台風17号直撃 台湾で死傷者多数
27日(火)午後、台風17号が台湾に上陸しました。島全体を暴風域に巻き込んだ大型の台風により、深刻な被害が起きています。
これまでのところ、荒天により4人が死亡、約260名がケガをしていると伝えられていますが、今後さらに人数が増えるおそれがあります。
暴風の観測値
17号は27日(火)午後2時頃、「大型で非常に強い」台風として、台湾東部の花蓮県に上陸しました。最大瞬間風速55.5メートルの風が観測され、工事中の足場やクレーンが崩れ、バスが横転、看板が吹き飛ぶなど、広範囲で強風被害が発生しています。
大雨の観測値
また、20時間で1,000ミリ近い雨が観測されるなど、各地で大雨による洪水や土砂崩れが発生し、道路が濁流と化した映像も撮られています。
これだけの雨量が観測されるのは、台湾の地形にも関係があります。元々台湾は、島を縦断するように3~4000メートル級の山々がそびえたっているため、台風からの強風が山にぶつかると雨雲が発達し、大雨が降りやすいのです。
被害拡大の一因
今年は台湾にとって、台風の当たり年となっています。7月には台風1号が直撃、そして9月に入ってからは、すでに二つの台風が近づきました。
まず14日には、今年の最強台風14号がすぐ南を通過し、さらに17日には、16号が東の海上を進みました。
つまり、ここ2週間だけで見ても、連続して2つの台風が台湾に接近しており、泣きっ面に蜂となった状態で、17号が上陸。より被害が拡大しているのです。
17号は中国へ
日本時間27日(火)21時現在、台風は「大型で強い」勢力で、スピードをやや落としながら台湾を横断しています。通常台湾に上陸した台風は、その高い山岳の影響で勢力を弱めることが多いのですが、今回の17号は、上陸後もなかなか弱まっていません。
台風は、28日(水)午前中に中国・福建省に上陸する見込みです。台湾と同じく福建省もまた、台風1号と14号の直撃にあっており、すでに甚大な被害が発生しています。
今年の夏、北海道で2週間のうちに4つの台風が上陸・接近しましたが、9月は、台湾・中国が連続台風のターゲットとなっています。