まさかHSPは『適応障害』を発症しやすい!?予防策と対処法について紹介
こんにちは、精神科医しょうです。
「仕事に行こうとすると体調が悪くなる」「休日は元気なのに仕事がある日は体調を崩してしまう」「急激な環境の変化に心身がついていかない」といった状態に悩まされていませんか?
強いストレスや環境の変化によって、心身に不調が出ている状態のことを『適応障害』と言います。
敏感な気質を持つHSPは、疲れやすく環境の変化に弱いという特徴を持っており、強いストレスを受けて適応障害を発症してしまう人もいます。
今回の記事では、適応障害とHSPの関係、HSPが適応障害にならないための予防策、適応障害になってしまったときの対処法について紹介します。
適応障害の症状
適応障害とは、強いストレスによって心や体に不調が現れ、社会生活に影響が出てしまう病気です。
適応障害の症状には以下のような特徴があります。
・抑うつ気分、落ち込み
・焦り、不安、緊張
・飲酒や過食などが増える
・自暴自棄な態度や暴言が増えるなど攻撃的になる
・動悸やめまい、多汗、腹痛
・無断欠席、無断欠勤
・職場や学校で突然涙が出てくる
・集中力の低下、ミスが増える
適応障害になると軽度のうつのような症状に見舞われ、そのまま放置しているとうつ病や他の精神病を併発してしまう可能性があります。
適応障害の症状は、ストレスの原因となっている出来事から離れることで改善されますが、長期的に気分の落ち込みや抑うつ状態が続いている場合はうつ病を発症している可能性がありますので、おかしいと感じたときは早めに病院を受診しましょう。
適応障害とHSPの関係
HSPは生まれながら敏感な気質を持った人のことを指し、適応障害とは異なるものです。
しかし、HSPの過敏で繊細な性格が適応障害の一因になってしまうことは少なくありません。
HSPさんは、外部からの刺激や他人の些細な言動などに敏感に反応してしまうため、自分の合わない環境に身を置いている場合、大きなストレスを受けることがあります。
たとえば、職場で悪口や不満を言う人がいる、常に不機嫌な態度の人がいる、上司がよく怒っているなど、普通の人にとってもストレスになり得ることですが、感受性の高いHSPには大きな刺激になり、自分のことのように落ち込んだり体調を崩してしまったりします。
そのようなことから、HSPは適応障害になりやすいと言えます。
HSPが適応障害にならないための予防策
ストレスを上手に解消する
HSPは些細な点に目が行きやすく、周囲の状況や空気を読むことが得意です。
しかし、細かいところまで見てしまうため、他の人よりもストレスを溜め込みやすい傾向があります。
対策としては、ストレスを溜め込まないために「周囲の人を気にしすぎない」「真に受けすぎない」「考えすぎない」ようにしましょう。
また、溜め込んだストレスはなるべく早めに解消することが大切です。
HSPは他人と一緒に過ごすよりも、一人で過ごす時間の方がストレスが溜まらないという人も多いのではないでしょうか。
一人でできる趣味や読書や入浴など、自分だけで完結するようなストレス解消法を見つけておくと良いでしょう。
生活リズムを整える
生活リズムとストレスは何の関係もないように見えますが、整った生活リズムは心や体を安定させるために必要なものです。
寝不足で体調が悪いとマイナスな方向に物事を考えてしまったり、ミスが増えて落ち込んだりしてしまいがちです。
心身を健康に保つために、なるべく十分な睡眠時間の確保とバランスの良い食事、軽い運動を習慣づけるようにしましょう。
自分に合った環境を選ぶ
適応障害の予防において、自分に合った環境を選ぶことはとても大切です。
HSPの場合は、自分の気質に合った環境を選びましょう。
仕事面では、マイペースに作業できる、人間関係が穏やか、業務量や業務内容が自分に合っている仕事を選ぶようにしましょう。
プライベート面では車の音がうるさくないような場所に引っ越す、苦手な人との交流を減らすなど自分にとってのストレス源を減らしていくことが大切です。
自分の軸を持つようにする
HSPは感受性が豊かで自分よりも他人を優先する傾向があるため、他人の意見に振り回されて疲弊しがちです。
他人がどう思うかを気にしてしまうあまり、自分の意見を押し込めてしまい「本当はこう思ってたのに」と後から悩むこともあるのではないでしょうか。
対策としては、自分の軸を持つようにすることが大切です。
自分は何が好きなのか、自分はどういう意見を持っているのか、何を大切にしたいのかを明確にして、一度紙に書いてみてください。
自分が重要だと思うことを分析する癖をつけていけば、他人の意見に振り回されることも減るはずです。
HSPが適応障害になったら
ストレスの原因から離れる
適応障害は、ストレスの原因から離れることで症状が改善されるという特徴があります。
まずは自分のストレスの原因を明確にして、その原因から離れるにはどうすればいいか考えることが大切です。
しかし、ストレスの原因から離れるのが難しいという場合もあるかもしれません。
たとえば原因が仕事にあった場合、金銭的な面を考えてすぐに転職ができないという人もいるでしょう。
その場合は上司や産業医に相談する、休職して傷病手当金を受ける、自立支援医療を利用するなどの方法があります。
どうすればいいのか一人で判断できない場合は、信頼できる人や精神科や心療内科に相談するようにしましょう。
環境を調整する
ストレスの原因が明確にわかっている場合は、その原因から離れるために環境を調整する必要があります。
業務量が多い、深夜帯のシフトが続いて疲弊している、職場に馴染めない、パワハラを受けているなど、心当たりがあるときは業務量や勤務時間の調整、部署を変更してもらうことはできないか上司に相談しましょう。
十分な休養を取る
適応障害を発症したときは、環境を調整すると共に十分な休養を取ることが望ましいです。
休養期間中は生活リズムを整えて、心と体を休めることに専念しましょう。
仕事からしっかり離れて、考え事をしないようにすることが大切です。
また、再発防止のために自分がどういう環境に対してストレスを感じるのかを整理して、ストレスを受けた際の対処法を身につけておくと良いでしょう。
まとめ
今回は、適応障害とHSPの関係、HSPが適応障害にならないための予防策について紹介しました。
HSPと適応障害は異なるものですが、敏感な気質から適応障害に繋がる可能性は十分にあります。
適応障害の症状が重たい場合、心身が回復するまで時間がかかることがあります。
休むことは悪いことではないので、焦らずに医師と治療方針を相談しながらじっくり治していきましょう。
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