「もしかするとリュックかも」夏の異臭の主原因? リュックの臭い対策、洗い方
「アタッシュケース」や「ブリーフケース」を持って通勤している人をめっきり見かけなくなりました。代わりに増えているのが「リュックサック」。両肩に荷物の重量を分散できるなど身体にも優しそうです。
けれども梅雨、夏は背中に、びっくりするほど汗をかくもの。他のカバン類に比べ身体に密着する面積の広いこのリュック、背当て全面がこの汗でびっしょり濡れてしまいがち。その「汗の水分+細菌+体温プラスαの温度」のコンボで、リュック自体が煮染めたようになり異臭源になってしまいやすいのです。
とはいえリュックをどう扱っていいものでしょう。今すぐできる臭い対策はあるのでしょうか。
普通のリュックは意外と洗濯機で洗える
そのリュックサックが牛革やワニ皮などの皮革製でない、ポリエステルなどの布でできたものであれば概ね水洗いできます。ただし念のため洗濯表示で「水洗い可」の「水の波線が描かれた桶マーク」があるか確認しましょう。手洗いのみ可の場合の洗濯機洗濯は自己責任の元でお願いします。
年季の入った汚れ、臭いのリュックは消臭スプレーなどでは太刀打ちできないケースが多く、洗濯は臭い対策として他のどんな方法よりも効果的かつ手っ取り早いので、すでに自分でも強い臭いが気になるならば可及的速やかに洗濯するのをお勧めします。
ただ洗濯の際にはポイントが幾つかありますので必ず押さえておいてください。
リュック洗濯の際のポイント
・リュックを洗濯する際はリュック単独で洗濯機を回す
色落ち、色移り、臭い移りなどを避けるために他の下着類などとは一緒に洗濯しないようにしましょう。
・あらゆるポケットを浚い中身をすっかり空にする
機能性の高いリュックほど隠しポケットが多いので、お金やお菓子、大切なメモやペン、イヤホンなどが入れっぱなしになっていないか確認しましょう。
・リュックは古いバスタオルで軽く包み、丸ごと入るサイズの洗濯ネットに入れて洗濯する
ストラップやベルトのプラスチックパーツなどが傷まないよう、直に洗濯するのは避けてネットに入れます。バスタオルで包むことでさらにダメージを吸収させましょう。
・洗剤は中性洗剤(お洒落着用洗剤)を使う
色落ちや変色などの予防のため無難な中性洗剤を使いますが、洗浄力は決して低くないので心配無用です。ただし悪臭が複雑化するので柔軟剤は入れないようにしましょう。
・洗濯コースは「ドライ/ソフト/お洒落着」を選ぶ
変形や破損などのリスク低減のため洗濯コースは意識して使い分けましょう。
・洗い上がったらすぐに干す
あらゆる洗濯に敷衍できることですが濡れものは極力短時間で乾かすのが悪臭防止の肝です。夏なら2時間程度でカラカラに乾くでしょう。パッドなどの厚みの分だけ通常の洗濯物よりもリュックは乾きにくいので、乾燥した天気の良い日を狙ってリュック洗濯に充てるのがお勧めです。乾燥機は使用しないようにしてください。
部屋干しの場合は、リュックを逆さにして下からエアサーキュレーターで風を当てるなどし、乾燥を促してください。
洗濯したのに背負ったらまだ臭い場合
市販の酸素系漂白剤(液体:過酸化水素水)を規定量に薄めた液体に1時間程度漬け込んでから、上記の洗濯を繰り返します。汗による細菌のみならず垢や泥などが染み込んでいる場合は二、三回洗濯しないといけないかも知れません。あるいはクリーニング店に持ち込んで、ドライクリーニングを行い、油性の汚れを石油系溶剤や有機溶剤に溶かし込むことで落とすのも一手です。
洗えないリュックの場合
ポリエステル製でも防水加工がなされているなど部分的にウレタン樹脂が使用されていたり、牛革などの皮革製、ポリウレタンなどの合成皮革製の場合など「洗濯できない」リュックもあります。
すでに汗などの水分で加水分解を始めてしまっているベタついた合成皮革のリュックなどは、洗濯を行うとすぐボロボロに分解してしまうことがあります。ドライクリーニングも断られることがあり、こうなると方法はあまりありません。洗う場合は、自己責任の元で洗濯してください。
背当てやベルトなど汗汚れの多い部分だけ、最低限度、薄めたお洒落着用中性洗剤液で浸したタオルをよく絞ったものでゴシゴシ拭く「拭き洗い」をするという方法もあります。拭いたら必ずよく乾かすようにしてください。
どんなに服の洗濯や入浴で気をつけていても、リュックがものすごく臭いと全て台無しです。またリュックは存在している位置が高いため、満員電車内などで周囲に与える影響も甚大になりがち。リュックを臭くなくすることの恩恵はしかし自分自身が一番受けられるはずなので、天気のいい休日などにぜひ試してみてください。