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たむらけんじが思いを吐露「もう、いつ辞めてもいい」

中西正男芸能記者
仕事への思いを語るたむらけんじ

 タレント、そして「炭火焼肉たむら」の経営者として“面白い焼肉屋さん”と芸人仲間から愛あるイジリも受けるたむらけんじさん(46)。来月9日、10日には落語家・月亭方正さんと大型野外イベント「大阪パフェ」(大阪・万博記念公園)も開催します。音楽、お笑い、スポーツ、グルメ、子どもをテーマに、これまでの芸能生活を集約したような豪華メンバーが出演。テレビでもレギュラー番組を多数持つ状況ですが「自分のお笑い能力を考えると、今がマックス。ホンマに、もう、いつ辞めてもいい」と思いを吐露しました。

月亭方正とのタッグ

 もともと、方正さんから「若くて勢いのある音楽の人たちとイベントをやろうと思ってんねん」と聞いたのが始まりでした。

 そこに、吉本興業やから笑いも加える。そうなると、音楽とお笑いを融合させた「コヤブソニック」というホンマにエエものが吉本には既にあるんやから、かぶってしまう。方正さんも僕も、小籔(千豊)より先輩なんやから、そこを邪魔したらアカン。

 じゃ、僕が自分の20周年の時(2012年)に淡路島で大きなイベントをさせてもらった時のコンセプトというか、お笑い、音楽に加え、スポーツ、グルメ、子どもという要素もプラスする。その形でやったら、みんなとても喜んでくださったということを話して、今回の形になっていったんです。

ただただ感謝

 音楽のステージに関しては、ほぼ方正さんが動いてくださったんですけど、芸人の出演者に関しては吉本にお願いしたというか「この日程で方正さんと僕がイベントをやるので、その日に出られる芸人をピックアップしてもらえますか」と。

 その結果、これでもかと人気者が集まったし、ウソみたいに忙しいはずの「和牛」もムチャクチャ酷使される営業並みに(笑)、ステージに立ってくれます。

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 ま、僕が芸歴27年。方正さんが32年。これだけやってきて、やっぱり吉本も分かってくれたんかなと。吉本が本気を出してくれたというか。二人がやるんやったら、これだけのメンバーを出さなアカンということを思ってくれたんだと思います。それはただただ感謝です。

 あと、感謝しかないのは、テレビ局とか周りの方々がすごく協力的に告知をしてくださること。20周年の時も(MBSテレビ)「せやねん!」さんがオープニングで中継してくださったり、皆さん、いろいろなサポートをしてくださいましたけど、今回はさらにやってくださる。こちらが気を遣うくらい。

 本当にありがたいことやし、この7年の蓄積というか、自分で言うのはナニやけど、ちゃんとお仕事と向き合ってこられたのかなと。それがあっての今回の皆さんの協力だとすると、今後も、きちんとやっていかないとダメやなとも強く思いました。

いつ辞めてもいい

 ま、吉本もいわゆる“闇営業”問題があって、だいぶとダークというかイメージが悪くなっているところもあると思います。もう世間的な関心としては落ち着いているのかもしれませんけど、今回のイベントでも、例えば、お金集め、スポンサー集めみたいなところも、僕が自分の関係性の中でやっていくんです。その時に、ちょっとやけど「え、吉本さんにお金出すの?」みたいな空気もあった。正直な話。

 今回のイベント、もちろん「吉本のイメージアップのためにやります!」というものではないけれども、結果、来てくださった皆さんが「やっぱり吉本がやるイベントは楽しいな」と思ってくれたら、それは純粋に嬉しいことやと思います。

 20周年のイベントの時も、明石家さんまさんが来てくれて、「ナインティナイン」さんも来てくれて、宮迫(博之)さんが歌ってくれて、自分の芸人人生の集大成というか、これ以上、ありがたいことはないと思える場でした。

 そして、今も、自分がお笑いをやろうと思った原点である「ダウンタウン」さんとも仕事をさせてもらえている。我ながら、自分のここだけは優れていると思うのは“自分を客観的に見られる”ところ。それで考えると、僕のお笑い能力からして、今、本当にマックスのお仕事をさせてもらってる。これ以上はない。断言できます。もうこれ以上やったら、潰れます。

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 そうやなぁ、でも、あと一つ、やりたいことがあるとすると…、吉本とのエージェント契約。あれはやってみたい。明日にでもやってみたい!そら、一回、吉本とギャラ配分の割合が逆転する生活を味わいたいもん!

 エージェント契約やったら、テレビ局から直接僕がもらったギャラの中から吉本さんに「この度はお世話になりました」と手数料を渡す形になる。となったら、手数料を10%で設定したとしたら、夢の9対1になるわけですから!

 9対1…。どこまでもエエ響き(笑)。人生で、そんなん味わったことがないから、一回は味わってみたい…。その思いもありますけど、何にしても、ホンマに、ホンマに、現状でマックスのことをさせてもらっていると思います。だから、どこまでも感謝やし、気持ちとしては、今日辞めたとしても、残るのは感謝しかありません。

(撮影・中西正男)

■たむらけんじ

1973年5月4日生まれ。大阪府阪南市出身。大阪NSC11期生。同期には陣内智則、ケンドーコバヤシ、「中川家」らがいる。92年にお笑いコンビ「LaLaLa」を結成するも、99年に解散後はピンとして活動。2006年に自らがオーナーを務める「炭火焼肉たむら」を開業。芸人と社長の顔を持つ実業家芸人としてブレーク。MBSテレビ「せやねん!」、ABCテレビ「おはよう朝日です」、関西テレビ「よ~いドン!」、読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」などレギュラー多数。月亭方正とともにイベント「大阪パフェ」(11月9日、10日、大阪・万博記念公園)もプロデュース。音楽の分野では「スキマスイッチ」「ET―KING」ファンキー加藤「ベリーグッドマン」「純烈」「NMB48」「yaiko(矢井田瞳)×takataka」「たこやきレインボー」らが登場。お笑いでは「テンダラー」「シャンプーハット」「笑い飯」「レイザーラモン」「ダイアン」「銀シャリ」「和牛」「チョコレートプラネット」「霜降り明星」「ミキ」ゆりやんレトリィバァら人気芸人が集う。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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