『天気の子』に“日本不買運動”が与える影響とは…韓国公開日が決まり賛否両論
日本で大ヒット上映中の映画『天気の子』が韓国でも公開される。
韓国での公開日は、日本から遅れること3カ月余りの10月30日。複数の韓国メディアが「来月30日、国内公開決定」と報じている。
そもそも韓国で『天気の子』の注目度は小さくない。作品というよりは、新海誠監督への期待が高いといったほうが適切かもしれない。
というのも、2017年1月に韓国で公開された前作『君の名は。』は異例のヒットを記録したのだ。
前作『君の名は。』は“アンコール上映”まで!
韓国で『君の名は。』は、370万人以上を動員し、日本映画の最高記録を樹立。『前前前世』など主題歌を歌ったRADWIMPSの音楽が収録されたオリジナル・サウンドトラックも、大手書店や音楽サイトで売上ランキング1位を記録し、『小説 君の名は。』『君の名は。Another Side:Earthbound』など関連書籍もオンライン書店で売上ランキング1位を記録したほどだった。
さらに2018年1月には韓国公開1周年を記念して、“アンコール上映”までされている。日本映画が韓国で注目を集めることはそれほど多いわけではなく、アンコール上映までされた作品となれば、その数はさらに絞られてくる。その1つが『君の名は。』なのだ。
(参考記事:“アンコール上映”まで!? 韓国人が愛してやまない日本映画ベスト7)
そんな『君の名は。』を手掛けた新海誠監督の新作ということで『天気の子』は期待されているわけだが、注目される理由は他にもある。
韓国で7月から始まった“日本不買運動”の影響だ。
実はもともと『天気の子』は、10月初旬に韓国で公開される予定だった。しかし韓国内で、日本製品や日本コンテンツを避ける傾向が広がりながら、予定がずれ込んだという。
配球会社であるメディアキャッスルは、10月30日の公開を伝える際、「当初の計画より1カ月ほど遅れた」としながら、「年内の公開が社会的雰囲気に合わないという懸念を持った方々にも頭を下げて申し訳ないと伝える」と明かした。
ビールなど身近な商品を対象に7月から始まった日本不買運動は、日本旅行ボイコットなどへと拡大し、現在は「文化コンテンツ業界も敏感に受け止めている」(メディアキャッスル)という。その余波を『天気の子』が受けないとも限らないため、配給会社も慎重な判断を下したというわけだ。
“日本不買運動”の影響でコナン、ドラえもんが…
実際に“日本不買運動”の影響からか、日本映画は現在、韓国で興行的に不調に終わったり、公開を延期したりしている。
韓国でも知名度の高いコナンの映画『名探偵コナン:紺青の拳』(7月24日公開)も、20万人の観客動員数とふるわなかった。また『ドラえもん のび太の月面探査記』は、公開が延期された。
そのため『天気の子』の公開についても、さまざまな意見が出ている。
ネット上には「観る人は観るし、観たくない人は観なければいい」「観るかどうかは客が決めること」「親日売国オタクだけが観るだろう」「もうちょっと考えるべき」と、賛否両論だった。
いずれにしても『天気の子』が『君の名は。』に続いて韓国で成功するかどうかは、10月30日の公開後に判明するだろう。
「私たちはただ、新海誠監督の新しい世界が描かれた映画『天気の子』が青春を労わり、観客に忘れられない感動を届けたいという制作者本来の心が伝わればと願っている」
そんな配給会社の願いが届けばと思うが、はたして。