お店の電球に赤く染まる暖簾こそ博多ラーメンのルーツ。屋台にはじまり代々受継がれるキレのある醤油豚骨。
昭和21年に屋台ではじまる
博多ラーメンのルーツのひとつといわれる「赤のれん」。戦前戦後の時代の中、〈三馬路〉〈白龍軒〉〈赤のれん〉が三大発祥の店というのは有名な話。その系統のお店「元祖 赤のれん 和亭(なごみてい)」は、博多駅から徒歩10分程度の住吉エリアに近い場所にあります。以前は天神にある本家の〈節ちゃんラーメン住吉店〉として営業していたようですが、この〈和亭〉に名を変えて10年くらいは経つでしょうか。この場所は穴場ともいえる狙い目の名店です。
「赤のれん」は1946年(昭和21年)に〈津田 茂 氏〉が屋台で創業。今では当たり前のラード・メンマ・紅生姜は、このお店が発祥ともいわれています。1949年には箱崎で店舗として開業。当時、近くの九大生がお店の電球に赤く染まる暖簾を見て、「赤のれん」の愛称で親しんだのがお店の由来だそうです。
現在は、本家の節ちゃんラーメンは三代目が受継ぎ、最近は創業の地である箱崎でも茂ちゃんラーメンとして、この和亭も含め代々受継がれる名店のひとつですね。
店内は長いカウンター席とテーブル席もあります。老舗ではありますが、リニューアルもしているのか、シックで綺麗な佇まいです。
メニューはラーメンに定食もあり、ちゃんぽんや皿うどんがあるのも、赤のれんのラインナップですね。
ラーメン+半炒飯
やはり、セットメニューの定番と言えばこちら。間違いなく満足度できるのが、ラーメンと半炒飯の鉄板セット。どちらも美味しい赤のれんの味を楽しめるセットですね。
ラーメン
このビジュアルこそ博多ラーメンのルーツ。長浜系とはまた違う。そしてこの醤油の色合いが赤のれんの特徴ですね。大きなチャーシューにネギ、そして発祥のメンマがトッピングされています。
濃度は控えめの豚骨に、表面にバリっとラードが浮かびます。そこにキレのある塩味の効いた醤油ダレの味わい。初代のおかみが見つけてきた秘伝の醤油だそうですね。様々な部位を長時間煮込んでいるという豚骨の風味も良いのですが、醤油ダレのインパクトがグッとくる。これがまた惹きこまれていくんですよね。
本来の博多ラーメンは細めの平打ち麺、これが源流です。コシもあり歯応えも良いのですが、平打ちの独特の食感がスープと絡むのがまた良しです。
そして赤のれんの炒飯が絶品なのです。刻んだはんぺんや玉葱などの具材が散りばめられ、優しいあじわいでしっとり仕上がってます。醬油ダレの効いたラーメンとバランスが最高の組み合わせ。これは必ず食べたい。
ネギラーメン
トッピングは定番のチャーシューやワンタンをはじめ、もやしにメンマにきくらげ、そして珍しいキムチなどなどが揃います。その中でネギラーメンをチョイス。緑鮮やかなネギがたっぷりの美味しそうなラーメン。
横から見ても、モリモリに盛り付けられたネギ。その上に白ネギがちょんとトッピングされているのが印象的です。シャキシャキの食感で新鮮なネギが、スープの味わいと絡むとまた美味しいのです。
この平打ち麺、食べたらわかるその旨さ。平打ちだからこそのスープの絡みで、スルスルっと美味しくいただけます。
塩味の効いた味わいなのですが、それが中毒性あり。決して醤油辛いわけではなく、ベースの豚骨に馴染んでいるので、ついついグイっと飲み干すスープです。この年季の入った丼も歴史を感じます。
卓上には定番の紅生姜やコショウにラーメンのタレ、そして餃子のタレやラー油などなど。定食メニューもあるので、様々な調味料が揃えられています。
カウンターに腰かけると、小判を抱いた可愛い招き猫がお出迎え。常連さんのようなお客さんも多く、日々賑わうお店です。
博多駅から徒歩圏内ですが、大通りから脇道に入ったとおりにあるお店。博多ラーメンのルーツを持つ老舗名店ですが、意外に穴場かもしれません。博多駅を訪れたなら、少し歩けば源流となる名店がここにありですよ。
元祖 赤のれん 和亭(なごみてい)
住所:福岡県福岡市博多区博多駅前4丁目24−10 松崎ビル
営業時間:11時30分~22時00分
定休日:日曜日
アクセス:博多駅から徒歩10分
駐車場:近隣有料