、現地で反対運動を行っている山城博治さん(沖縄平和運動センター)が、電話を通じてスピーチ。「米軍による事件が起きる度に『綱紀粛正』が約束されるが、約束は破られ続けた。『綱紀粛正』ではなく、基地を無くさなくてはいけない」と訴えた。女性団体「I女性会議」の池田万佐代さんもマイクを握り、「日米地位協定を一言一句変えようとしない、指一本触れようとしない」と自民党のこの間の対応を批判した。日米地位協定は在日米軍及び米軍属に様々な特権を与えているため、米軍による刑事事件捜査の壁となっていると指摘され続けているが、安倍首相が来日中のオバマ米大統領と会談した際も、運用改善は議論したものの、地位協定見直し自体については言及されなかった。
安保法制に反対する「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の菱山南帆子さんも「日米地位協定こそ犯罪の温床」と批判した。さらに今回の事件について、安倍政権閣僚から「オバマ米大統領訪日前にタイミングが悪い」との発言があったと報道されている件について、「許せない。人の命をなんだと思っているのでしょうか?命を大事にしない安倍政権には、『命どぅ宝』(沖縄方言で「命こそ宝」の意)を持って立ち向かないといけません」と呼びかけた。
集会には、福島みずほ参議院議員(社民)も駆けつけ、「党として、米国大使館に抗議していくが、もう抗議が必要ない状況にしなくてはいけない。米軍基地と女性の人権は両立しない」と、沖縄の米軍基地問題への抜本的な対応が必要との見解を示した。
うるま市での事件については、本日26日17時半より、参議院議員会館の講堂で、「女たちは怒っている!緊急集会 」が行われるなど、今後も安倍政権の対応に批判が高まりそうだ。
(了)