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ガソリン価格は7週連続の値下がり、行楽シーズンに優しい価格

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

資源エネルギー庁の「石油製品価格調査」によると、8月24日時点でのレギュラーガソリン全国平均価格は、1リットル当たりで前週比-1.5円の136.7円となった。7月6日の145.2円をピークに、7週連続の値下がりになる。47都道府県の全てが前週比で値下がりとなり、2月16日以来の安値を更新している。今年の最安値は2月9日の133.5円であり、ガソリン価格は新たな安値局面に突入するのが目前の状況になっている。

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背景にあるのは、原油調達コストが急激に値下がりしていることである。NY原油先物相場は、3月17日の1バレル=42.63ドルをボトムに5月6日には62.58ドルまで、46.8%もの急反発になっていた。昨年後半以降の急激な原油安を受けて、米国のシェールオイルの生産鈍化見通しが強まる中、原油相場の底打ち論が強まった結果である。

ただ、その後も石油輸出国機構(OPEC)が増産ペースを加速する一方、中国を筆頭に世界経済の減速懸念が強まる中、7月以降の原油相場は急落している。8月24日時点では37.75ドルまで値下がりしており、ガソリン精製の原料となる原油調達コストの値下がりは決定的になった。

しかも、為替市場では円安傾向にブレーキが掛かり、日本の原油調達コストは海外原油の値下がり以上に大きくなっている。東京商品取引所(TOCOM)に上場されているドバイ原油先物(期近物)の場合だと、5~6月は1リットル換算=47~50円水準だったのが、8月24日時点では37円まで、高値から10円以上の値下がりになっている。

なお国際原油需給が緩和状態にあることを考慮すれば、海外原油相場は上値の重い展開が続き易く、国内ガソリン価格は130円台前半に突入する可能性が高い。お盆休みのガソリン価格は5年ぶりの安値になったが、秋の行楽シーズンも家計に優しいガソリン価格が実現しそうな情勢になっている。

マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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