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どうなる日本代表? 指揮官腹心が展望。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
新ジャージィ発表会見の様子(写真:松尾/アフロスポーツ)

 ワールドカップフランス大会を今秋に控えるラグビー日本代表は7月3日、宮崎合宿をスタートさせた。この夏は下記日程で5試合を実施。実戦経験を積む。

JAPAN XV(ジャパン・フィフティーン)vs All Blacks XV(オールブラックス・フィフティーン) 2023年7月8日(土)17:00キックオフ  東京・秩父宮ラグビー場

日本代表vs All Blacks XV(オールブラックス・フィフティーン) 2023年7月15日(土)18:05キックオフ  熊本・えがお健康スタジアム

日本代表vsサモア代表<パシフィックネーションズシリーズ> 2023年7月22日(土)14:50キックオフ  北海道・札幌ドーム

日本代表vsトンガ代表<パシフィックネーションズシリーズ> 2023年7月29日(土)19:30キックオフ 大阪・東大阪市花園ラグビー場

日本代表vsフィジー代表<パシフィックネーションズシリーズ> 2023年8月5日(土)19:15キックオフ 東京・秩父宮ラグビー場

 6月中旬からの約3週間は、浦安でキャンプをおこなっていた。全日程を予定より1日、早い29日に打ち上げた。

 ジェイミー・ジョセフヘッドコーチと親交が深い藤井雄一郎ナショナルチームディレクターが総括。今後の展望も交えて語った。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——浦安合宿を振り返って。

「初日からかなり厳しいトレーニング。怪我人も出ましたが、最初の合宿ではだいたい、けが人がちょろちょろ出る。色んな選手も(故障から)戻ってきましたし、よかったのではないかと」

——解散を1日早めたのは。

「ちょっとリフレッシュをさせたい。もう1回、リセットしてゲームに向けていこうと」

——ジョン・ドネヒュー氏のタックルセッションなどでフィジカリティが強化された。

「アタック・ディフェンスをやっていても、その成果が出ている場面が多くみられる。この疲れが取れてきたら、いい試合ができるのではと。

 僕も長いこと(ラグビーを)見ていますけど、(ドネヒューの練習は)かなり過酷。あの練習をすべてこなした選手とそうでない選手では、グラウンド上のパフォーマンスが違っている。あれを乗り越えた選手は、結構、成長しているのではないかと思います」

——ラグビーの面で注力したことは。

「コリジョン(衝突)のところ。リーグワンのレベルからもう一段、上げるのを目標にした。成果が出ているのでは。

(防御では)スクエアに立てて、相手を押し込めて、ミスタックルを減らして、2人では入れている。これからはレッドカード、イエローカードが出たらどうなるかという細かい部分に入っていく。

 オールブラックス・フィフティーンは、スーパーラグビーを経験した選手がたくさんいる。その試合で(日本代表の成長度合いが)わかるのかなと」

——目立った選手は。

「個人を挙げるのは難しい。身体も痛かったと思いますが、皆、頑張ったのではないかと」

——既存のレギュラー組に割って入る初選出選手は。

「たくさんいると思います。見てもらったらわかる」

——練習公開は1回あたり30分でしたが。

「わからないように、見せているから」

——7月からは宮崎を拠点とし、試合期に突入する。

「土台はしっかりできた。ここに戦術、戦略を組み込む。ピッチに立つ15人が体現できるようコーチングしていく。

 ゲームウィークに入る。1戦目の前はあまり(練習強度、負荷を)落とさないかもしれないですが、2戦目はワールドカップと同じ形で入っていきたい。

 2戦目くらいからは、メンバーは、変わっていく」

——合宿参加メンバーは。

「少しの選手が離れ、チームを小さくする。(何名かは)5~6名は離れるのでは。

 ポジションによって、怪我上がりの選手がいるところは(人数を)厚くする。そういうところは、(候補選手を)残しています」

 ちなみに主将は不明だ。

 昨年は坂手淳史が務めたが、浦安合宿初日のジョセフは「いま決めるのは難しい。リーダーにふさわしい選手がたくさんいる。キャンプ2、3(週目)くらいには判断できると思います」としているが、6月中の発表はなかった。

 藤井はその件でも答えた。総じて、やり取りの妙で記者団の笑いを誘った。

——主将は。

「試合を重ね、正式に発表できるようになったら発表する」

——7月から試合ごとにゲーム主将を発表するのか。

「そうですね。(それぞれの試合で)メンバーがどうなるかによって、主将が出ていれば(その人が)ゲーム主将になるし、出ていなければ(別な)ゲーム主将と」

——いつ発表するのか。

「そろそろ」

——主将となる選手自身は就任打診を受けているのか。

「そうなると思います」

——チーム内にはアナウンスしているのか。

「…もうその辺にしてください」

 少なくとも仲間内では、新たな船頭役が誰なのかはわかっている見込み。リリースが待たれる。

——共同主将の可能性は。

「それもあると思います」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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