大混戦ムードのジャパンカップ!7人の外国人騎手の競演など、今年のみどころ
史上初、日本馬だけのジャパンカップ
今年で第39回を迎えるジャパンカップ。今年はなんと史上初、外国馬が不参加で日本馬だけで争うレースとなった。このところ外国馬の参戦は減少傾向にあったとはいえ、0頭というのはさすがに寂しい。
外国馬の不参加には2週間後の香港国際競走と比較し香港を選ぶ陣営が多いこと、日本ではゲートボーイが認められない等のルールの違い、検疫の複雑さなど、思いあたる理由が数多いのも事実。2020年は再び数多くの外国馬が来日し、華やかなレースになることを期待したい。
11月24日午後3時40分発走の第39回ジャパンカップ(GI)の出走馬、騎手は下記のとおり。ワグネリアン、レイデオロ、マカヒキの3頭のダービー馬が顔をあわせるも、フルゲート18頭に満たないメンバーとなった。
1枠1番 カレンブーケドール/津村明秀騎手(牝3、国枝栄厩舎)
2枠2番 ワグネリアン/川田将雅騎手(牡4、友道康夫厩舎)
2枠3番 ウインテンダネス/田辺裕信騎手(牡6、杉山晴紀厩舎)
3枠4番 ムイトオブリガード/クリストフ・ルメール騎手(牡5、角田晃一厩舎)
3枠5番 スワーヴリチャード/オイシン・マーフィー騎手(牡5、庄野靖志厩舎)
4枠6番 ユーキャンスマイル/岩田康誠騎手(牡4、友道康夫厩舎)
4枠7番 ダイワキャグニー/石橋脩騎手(牡5、菊沢隆徳厩舎)
5枠8番 レイデオロ/ウイリアム・ビュイック騎手(牡5、藤沢和雄厩舎)
5枠9番 ルックトゥワイス/ランフランコ・デットーリ騎手(牡6、藤原英昭厩舎)
6枠10番 ダンビュライト/松若風馬騎手(牡5、音無秀孝厩舎)
6枠11番 シュヴァルグラン/クリストフ・スミヨン騎手(牡7、友道康夫厩舎)
7枠12番 タイセイトレイル/ミルコ・デムーロ騎手(牡4、矢作芳人厩舎)
7枠13番 エタリオウ/横山典弘騎手(牡4、友道康夫厩舎)
8枠14番 マカヒキ/武豊騎手(牡6、友道康夫厩舎)
8枠15番 ジナンボー/ライアン・ムーア騎手(牡4、堀宣行厩舎)
昨年は3歳牝馬が優勝!今年の該当馬は昨年覇者の僚馬カレンブーケドール
昨年の優勝馬は当時3歳の牝馬・アーモンドアイだった。古馬の牡馬は斤量57キロに対し、3歳牝馬は53キロ。過去のジャパンカップでの3歳牝馬の成績を見ると、2012年に優勝したジェンティルドンナ、2013年2着のデニムアンドルビー、2009年3着のレッドディザイアなど好走が目立つ。
また、牡馬より2キロ斤量の軽い牝馬の活躍も目立ち、2009年優勝のウオッカ、2010年2着(1着降着)と2011年優勝のブエナビスタ、2012年と2013年を続けて制したジェンティルドンナ、2015年優勝のショウナンパンドラ、そして2018年優勝のアーモンドアイと、過去10年で6頭の優勝馬を輩出している。
今年のジャパンカップに出走する牝馬はカレンブーケドール1頭。GIはオークス、秋華賞と2着続きだが「馬群を割ってくる勝負根性がある」(津村騎手)という。アーモンドアイを育てた国枝栄厩舎が送り出す斤量53キロの根性娘の頑張りに注目したい。
2018年ジャパンカップ 優勝馬 アーモンドアイ
7人の外国人騎手が参加。来日直後の世界的名手・デットーリ騎手らに注目
馬はこないが、人は来た。
この秋冬シーズン、JRAでは世界的な名手がJRAの短期免許を取得している。ジャパンカップでは日本での通常ライセンスを持つ2名を含めた7名の外国人騎手がしのぎを削る。
中でも注目は、先日予定より2週間遅れて来日したランフランコ・デットーリ騎手だ。1996年のシングスピール、2002年のファルブラヴ、2005年のアルカセットとジャパンカップ3勝。今回の来日では、JRAの短期免許を11月23日から12月2日まで取得しての騎乗となる。
JRAでのレースは8年ぶり。早速初日の11月23日は東京競馬で騎乗し、カトレア賞などデュードヴァンなど早速2勝をあげた。ジャパンカップではルックトゥワイスに騎乗する。
「この馬のレースのスタイルとしては、枠はどこでも変わりない」と話したデットーリ騎手。これまでの3勝したジャパンカップはいずれもハナ差での勝利だった。世界の名手が今年はどんな手綱さばきを見せてくれるのか。
2005年ジャパンカップ 優勝馬 アルカセット
シュヴァルグランに騎乗するクリストフ・スミヨン騎手は2014年以来5年ぶりの来日。このときはエピファネイアでジャパンカップを制している。RAの短期免許を取得したのは2014年以来7年ぶりだ。この2014年のジャパンカップではブエナビスタで1着入線も2着に降着した苦い過去がある。
「以前、日本で騎乗していた時は、自分も少し若かったのでミスもあったかもしれません。特に(ブエナビスタで)ジャパンカップを負けたことが私の中でしこりとして残っていたので、7年ぶりに短期免許を取得するには少し時間が必要でした。」(スミヨン騎手)
今年の相棒であるシュヴァルグランは一昨年のジャパンカップ優勝馬でもある。このとき騎乗していたボーマン騎手から馬の情報などを入手したというスミヨン騎手にも注目だ。
2014年ジャパンカップ 優勝馬 エピファネイア
前日に降り続く雨、道悪競馬を克服するのは?
東京競馬場はジャパンカップの前日にあたる23日は終日降雨に見舞われた。23日は芝・ダートともに不良馬場。予報では、ジャパンカップ当日まで降り続く見込みで、ジャパンカップの発走までにどこまで回復できるかは疑問が残る。
メンバー中、道悪を歓迎しているのはダンビュライト、マカヒキ、スワーヴリチャードなど。
一昨年の大阪杯以降、優勝から遠ざかっているスワーヴリチャードは今回、チークピーシーズを装着。もともと左回りを得意としており、とても面白い存在だ。
「馬体は5歳の春を迎えて完成期に入っています。ここをメイチ勝負のつもりで頑張っていきたいですね」と庄野師は熱く意気込んでいた。
2018年 大阪杯 優勝馬スワーヴリチャード
11月24日午前5時現在のオッズによれば、出走馬15頭中、単勝人気1桁がカレンブーケドール、ワグネリアン、スワーヴリチャード、ユーキャンスマイル、レイデオロの5頭。10倍台がムイトオブリガード、ルックトゥワイス、シュヴァルグラン、エタリオウの4頭と大混戦ムード。ゲート入り寸前まで何度も吟味を重ねたい一戦となるだろう。