梅雨は次のステージへ 7月は東北地方も大雨に注意
7月に入りましたが、きょう1日は、梅雨前線の影響で、西日本・東日本の太平洋側では大雨となったところがあり、伊豆諸島では、「顕著な大雨に関する情報」(線状降水帯発生情報)が発表されるほどの非常に激しい降り方になりました。
雨の少なかった6月
今年、九州~東海にかけては記録的に早い梅雨入りとなりました。きょうは大雨となったところもありますが、梅雨入りからこれまで、雨続きというわけではありませんでした。6月の降水量は平年より少ないところが多く、逆に、沖縄や奄美では多くなっています。フィリピン付近の対流活動が不活発で、梅雨前線が本州から少し離れた南の海上に停滞することが多かったためです。平年より5日早く(5月5日ごろ)梅雨入りした沖縄は、きょう7月1日の時点でまだ梅雨明けが発表されていません(平年は6月21日ごろ)。
※追記 7月2日 沖縄の梅雨明けが発表されました。
東北地方は、南部・北部ともに平年より遅く、6月19日ごろの梅雨入りとなりましたが、当然ながら梅雨前線の影響を受ける日は少なくなっています。6月下旬(21日~30日)降水量は、多くの所で平年より少なく、逆に日照時間は多い傾向で、あまり梅雨という感じがしていないのは事実です。
東北地方の梅雨本番は7月
ただ、東北地方の梅雨の本番は7月です。九州南部の鹿児島と、東北南部の仙台の平年の降水量をグラフにしてみると、鹿児島は6月下旬に山があるのに対し、仙台は7月中旬に山があります。梅雨前線は南から北へ上がっていくため、当然といえば当然です。梅雨は6月というイメージがあるかもしれませんが、東北地方は、6月はまだ梅雨の序章にすぎず、7月が本当の梅雨と言えます。
7月の降水量は多めの予想
今後、次第に太平洋高気圧が強まり、梅雨前線は北へ押し上げられる傾向が見えています。沖縄は間もなく梅雨明けが発表される見通しで、本州付近で梅雨が本格化します。きょう1日、気象庁から1か月予報が発表されましたが、東北地方は前線や湿った空気の影響を受けやすく、降水量は「平年並みか多い」予想で、例年よりも大雨のリスクが高いと言えます。
梅雨末期は東北でも大雨のおそれ
去年、山形県を中心とした大雨によって最上川が氾濫。幸いにも、死者・行方不明者は出ませんでしたが、多くの住宅が水に浸かるなどの被害が出たことは、記憶に新しいところです。この大雨があったのが、7月28日。まさに梅雨末期の大雨でした。
当時の気圧配置を見ると、東北地方に梅雨前線が停滞し、前線上には低気圧が発生、高気圧の縁辺を回って暖かく湿った空気が流れ込む、梅雨の典型的な大雨のパターンのような気がします。東北地方の梅雨というと、シトシトと弱い雨が降り続く、いわゆる「陰性の梅雨」のイメージがありますが、梅雨の末期は、条件が揃えば、西日本のような激しい降り方をすることがあります。
今年は、避難勧告が廃止されたり、気象庁から新たに線状降水帯に関する情報が発表されるなど、大雨に関連する情報に、いくつか変更された点があります。すでにテレビや新聞の報道で知っている方は多いと思いますが、ハザードマップと合わせていま一度確認して、ご自身の避難行動に役立てていただきたいと思います。