Yahoo!ニュース

アメリカ合衆国では25%の人が「トランプ大統領の話がしばしば話題に上る」

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 日本の報道でも毎日のように登場するトランプ大統領だが。(写真:ロイター/アフロ)

色々と話題に上るアメリカ合衆国のトランプ大統領。実際に人々の日常生活の間ではどれほどまでに会話に上っているのだろうか。その同国内の実情について、同国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年11月に発表した調査報告書「More Now Say It’s ‘Stressful’ to Discuss Politics With People They Disagree With」(※)を基に確認する。

次に示すのは普段の会話、対面や電話越し、さらにはインターネット経由で、トランプ大統領そのものやその政策に関して、どれほどの頻度で話題に上るかを尋ねたもの。話題の具体的内容や方向性(肯定か否定か)などは一切問われておらず、単に話題に上るか否かのみで尋ねている。また2016年時の回答は2016年6月7日~7月5日に実施された調査の結果で、当然トランプ氏はまだ大統領に就任していないため、大統領に立候補しているトランプ氏そのものやその政策についての質問となっている。

↑ 普段トランプ大統領やその政策について対面や電話越し、オンラインでどれほど話題に上りますか(アメリカ合衆国、「しばしば」「時々」「あまり多くない」「まったく上らない」のうち「しばしば」の回答率)
↑ 普段トランプ大統領やその政策について対面や電話越し、オンラインでどれほど話題に上りますか(アメリカ合衆国、「しばしば」「時々」「あまり多くない」「まったく上らない」のうち「しばしば」の回答率)

2016年の質問時はまだ共和党全国大会実施前で、トランプ氏は共和党の大統領候補としては決定していない。にもかかわらず25%の人がしばしば話題に上ると回答している。そしてその頻度は直近の2018年においても変わらない。報告書によれば直近分でぱ「しばしば」が25%で「時々」は37%、「あまり多くない」と「まったく上らない」は合わせても38%に留まっているとのこと。

トランプ大統領が所属する共和党の支持者においては、2016年から2018年の間に全体では回答率は4%ポイント減ってしまったが、主流の保守的なイデオロギーを持つ人の間では5%ポイント増加している。他方傍流となる中道あるいはリベラル的な人の間では7%ポイントも減っている。

他方、相対する民主党支持者の間では2016年と比べて主流のリベラル的な人の間でも、傍流の保守や中道な人の間でも、回答率は増加している。特にリベラル的な人の間では5%ポイントも増加し、選挙前よりも一層注目を集めていることが分かる。

ただし話題の内容に関し、報告書では一切伝えていない。元々リベラル的思考が強く大統領選挙時には多分に民主党の支持を表明した、アメリカ合衆国の報道機関による報道内容から察するに、少なくとも民主党支持者の間では愚痴的なものも含めた、ネガティブな方向性の内容が多そうではあるのだが。

■関連記事:

トランプ大統領の誕生「で」米国は政治的に二分されたとの意見があるけれど

米国の人に「自国内の民主主義体制を維持していくのには何が必要か」をたずねてみた

※More Now Say It's ‘Stressful’ to Discuss Politics With People They Disagree With

直近分は2018年9月24日から10月7日にかけてアメリカ合衆国内に住む18歳以上の人に対してインターネット経由で実施されたもので、有効回答数は10683件。回答者は居住地に基づいたランダムな選別が行われ、該当者には手紙で確認を取り、インターネット環境が無い人には電話で確認を取り了承があった場合はインターネットへのアクセスができるよう、タブレット型端末が送付されている。以前の調査も同様の方法が用いられている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

不破雷蔵の最近の記事