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うっかりカーテンにカビを生やしてしまった...厄介な冬の結露とカビ対策は?

藤原千秋ライター、住生活ジャーナリスト
(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

冬本番。ことさら冷え込みの激しかった、朝。震えながらカーテンを開けると、ビチョッ、ビシャッと窓ガラスにびっしり冷たい水滴が……。

すかさず、見なかったフリをしてカーテンを閉めてしまいたくもなりますよね。

その水分がカーテンにも移って濡れていたり、床にまで水滴が垂れていたり。そのまま放置するのは良くなさそう、それはわかっていても、忙しい朝にいちいち拭いてもいられません。

けれど放置したままうっかりカーテンにカビを生やしてしまった経験のあるという人も、あながち少なくないのではないでしょうか?

今回はそんな厄介な冬の結露、そして結露がらみのカビ対策についてご説明したいと思います。

すでに結露に見舞われている場合、すぐにやるべきこと

「消毒用エタノール」スプレーと、捨ててもいい古タオルを用意
「消毒用エタノール」スプレーと、捨ててもいい古タオルを用意提供:yotto/イメージマート

さてもうすでに日々結露に見舞われているおうちの場合、まずはキッチン用などでも構いませんので「消毒用エタノール」スプレーと、捨ててもいい古タオルを用意し、結露している窓ガラスを上から下まで。特に、足元のサッシ部分を念入りに、手前の床面まで「エタノール拭き」を行いましょう。

拭くタイミングは朝でなくても、濡れているときでなくても構いません。できるタイミングで済ませます。終わったら5分程度その窓を開けて換気ができると尚いいです。

この作業により、ガラス、サッシ、カーテン、床などのカビリスクが一時的にでも低減します。「消毒用エタノール」はカビ胞子を殺す作用があるからです。ついでにガラス内側に付着している油煙汚れ、皮脂汚れなども拭き取れます。

毎朝結露を拭き取ることができなくても(結露を作りながらでも)この作業が週一程度行えていればカビ発生予防になります。消毒用エタノールはカーテン生地のガラス側、特に床上30センチ程度の範囲にも吹き付けておけるとカーテンのカビ予防にもなります。

すでにカーテンがカビている場合

なかがわ なおきさんによる写真ACからの写真
なかがわ なおきさんによる写真ACからの写真

ただ、この時点ですでにカーテンに黒いテンテン汚れが散見される場合にはカーテンにカビが生えていることになります。残念ながら布地に生えたカビは容易に落とせません。その上、日々の結露により与えられる水分で成長するばかりなので放置するのも健康面で良くありません。

カビが生えてしまったカーテンは、できるだけ速やかに、マスク、メガネを装着した上でカーテンレールから外し、洗濯洗剤に酸素系漂白剤を加えた洗剤液に1時間ほど漬け込んだ後で家庭用洗濯機で洗濯するか、洗濯絵表示にウォッシャブル表示がない場合はクリーニング店に持ち込んでクリーニングしてください。それでもカビは取りきれないケースが多いですが、放置するよりも良いことです。

ただもし窓のサイズが汎用的で安価で買えるなど予算が許すのなら、思い切ってカーテンごと新調してしまっても良いかと思います。エアコンの吸気フィルターのカビと同程度にカーテンに生えたカビはその部屋の空気を多量のカビ胞子で汚染する恐れがあるため、対処の優先度の高い家事作業だと認識して欲しいと思います。

「エタノール拭き」「カーテン洗濯」が終わった後にできる結露対策

冬でも使える扇風機
冬でも使える扇風機写真:single_one/イメージマート

もし夏の扇風機をまだ片付けずにいたならば、いっそ冬の間も出しっぱなしにしてしまうのも一手です。というのは、カーテンを閉めた状態で構いませんので、弱風にして夜中じゅう窓に向けて風を送るためです。

急激な冷え込みの際など、周囲の水蒸気を水滴にしてしまいやすい窓ガラス周辺の空気をずっと動かし続けることで結露の発生が抑えられるのです。エアサーキュレーターでも同様の効果が見込めますのでぜひ試してみてください。

さらに予算が許すなら「ウインドーラジエーター」がすごい

写真:アフロ

窓が大きな掃き出し窓、かつ北向きなど非常に冷える環境である場合。多少の風を送ったところで結露が発生するどころか結露の水滴が凍るようなこともあるかも知れません。

もしそのような環境で困っているなら、「ウインドーラジエーター」という暖房器具を導入するのもオススメです。窓下に設置する細長いヒーターで、一晩中暖気を窓前に送り続けることで部屋全体の冷気もシャットアウト。結露がほとんど発生しないのみならず部屋の暖房効率が格段に向上します。

朝時間に余裕があるなら吸水スポンジ、窓用バキュームクリーナーも便利

chinerinaさんによる写真ACからの写真
chinerinaさんによる写真ACからの写真

そこまでの対応は必要ない、または時間的に余裕がある場合には、朝、発生した結露を都度拭き取るというオーソドックスな対応も、もちろんありです。

結露水を拭き取る際には、窓面の広さなどから想像以上に多量の水分が付着しているものなので、古タオルで拭き取るつもりならバスタオルサイズがいいでしょう。

また結露の吸水に特化した吸水スポンジも市販されています。スクイージー(T字型水切り)で窓掃除の要領で水滴を拭うことも時短になりますが、その際に出た水をタンク付きバキューム装置で吸い取ることが可能な家電も市販されていますので、興味がある方は試してみてください。

バキューム水切りは窓掃除自体も容易に行える製品なので、常に窓ガラスをきれいにしておきたい人にもおすすめです。

そもそも加湿しすぎでないかのチェックも

apple12さんによる写真ACからの写真
apple12さんによる写真ACからの写真

また、そもそも、その部屋の加湿状況が過剰でないか、といった見直しも大切です。風邪、乾燥対策として加湿器を使用するケースの多い冬場ですが、相対湿度で60%を超える加湿は窓周りの結露の発生のみならず、寝具や家具内部での結露、その結露によるカビやダニの発生や成長をも促しかねず、かえって不健康の元になってしまう恐れがあるためです。

加湿を行う際には必ず部屋の温度、湿度を「温湿度計」でモニターし、過剰な加湿を行わないようにしましょう。また加湿器にセットする水の衛生状態にも留意しましょう。

【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】

ライター、住生活ジャーナリスト

「家のなか」の事をテーマにウェブ、雑誌、新聞等で執筆。大手住宅メーカー営業職を経て2001年よりAllAboutガイド。主な著・監修書に『人生が整う 家事の習慣』(西東社)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー!!』(オレンジページ)、『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)等。2020年1月より東京中日新聞にてコラム『住箱のスミ』連載中。

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