柔軟剤は逆効果!?8割の人が間違えている「臭う服のお手入れ」3選
洗濯研究家の平島 利恵です。
洋服の臭いが気になるとき、みなさんはどうお手入れしますか?
消臭スプレーで済ませたり、柔軟剤を増やして香りづけをしていると、更に服を臭くする原因になってしまうこともあります。
今回は多くの方が間違えがちな、臭う服のお手入れ法を解説します。
「服の臭い」には原因があるので、原因を取り除いて、リセットしましょう!
服が臭う原因は?
服が臭うの原因は大きく4つあります。
「臭い」と「汚れ」は別モノのように捉えられがちですが、臭いは目に見えない汚れなんです。汚れがつくことで、服が臭うようになります。
1.皮脂・汗汚れが酸化している
身体から出る汗・皮脂などの汚れを洗濯で落とし切れず、蓄積した汚れが時間の経過により酸化し、黄ばみ・ニオイを発生させることがあります。
2.濡れた状態で雑菌が繁殖している
洗濯前後に、濡れた状態が長時間続くと、衣類に残った雑菌が繁殖し、生乾き臭の嫌なニオイを発生させることがあります。
3.洗濯槽の雑菌・カビが服に移る
洗濯槽で繁殖したカビ・雑菌が、洗濯のたびに衣類に付着し、臭いを発生させることがあります。
4.タバコ・焼肉・部屋などの臭いが移る
外からの影響で、服にニオイが染み込むこともあります。
臭う服の間違ったお手入れ1「柔軟剤の量を増やす」
服が臭い時、まず柔軟剤を使う方も多いと思います。実際、「柔軟剤を使っているのにまだ臭うんです」というご相談も多くいただきます。
消臭・殺菌を売りにした柔軟剤もありますが、洗剤をシャンプーに例えると、柔軟剤はコンディショナーの役割です。
コンディショナーで頭皮の臭いを落とせないように、柔軟剤も服の臭いの元(=汚れ)を落とすことはできません。
臭いを落とすのは「洗剤」
臭いの元である汚れを落とすのは、洗剤の役割です。
柔軟剤は汚れを落とした後の衣類ケアとして使いましょう。
【注意】柔軟剤が臭い・黒ずみの原因になることも
柔軟剤は、繊維をコーティングすることで、柔らかな肌触りに仕上げます。
そのため、汚れ・雑菌が残った衣類に使うと、汚れごとコーティングし、黒ずみの原因に。また柔軟剤を入れすぎると、余剰成分が雑菌のエサとなり、生乾き臭の原因にもなります。
柔軟剤は最後のすすぎの水と一緒に投入されるので、必ずすすぎ2回以上に設定して使用しましょう。
臭う服の間違ったお手入れ2「消臭スプレーで済ます」
消臭スプレーの多用には注意しましょう。
臭いが気になった時、洗濯をすれば汚れはリセットされますが、消臭スプレーで一時的に消臭すると、汚れは残ったまま蓄積されます。汚れたまま使い続けることで、どんどん汚れが蓄積し、不衛生な状態に。
デオドラントスプレーで身体の汚れが落ちないように、消臭スプレーも洗濯の代わりにはなりません。
あくまで一時的な消臭・殺菌のために使用し、臭い(=汚れ)は洗濯で落としましょう。
スーツの臭い対策にはスチームアイロン
中々洗濯出来ないスーツなどは、高温のスチームアイロンで殺菌すると臭いを抑えるのに効果的です。
着用後やアイロン後は、風通しの良い場所で陰干ししましょう。
臭う服の間違ったお手入れ3「ドライクリーニングに出す」
クリーニングには「ドライクリーニング」「ウェットクリーニング」「ランドリー」の3種類があります。
ドライクリーニングは、石油系の有機溶剤を使って衣類を洗うため、口紅・油性ペンなどの油性汚れに強い反面、臭いの元となる汗・皮脂などの汚れには弱いという特徴があります。
臭いが気になる服をクリーニングに出すときは、デリケートな素材であれば「ウェットクリーニング」、Yシャツなどの耐久性のある衣類であれば高温洗浄できる「ランドリー」がおすすめです。
クリーニング店では「汗・臭いを落としたい」など要望を伝えると、より最適な手入れができるので、相談してみましょう!
これから暖かくなり、服の臭いが気になる季節になります。
「臭いは汚れ」という意識で、正しくお手入れしましょう。もちろん、洗濯槽の掃除も忘れずに!
もっと詳しく知りたい方は、動画もご覧ください。